
冬のギフトにぴったりな“雪の絵本”3選[絵本専門店の書店員が選出]
子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #11~雪の絵本~ (4/4) 1ページ目に戻る
2026.02.07
ブックハウスカフェ店長:茅野 由紀
目で耳で【雪の世界】を楽しめる絵本
最後にご紹介するのは、『ゆきのこえ』(講談社)。「第30回 日本絵本賞」「第56回 講談社絵本賞」を受賞した作品で、文は絵本作家で漫画家のおーなり由子さん、絵は絵本作家でイラストレーターのはたこうしろうさんと、ご夫婦で作られた絵本です。
私も大ファンである、おーなりさんが紡ぐ文章は日常にあふれた言葉を使っているのに、つなぎ方や見せ方がとても繊細。心地よく、すーっと心に入ってきます。
子どもたちへの読み聞かせでもおーなりさんの絵本は大変人気で、誰がどんなふうに読んでも優しく届く、不思議な魅力があると思います。
ある朝、男の子は窓の外が明るくて目を覚ましました。
「ゆき! ゆきが つもってる!」
しーんと静かな雪の日の朝。降り積もったばかりの雪を男の子が踏み締めると、足元から音が聞こえてきます。
「くすす、きゅっ。」
「くすす、くすす、きゅっ、きゅっ……」
「ゆきが わらってる! おとこのこは うれしくなりました。」
雪の中でいきいきと遊ぶ男の子のかわいいこと! 「ぱらぱら ぱらぱらぱらっ!」「ぼすん、ぼすん、ぼすん……」。雪が飛び散る音も、深いところを歩く音も、みんな雪の声。耳をすませると、たくさんの声が聞こえてきます。まるで男の子と一緒に遊んでいるかのようです。
音だけではなく、雪のひんやり感からサラサラの雪・濡れた雪といった質感、風の冷たさや湿度まで読み手に伝えているのが、はたさんの素晴らしい絵。圧倒的な臨場感で、その場にいるかのように冬の朝を感じられる一冊です。
「おとこのこの おおきなこえが ゆきのなかに すいこまれて、 しいんと しずかに なりました。」
雪は話しかけるだけではなく、耳をすませて、私たちの声も聞いているのかもしれませんね。まだ雪を知らないお子さんにも、この美しい世界を体感していただきたいなと思います。
取材・文/星野早百合
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星野 早百合
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。
















































































茅野 由紀
1万冊を超える絵本を取り揃えた、子どもの本専門店「ブックハウスカフェ」(東京・神保町)店長。2005年から絵本の世界に携わり、20年。新聞などのメディアで書評やコラムを連載するほか、教育機関で講師も務める。2児の母。 ●ブックハウスカフェ
1万冊を超える絵本を取り揃えた、子どもの本専門店「ブックハウスカフェ」(東京・神保町)店長。2005年から絵本の世界に携わり、20年。新聞などのメディアで書評やコラムを連載するほか、教育機関で講師も務める。2児の母。 ●ブックハウスカフェ