中学受験「国語」読解力アップ3大秘訣 出題小説を受験塾教室長が徹底解説
中学入試国語 3年間で5冊36件も出題された講談社の小説をていねいに分析
2022.09.17
① 筆者が書いた内容を最大限尊重する
それでは、正しい「読解」をするにはどうすればいいか。筆者(物語文だと作者)が書いた内容(表現の仕方も含めて)を最大限尊重することがその第一歩です。
記述問題で本文中の表現をそのまま書き写すのはカッコ悪いと思ってしまうかもしれません。
しかし、テストではあくまで本文でどういうことが述べられているかについて問われるものがほとんどですから、筆者が表現していることを最大限に尊重することは非常に大切です。
したがって、まずは本文中で使われている言葉を書き写し、それを問いの条件に合う形に整えていく作業を優先します。
自分がどう考えているかよりもまず、本文で筆者が何を述べているのかを確実に読み取る。そこを意識していくと、自然と記述力の基本も定着していくでしょう。
物語文などの文学的な文章よりもむしろ、説明的な文章における記述問題の方が、本文中の表現を多く使って記述しやすいので、そこに重点を置いて学習するとよいと思います。
② 論理性と客観性
さらに、文章のどこに何が書かれているかを過不足なく言えること、「行間を読む」場合でも、文章のどの部分からどのように無理なくイメージできるか (「無理のないイメージ」とはいささか矛盾した言い方ですが)を筋道立てて言えること、そういった力を養っていくことが「読解力」に直結します。
このような言い方をすると、高度な内容だと感じる人もいるかもしれませんが、簡単に言うと、「なぜ」という質問に答えられる(論理性)、そして「文章のどこに書かれていたか」が明らかにできる(客観性)、これらが確実にできるようになれば、自然と読解力は身についていきます。
③ 使える言葉を増やす(語彙力)
さらに、使える言葉を増やすこと(語彙力)も、読解力アップには欠かせません。
普段からいろんな言葉に触れる機会を設ける、という意味では読書は大いに役に立ちますし、経験値の少ない子どもにとって、読書による追体験は、視野を広げるという面では極めて有用です。
たとえば、男の子には女の子が主人公の物語文を、女の子には男の子が主人公の物語文を読むようにすすめています。入試問題でも男子校で女性主人公の物語文(女子校ではその逆)が出題されることは多いです。異性の気持ちや状況を想像できる力を養うことができます。
いずれにしても、国語が苦手な人は、得意な人が無意識のうちにやっていることを意識的に、正しい手順に従ってやってみることが、苦手克服につながっていくのです。
「正しい読解」をするコツ、まずはこれだけ!
① 筆者が書いた内容を最大限尊重する。
② 文章のどこに何が書かれているかを過不足なく言える(客観性)。文章のどの部分からどのように無理なくイメージできるかを筋道立てて言える(論理性)。
③ 使える言葉を増やす(語彙力)。