
いよいよ原画完成! 絵本作家・たしろちさとさんの絵本づくり【原画制作編】
#4 原画を制作する
2026.04.03
原画制作中のたしろちさとさん。筆をたくさん持って、選びながら描く。
絵本作家・たしろちさとさんが、第2回アストラ国際絵本原作コンテストで講談社賞を受賞した作品「あたまにのったタコ」(ジェニー・ギヨーム/原案)を絵本化する過程をレポートする連載4回目。
今回はいよいよ原画完成! 最後の仕上げ中のたしろさんのようすを取材しました。絵本作家をめざす方、絵本が好きな方は必見です。
今回はいよいよ原画完成! 最後の仕上げ中のたしろさんのようすを取材しました。絵本作家をめざす方、絵本が好きな方は必見です。
「あたまにのったタコ」2026年6月11日(木)発売!
「あたまにのったタコ」は、2026年6月11日(木)発売予定! これまでのたしろちさとさんの制作過程を見ながら、完成をお待ちください!(発売日は変更になる場合があります)
「あたまにのったタコ」表紙イラストをチラ見せ!
たしろちさとさんの
\クリスマスの贈り物にぴったりの絵本/
原画の制作
──今回は、いよいよ原画の制作について、お話をおうかがいします。こうやって、立って描いてらっしゃるんですね!
たしろちさとさん(以下たしろさん):そうなんです。絵の全体がよく見えるように、立って描いています。
──じつは、たしろさんが描いていらっしゃるところを見るのは、初めてです。
たしろさん:そうですよね! 初公開です。
わたしは、原画制作時は、絵本の中にいる感じで、こもってしまうほうなので、編集者さんも原画の制作風景をご覧になった方は今までいらっしゃらないと思います。ご覧のとおり、アトリエは絵の具やら何やらでごちゃごちゃです。
──今回は、取材させていただき、ありがとうございます。
たしろちさとさん(以下たしろさん):そうなんです。絵の全体がよく見えるように、立って描いています。
──じつは、たしろさんが描いていらっしゃるところを見るのは、初めてです。
たしろさん:そうですよね! 初公開です。
わたしは、原画制作時は、絵本の中にいる感じで、こもってしまうほうなので、編集者さんも原画の制作風景をご覧になった方は今までいらっしゃらないと思います。ご覧のとおり、アトリエは絵の具やら何やらでごちゃごちゃです。
──今回は、取材させていただき、ありがとうございます。
絵の全体を見られるよう、立って描く。
使っている画材は?
──たしろさんは、どんな画材で描いていらっしゃるのですか?
たしろさん:アクリルガッシュが、主(おも)です。透明水彩も、油絵の具も、パステルも使うことがあります。でもメインはアクリルガッシュです。
ジェッソで下地をつくり、アクリルガッシュで描きます。
──ジェッソって、なんでしょう?
たしろさん:ジェッソは、絵を描く前に塗る下地材で、下絵を入れるまえ、ほんとの最初の最初に画用紙に塗っています。ちょっとトロッとして石膏のような白さで(黒やいろいろな色のジェッソもあります)、絵の具の定着をよくしたり、発色をよくしたりという効果があります。
水で薄めて、何回かに分けて塗り重ねて下地を作ることが多いようですが、私は1度塗りで薄めずそのまま塗っています。場面ごとに全場面分の下地をつくり、完全に乾くまで、私は3日ほど置きます。
乾くと下絵を入れる作業に入ります。下絵は鉛筆でごくごく軽く入れます。そしてアクリルガッシュで着彩していきます。
たしろさん:アクリルガッシュが、主(おも)です。透明水彩も、油絵の具も、パステルも使うことがあります。でもメインはアクリルガッシュです。
ジェッソで下地をつくり、アクリルガッシュで描きます。
──ジェッソって、なんでしょう?
たしろさん:ジェッソは、絵を描く前に塗る下地材で、下絵を入れるまえ、ほんとの最初の最初に画用紙に塗っています。ちょっとトロッとして石膏のような白さで(黒やいろいろな色のジェッソもあります)、絵の具の定着をよくしたり、発色をよくしたりという効果があります。
水で薄めて、何回かに分けて塗り重ねて下地を作ることが多いようですが、私は1度塗りで薄めずそのまま塗っています。場面ごとに全場面分の下地をつくり、完全に乾くまで、私は3日ほど置きます。
乾くと下絵を入れる作業に入ります。下絵は鉛筆でごくごく軽く入れます。そしてアクリルガッシュで着彩していきます。
たしろさんが使っている画材。後ろがジェッソ、手前がアクリルガッシュ。写真提供:たしろちさとさん
最後に手を入れている原画は、海のシーン。寄せてくる波が美しい。
納得できず描き直しも
──あれ? ここにもう1枚原画が……。これは使わないのですか?
