子ども服の洗濯【食べこぼし汚れ】は“なる早”と“前処理”で落とす! お洗濯マイスターが伝授

お洗濯マイスター・大貫和泉さんに教わる「子ども服の洗濯術」#1「 食べこぼし汚れ」

お洗濯マイスター:大貫 和泉

頑固な食べこぼしの汚れ。どのように洗濯すればよいのでしょうか。 写真:PIXTA

子どもが服を汚す原因として、いちばん多いのが食事やおやつの食べこぼし。普通に洗濯しただけでは汚れが落ちきらなかったり、シミになってしまったりすることがあります。

こういった汚れをきれいに落とすにはどうすればよいのでしょうか。

子どもの服の洗濯術を紹介する本連載。

第1回は、ライオン株式会社のお洗濯マイスター・大貫和泉さんに、「食べこぼし汚れ」の洗濯のコツを教えてもらいました(全3回の1回目)。

「食べこぼし汚れ」をすっきり洗濯するコツ
・最大のコツは「こぼしたらなるべく早く洗う」
・洗う前に固形物を取り除き、液体の酸素系漂白剤を塗布する
・広範囲の食べこぼしなら「つけ置き洗い」
・すぐに洗えない場合は応急処置を
・「シミ取り剤」「プレ洗剤」があると便利

「こぼしたらなるべく早く洗う」が最大のポイント

食べこぼし汚れをきれいに落とす最大のポイントは、「こぼしたらなるべく早く洗濯する」こと。というのも、食べこぼしによる汚れは、時間が経てば経つほど落ちにくくなるからです。

白い綿の下着にカレーを付着させ、屋内で所定時間放置した後に衣料用洗剤で洗濯し、洗浄前後の色味を色差計で計測。 資料提供:ライオン株式会社

上のグラフは、時間の経過によって洗濯の効果にどんな変化があるかをまとめたものです。カレーが付着した直後に洗濯したものと時間が経ってから洗濯したものとを比べると、汚れの落ち方の違いは歴然。

これは、食べこぼし汚れが時間の経過によって変質したり、水分が抜けて乾燥することで繊維への付着が強まったりするためだと考えられます。

この結果からも分かるように、服に食べ物をこぼしてしまったら、できるだけ早く洗うことが重要。洗濯するまでの時間が短ければ短いほど、汚れは落ちやすくなります。

ぜったいにやってほしい「前処理」

汚れを落とすいちばんのポイントは「なるべく早く洗う」ことですが、もうひとつ、ぜひやってほしいのが、洗う前の「前処理」です。

①固形物を取り除く
固形物が残っていると、汚れがほかの部分に付着しやすくなるので、ティッシュなどで、固形物をできるだけ取り除きます。

ゴシゴシこすったり、強い力でつまんだりすると、汚れが繊維の奥に入り込んでかえって落ちにくくなるので、優しくつまみ取るようにするのがポイント。 撮影:三村 泉

②汚れた部分に液体酸素系漂白剤を塗る
汚れた部分に酸素系漂白剤を塗っておくと、汚れや色素を分解する働きが強まるので、衣料用洗剤だけで洗濯するより汚れが落ちやすくなります。

ただし、衣類のなかには漂白剤が使用できないものも。最初に必ず洗濯表示をチェックし、もし使えない場合は、洗濯に使う液体洗剤の原液で代用してください。

液体酸素系漂白剤をキャップにとり、食べこぼした部分に直接塗ります。量の目安は汚れに十分染みこむ程度。 写真提供:ライオン株式会社 生活情報サイト「Lidea」

漂白剤を塗ったら、すぐに洗濯機に入れて通常通り洗濯します。ほかの洗濯物と一緒に洗っても問題ありません。

広範囲の食べこぼしなら「つけ置き洗い」

食べこぼしの範囲が広い、あるいはあちこちに汚れがついてしまっている場合は、固形物をふき取ったあと、洗浄液につけ置いてから洗うのがおすすめです。

〈つけ置き洗いのやり方〉

①洗濯おけに5リットル程度のぬるま湯(40℃前後)を入れ、洗剤を入れて溶かします。洗剤の量はパッケージに記載されている「水量30リットルに対する使用量」を入れてください。

お湯の温度はお風呂のお湯くらい(40℃前後)が適温。 写真提供:ライオン株式会社 生活情報サイト「Lidea」

②①の洗剤液に、液体酸素系漂白剤を入れます。

液体酸素系漂白剤の量は、製品の裏面を確認して使用量の目安に従って入れてください。 写真提供:ライオン株式会社 生活情報サイト「Lidea」

③②に汚れた衣類を入れ、全体がしっかり浸るようにして30分から2時間ほどつけ置きします。

つけ置き時間は最長で2時間。繊維を傷めてしまう可能性があるので、それ以上はつけないこと。 写真提供:ライオン株式会社 生活情報サイト「Lidea」

④つけ置きした衣類を洗浄液ごと洗濯機に入れて洗濯します。洗剤は、使用する量から、つけ置きに使った分を差し引いて入れてください。

洗浄液ごと洗濯機へ。ほかの衣類も一緒に入れてOK。 写真提供:ライオン株式会社 生活情報サイト「Lidea」
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