目指せ絵本作家！　「受賞作」と「出版されたバージョン」では何が変更された？　「講談社絵本新人賞」受賞作家が自作を詳しく解説

2024年３月15日と４月３日の２日にわたって行われたオンラインセミナー「絵本作家への道」。1979年に創立され、現在では絵本作家の登竜門として知られるコンテスト「講談社絵本新人賞」、その新人賞受賞者と審査員の一人である編集長が出演し、創作法と講談社絵本新人賞について語るオンライン形式のセミナーです。

参加申し込み者は400人超と大きな注目を集めた本セミナー。第42回講談社絵本新人賞を受賞した伊佐久美さんが出演した第２回のレポートをお届けします。

1970年生まれ、東京都在住。東京造形大学デザイン学科卒業。製版会社、デザイン事務所勤務を経て、2002年よりぬいぐるみ、雑貨等の制作・販売をするネットショップの運営をしている。2021年、第42回講談社絵本新人賞受賞。

大学卒業後、地方新聞の記者、放送局の記者の職に就いた後、講談社に転職。『週刊現代』、『月刊現代』、『FRIDAY』の各編集部を経て、2013年に児童書の編集部に異動し、未就学児から大人までを対象に幼年童話やYA小説などの編集を手がける。2023年より絵本を専門に出版する幼児図書編集の編集長に就任。

セミナーの第１部は「講談社絵本新人賞」について、「どんな賞なのか」「どんな年代の人が応募しているのか」といった基本情報を改めてご紹介することからスタートしました。ここ最近の受賞作から、シゲタサヤカさんやはっとりひろきさんといった、講談社絵本新人賞出身作家の作品も紹介。

「選考のポイントは何かという質問もよく受けるのですが、審査員によって見るポイントが違うというのが正直なところ。絵が大事だという人もいるでしょうし、お話の展開が大事だという人もいる。我々(編集部)としては、２作目、３作目と長く活躍してほしいというのはあります」(片寄編集長)

第２部はいよいよ伊佐久美さんの創作法についてのトーク。

絵本新人賞の受賞作『タコとだいこん』を、伊佐さん自ら読み聞かせしたあとに、アイデアを思いついたきっかけから始まり、一番はじめに描いた下書き、絵コンテ、構成と、実際に制作したものを今回初公開してくれました！

実際に絵本新人賞に応募した原画を公開すると、丁寧に施されたコラージュがはっきりと見え、視聴者からも「勉強になります！」との声が。

また、受賞後に出版するにあたって描き直した部分についても、原画と実際の本を並べて公開。意図や具体的にどう変更したか、伊佐さん自らに解説してもらったところ、「納得いった」「わかりやすい！」とこちらも好評でした。

最後は、事前アンケートで寄せられた質問と、視聴者からチャットで寄せられた質問に答えるコーナー。

「登場人物（タコ）の設定・絵がきまるまでにどれくらいの時間がかかりましたか？」

「本番の絵の色を付けていくときは、一番最初の１ページめから描くのでしょうか？　それとも一番の見せ場の場面からですか？　風景だけ先に描き、人物は後に描くなど、こだわりはありますか？」

「お話の中でどの部分を絵にするか、どのように決めているでしょうか。また構図で大事にしていることは何でしょうか？」

「大人が面白いと思うものとお子さんが面白いと思うものは、また違うのかなぁと感じますが、そのあたりはどのように想像していらっしゃいますか？」

伊佐さんがどのように答えたかはぜひ実際の動画で確かめてみてください。

第１回(ゲスト：玉田美知子さん)、第２回(ゲスト：伊佐久美さん)のセミナー動画は現在好評発売中。購入手続き後に、すぐにご覧いただけます。第１回、第２回両方のセミナー動画をフル視聴可能で、価格は2,200円(税込)。セミナー中に紹介した「台割PDF」も特典としてついてきます。　

一度購入いただくと、2025年３月31日まで何度でも視聴可能なので、あなたの創作活動のヒントに、モチベーションUPにとぜひお役立てください。

※講談社コクリコCLUBのアカウント登録(無料)が必要になります。