「食べこぼし汚れ」は“なる早”と“前処理”で落とす! お洗濯マイスターが伝授

お洗濯マイスター・大貫和泉さんに教わる「子ども服の洗濯術」#1「 食べこぼし汚れ」

お洗濯マイスター:大貫 和泉

すぐに洗えない場合は応急処置を

外食中、あるいはよその家に遊びに行ったときなど、その場ですぐに洗濯ができないことも。そんなときは、汚れの原因に合わせた応急処置をしておきましょう。このひと手間で、あとから洗濯したときの汚れの落ち具合が変わってきます。

①固形物を取り除く
すぐに洗濯をするときと同じように、ティッシュでつまむようにして固形物を取り除きます。

②ティッシュで汚れ、油分を移し取る
まず、汚れの原因が何かを見極めて。しょうゆ、ジュース、カレー、パスタソースなど、多くの食べこぼし汚れは洗剤で汚れが落ちやすい「水溶性」。生クリームやチョコレートなどは「油溶性」の汚れです。

汚れが水溶性の場合、まず使うのは水でぬらしたティッシュ。ティッシュを汚れた部分にかぶせ、指でつまむようにして汚れを移し取ります。その後、乾いたティッシュで軽く押さえて水分をとり、自然乾燥させます。

汚れが油溶性の場合は、ティッシュをぬらさず、乾いたまま使います。汚れた部分にティッシュをかぶせて軽くつまみ、油分を移し取ります。汚れが水溶性か油溶性かわからない場合も、この方法で処置してください。

ティッシュで汚れた部分をつまみ、汚れや油を移しとります。ゴシゴシこするのは禁物。 撮影:三村 泉

なお、飲食店のおしぼりは塩素系漂白剤で処理されていることが多く、それを使って処置すると色柄の部分が色落ちすることがあるので、使わないほうが無難。

市販のウェットティッシュもさまざまな成分が含まれており、布地を傷めてしまう可能性があるので、できる限り、普通のティッシュを使うようにしましょう。

帰宅したあとは、すでに紹介したようにできるだけ早く液体酸素系漂白剤を塗ってから洗濯しましょう。

(汚れの性質と応急処置の方法まとめ)

あると便利な「シミ取り剤」「プレ洗剤」の使い方

前述のティッシュを使った応急処置の代わりに、もしあれば便利なのが市販のシミ取り剤。これは水溶性、油溶性、どちらの汚れにも使えるものがおすすめです。ただし、水で色落ちするものには使用できないので注意してください。

使い方は簡単。まず、シミ取り剤に添付されている吸収シート(なければ乾いたティッシュやタオル、ハンカチなどでもOK)を衣類の下に敷きます。次にシミ取り剤の先端を汚れた部分にあててトントンとたたき、汚れをシートに移し取ります。

汚れのいちばん外側の部分からたたき始め、徐々に中心に向かってぐるぐると円を描くようにしてたたいていくのがコツ。 写真提供:ライオン株式会社 生活情報サイト「Lidea」

汚れが落ちたら、吸収シートの代わりに乾いたティッシュを敷き、上からぬらして固くしぼったティッシュで汚れの部分を丹念にたたき、残ったシミ取り剤を取り除きます。

また、家にいるけれど外出の予定があったり、リモート会議が入っていたりして、すぐに洗濯できないというときは、「洗濯用プレ洗剤」を使うと効果的です。

普通の洗濯用洗剤の場合は、塗布したらすぐに洗うのが基本ですが、このプレ洗剤は、衣服にかけてしばらくおくことで汚れの固着を防ぎ、汚れ落ちをよくするという作用があります。

汚れた部分に洗剤が染みこむ程度にかけ、しばらく放置してから普通に洗濯すればOK。6時間以上おくと汚れ落ちの効果が高まります。 写真提供:ライオン株式会社
ブライトSTRONG 衣類の爽快シャワー 400ml オープン価格/ライオン株式会社 写真提供:ライオン株式会社 生活情報サイト「Lidea」

なお、汚れがついているのに気づかずに長時間放置してしまった、あるいは下処理をせずに洗濯したら汚れが落ちきらなかった……そんなこともありますよね。その場合は、シミの部分に塗布放置できる高濃度液体洗剤を塗布して一晩おき、翌朝普段通りに洗濯を。

ただし、この方法が使えるのは洗濯機の標準コースで洗濯できる衣類のみですので注意してください。

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#2では「泥汚れの落とし方」のコツを伝授していただきます! お楽しみに。(#2はこちら。公開日までリンク無効)

取材・文/三村 泉

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おおぬき いずみ

大貫 和泉

お洗濯マイスター

ライオン株式会社お洗濯マイスター。消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士、健康予防管理専門士。洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わる。2児の母親としての経験と長年の研究活動を融合し、主婦・母親・女性目線で日々のお洗濯に役立つ情報を伝えている。

ライオン株式会社お洗濯マイスター。消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士、健康予防管理専門士。洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わる。2児の母親としての経験と長年の研究活動を融合し、主婦・母親・女性目線で日々のお洗濯に役立つ情報を伝えている。