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好きなことのまとめ「ワクワクメニュー」
伊垣先生:残り半分は「ワクワクメニュー」と呼んでいます。テーマは何でもOK。ただ、漠然としたテーマだと深めにくいので、「インコの飼い方」「ネコの本音」「野球の歴史」といったように、「○○の××」と絞って設定するとまとめやすいよと伝えています。
自学ノートへの取り組みは基本的に毎日です。また1つのテーマで最低1週間は続けてみてと伝えています。いろいろな角度から考えたり疑問を持ったりすることで、いろいろな発見があり、理解も深まっていくからです。
「1学年下の子にもわかる」ようにまとめる
──ワクワクメニューで知りたいことについて、子どもたちはどのように調べているのですか?
伊垣先生:毎週、学校の図書室に行く時間があるので、そこで本を借りるようにしています。今はネットで何でもすぐ調べられますが、児童向けの本は子どもにもわかりやすいように書かれていますし、オフラインでも見られます。
だから僕は「まず本から」と子どもたちには言っています。きちんと丁寧に作られた本に出合って、読書経験を積んでほしいという思いもあります。
ただ、調べる内容がだんだんマニアックになっていくんですよね(笑)。先日も、アルゼンチンの南のほうにしかいない鳥について調べたいという子がいたので、さすがに「ネットでいいんじゃない」と言ったことがありました(笑)。
──資料を丸写ししちゃう子はいませんか?
伊垣先生:「丸写しはダメだよ」という言い方ではなく「1学年下の子にもわかるように書いてね」と伝えています。ちゃんと理解できていないとそれは難しいですから。本にわからない言葉がある場合は、自分で調べて書いていますよ。
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今回は自主学習ノートの取り組み方について伊垣先生に教えていただきました。次回後編では、子どもがつまずいたときのアドバイスや、親の見守り方、そして子どもたちが実際にどんなことをテーマに取り組んでいるのかをご紹介します。
取材・文/北 京子
撮影/森﨑一寿美
自主学習の記事は全2回。
後編を読む。(公開日までリンク無効)
参考リンク
*1 一律の「宿題」廃止➝「家庭学習」への転換で見えてきた可能性
*2 宿題がない学校「宿題をなくして1ねん…校長の思いと子どもたちの変化」(NHK)
*3 【宿題なし】小学校校長が決断 自分で考える“家庭学習”のワケ(中京テレビ)
*4 小中高校にあって当たり前と思われがちな「宿題」、本当に必要?(読売新聞)
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北 京子
フリーライター。 藤沢市在住。食の月刊誌の編集者を経て独立。食を中心に、SDGs、防災、農業などに関する取材・執筆を行う。 3児の母。自然の中で遊ぶこと、体を動かすこと、愛犬とたわむれることが好き。
フリーライター。 藤沢市在住。食の月刊誌の編集者を経て独立。食を中心に、SDGs、防災、農業などに関する取材・執筆を行う。 3児の母。自然の中で遊ぶこと、体を動かすこと、愛犬とたわむれることが好き。
伊垣 尚人
1977年生まれ。YMCAのキャンプリーダーや不登校児童・生徒の学校復帰の支援活動などを通じて学校現場に興味を持ち、通信教育で教職の道へ。カウンセリングやファシリテーションを活かしたクラス経営により、子どもがオーナーシップを持ち、学ぶことを楽しむ授業づくりに取り組んでいる。 NPO法人Educational Future Center理事、西脇KAI代表幹事、Learning Association of Facilitative Teachers主催、日本イエナプラン教育協会会員。 主な著書に『子どもの力を引き出す自主学習ノートの作り方』(ナツメ社)、『子どもの力を引き出す自主学習ノート 実践編』(ナツメ社)他がある。
1977年生まれ。YMCAのキャンプリーダーや不登校児童・生徒の学校復帰の支援活動などを通じて学校現場に興味を持ち、通信教育で教職の道へ。カウンセリングやファシリテーションを活かしたクラス経営により、子どもがオーナーシップを持ち、学ぶことを楽しむ授業づくりに取り組んでいる。 NPO法人Educational Future Center理事、西脇KAI代表幹事、Learning Association of Facilitative Teachers主催、日本イエナプラン教育協会会員。 主な著書に『子どもの力を引き出す自主学習ノートの作り方』(ナツメ社)、『子どもの力を引き出す自主学習ノート 実践編』(ナツメ社)他がある。