犬猫大好き&飼いたい子へ! 「ペットが好きな子」におすすめの絵本3選[絵本の専門家が選出]

子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #8~ペットが好きな子へ~ (4/4) 1ページ目に戻る

絵本コーディネーター:東條 知美

「まるで自分みたい!」子どもの共感を呼ぶロングセラー

最後にご紹介するのは、ペットの犬を描いたロングセラー絵本『どろんこハリー』(福音館書店)。1956年、アメリカで『Harry the Dirty Dog』というタイトルで出版され、1964年には日本語版が発売。実に70年もの間、世界中の子どもたちの目を輝かせてきた、読み聞かせ現場でも大人気の名作です。

『どろんこハリー』(文:ジーン・ジオン、絵:マーガレット・ブロイ・グレアム、訳:わたなべしげお/福音館書店)
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主人公は、「おふろにはいることだけは、だいきらい」な黒いぶちのある白い犬・ハリー。ある日、家族がお風呂の準備をしていることに気づいたハリーは、お風呂用のブラシを裏庭に隠してしまいます。そうして家を抜け出し、街の好きなところで好きなように遊んでいるうち、泥やすすで真っ黒になってしまうのです。

やがて「しろいぶちのある くろいいぬ」になってしまったハリーは、家に帰っても、家族の誰にも自分だと気づいてもらえません。

困った、ハリー! どうする、ハリー!

ドキドキハラハラしながらも、最後には大団円の物語。大判の見開き画面いっぱいに繰り広げられるハリーのプチ家出シーンでは、心のままにやりたいことを全力でやりきるという、子どもの本質的な願望が感じられます。

また、嫌なものは嫌という素直な気持ち、今にもページから飛び出しそうな疾走感、汚れをさっぱり落とした後のえも言われぬ爽快感と、要所要所で“気持ちいい!”感覚にうったえる作品でもあります。

お風呂が嫌いだったり、つい調子に乗りすぎちゃったり、失敗してしょんぼりするハリーの姿。子どもたちは「あ、同じ!」と自らを投影して楽しめるのではないでしょうか。ぜひ親子で読んでいただきたい一冊です。


取材・文/星野早百合

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30 件
とうじょう ともみ

東條 知美

絵本コーディネーター

1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト  https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html

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1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト  https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html

ほしの さゆり

星野 早百合

ライター

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。