生成AIで「読書感想文」はダメ? 子どもを伸ばす親のサポートとプロンプト「3技」〔元小学校教諭が公開〕

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札幌国際大学准教授、文部科学省学校DX戦略アドバイザー、デジタル庁デジタル推進委員:安井 政樹

【プロンプト例】
次の文章は、私が自分で書いた読書感想文です。
(子どもが書いた感想文をテキストで入力します)
文章を勝手に書き換えないでください。
誤字脱字や、意味がわかりにくいところだけを指摘してください。
大人っぽい文章に直さないでください。
直すかどうかは自分で決めます。

ポイントは、「勝手に書き換えないでください」と明確に伝えることです。AIに完成版を作らせるのではなく、読み直しの手伝いをしてもらうのです。

誤字脱字の確認は、先生や保護者に見てもらうこともあります。その役割の一部をAIに手伝ってもらうと考えればよいでしょう。

⑦親子でAIの答えを見ながら話し合うとき

保護者が使う場合は、子どもに代わって書くためではなく、子どもの考えを引き出す声かけを考えるために使います。

【プロンプト例】
(最初に、子どもが書いた感想文をテキストで入力します)
この読書感想文について、親子で話し合いたいです。
子どもが自分の考えを深めるために、保護者ができる声かけを5つ考えてください。
ただし、読書感想文を完成させるためではなく、子ども自身の考えを引き出す声かけにしてください。

保護者のみなさんにしてほしい声かけ

家庭でAIを使うとき、保護者の関わり方はとても大切です。

まず伝えてほしいのは、次のようなメッセージです。

「AIに手伝ってもらいながら、あなたにしか書けない、あなたらしい読書感想文を書こうね。」

この一言がとても大切です。AIを使うことを頭ごなしに否定するのではなく、AIを使うなら、あなたらしい文章を書くために使おうと伝えるのです。

一方で、AIに丸ごと書かせることについては、毅然と伝える必要があります。

「AIが書いたものをそのまま出しても、あなたには何もよいことがないよ。」
「完成させればよいというものではないよ。」
「読書感想文は、自分がどう感じたか、どう考えたかを書くものだよ。」

このように、やわらかく、しかしはっきり伝えることが大切です。

イラスト:kikiクリモト/『「考える力」と「好奇心」をぐんぐん伸ばす AI×学び入門』(著:安井政樹、日経BP)
イラスト:kikiクリモト/『「考える力」と「好奇心」をぐんぐん伸ばす AI×学び入門』(著:安井政樹、日経BP)
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保護者は、AIの出力を見て「すごい文章ができた」と感じるかもしれません。しかし、その文章が子どもの考えから生まれていなければ、それは子どもの学びにはなりません。

親がAIで作った文章を子どもに写させる。
子どもの文章を大人っぽく整えすぎる。
賞を取ることや、きれいに仕上げることを目的にしてしまう。

こうした関わり方は避けたいところです。

保護者がすべきことは、子どもの代わりに書くことではありません。子どもが自分の言葉を見つけるために、そばで伴走することです。

「AIはそう言っているけど、あなたはどう思う?」
「この文章は、本当にあなたの気持ちに近い?」
「本のどの場面からそう思ったの?」
「AIに書いてもらうのではなく、あなたの考えを整理してもらおう。」

こうした声かけが、AI時代の家庭での学びを支えていきます。

AI時代だからこそ、「自分の考え」が大切になる

AIはとても便利です。文章も書けます。要約もできます。構成を考えることもできます。だからこそ、使い方を間違えると、子どもが考える機会を簡単に奪ってしまいます。

読書感想文において最も大切なのは、文章のうまさではありません。子ども自身が本を読み、心を動かし、自分を見つめ、その思いを自分の言葉で表そうとすることです。

AI時代には、「答えらしきもの」はすぐに出てきます。けれども、「自分はどう感じたのか」「自分はどうありたいのか」は、AIが決めることではありません。そこは、子ども自身が考えるべきところです。

だから、AIは代筆者ではなく、サポーターとして使う必要があります。

AIに手伝ってもらうことは悪いことではありません。むしろ、正しく使えば、子どもの考えを引き出すよい相手になります。自分の考えを整理したり、問い返してもらったり、読み直しを手伝ってもらったりすることで、読書感想文を書く過程がより豊かになる可能性もあります。

大切なのは、子ども自身がハンドルを握っていることです。

AIが書くのではなく、自分が書く。
AIが決めるのではなく、自分が選ぶ。
AIが考えるのではなく、自分の考えを深めるためにAIを使う。

この感覚を、家庭で一緒に育てていくことが大切です。

読書感想文の宿題を親子でAIリテラシーを学ぶ機会にしよう!

読書感想文は、これまで「夏休みの大変な宿題」として受け止められることも多かったかもしれません。しかし、AI時代の今、読書感想文は親子でAIリテラシーを学ぶよい機会にもなります。

AIを使ってよいのか、使ってはいけないのかという単純な話ではありません。
親子で話し合うときに大切な5つのこと覚えておいてください。

これからの時代に必要な「学び」とは?
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