たしろさん:どうしてもタコのようすが納得できず、描き直したんです。
──もったいないような……。でもたしかに描き直した絵のほうが、しっくりくる気がします。
たしろさん:どうしてもタコのようすが納得できず、描き直したんです。
──もったいないような……。でもたしかに描き直した絵のほうが、しっくりくる気がします。
残念ながら描き直しになった原画。
こちらが絵本に採用された原画。
──制作には、どのくらいの期間かかるのでしょうか?
たしろさん:絵本の絵の制作期間は3ヵ月ほどです。絵本1冊で約20枚の原画を描きますが、わたしは、1枚1枚仕上げていくのではなくて、9割完成ぐらいまでのところは並行して描いていきます。そこまで行ったらあとは、1枚ずつ仕上げます。
──お電話で進捗をうかがったとき、どんどん作品に気持ちが入っていって、最後のほうはとっても納得のいく絵が描けているとうかがいました。
たしろさん:そうですね! 今回はとくにタコがどんどん愛おしくなっていきました!
──授業中手を挙げたり、友だちにスミを吐いたり、とってもユニークなタコですが、絵はデフォルメされすぎておらず、スケッチで描かれたタコに忠実に描いていらして、感心しました。
すべての工程がここに凝縮されている気がしました。素晴らしい原画をありがとうございました。
たしろさん:絵本の絵の制作期間は3ヵ月ほどです。絵本1冊で約20枚の原画を描きますが、わたしは、1枚1枚仕上げていくのではなくて、9割完成ぐらいまでのところは並行して描いていきます。そこまで行ったらあとは、1枚ずつ仕上げます。
──お電話で進捗をうかがったとき、どんどん作品に気持ちが入っていって、最後のほうはとっても納得のいく絵が描けているとうかがいました。
たしろさん:そうですね! 今回はとくにタコがどんどん愛おしくなっていきました!
──授業中手を挙げたり、友だちにスミを吐いたり、とってもユニークなタコですが、絵はデフォルメされすぎておらず、スケッチで描かれたタコに忠実に描いていらして、感心しました。
すべての工程がここに凝縮されている気がしました。素晴らしい原画をありがとうございました。
お手製の枠を使って、版面(はんづら)を確認。
描き終わった原画を乾かし、確認する。
──今回はめったに見られない原画制作の現場におじゃましました。たくさんの絵の具や画材、そしてできたての原画の数々。とても興奮する取材でした。貴重なアトリエと制作のようすを見せていただき、ありがとうございました。
次は、いよいよ刊行間近! 全体を振り返って、大変だったことや、この絵本に寄せる思いをたしろちさとさんにうかがいます。初校や色校正のようすも取材!
次は、いよいよ刊行間近! 全体を振り返って、大変だったことや、この絵本に寄せる思いをたしろちさとさんにうかがいます。初校や色校正のようすも取材!
画材写真以外すべて 撮影:講談社 幼児図書出版部
【受賞作:あたまにのったタコ(原題Un poulpe sur la tête)】はこんなお話
ひとりの男の子が海水浴へ行って海にもぐったら、出てきたときには頭にタコがのっていた! タコは頭の上でどんどん大きくなり、男の子はタコを頭にのせて学校へ。先生に怒られたり、友だちに避けられたり、困ったことばかり……。でも、授業中タコのおかげで正解を答えられたり、いやなことをする友だちにスミをはいてくれたりして、男の子はだんだんタコに気持ちを寄せるようになっていく。タコはお風呂と本の読み聞かせが好きなんだ。そして、次の夏、主人公は海で……。![]()
たしろちさとさんの絵本

絵本作家をめざす方へ
講談社では毎年「講談社絵本新人賞」を実施しています。絵本作家をめざす多くの方のご応募をお待ちしています。
「アストラ国際絵本原作コンテスト」については、こちらをご覧ください。






























たしろ ちさと
東京都生まれ。大学で経済学を学んだ後、4年間の会社勤めを経て、絵本の制作を始める。『ぼくはカメレオン』で世界7ヵ国語同時デビュー。おもな著書に、日本絵本賞を受賞した『5ひきのすてきなねずみ ひっこしだいさくせん』(ほるぷ出版)『クリスマスの おかいもの』(講談社)『すずめくん どこで ごはん たべるの?』(福音館書店)『くんくん、いいにおい』(グランまま社)『ぼく うまれるよ』(アリス館)ほか多数。
東京都生まれ。大学で経済学を学んだ後、4年間の会社勤めを経て、絵本の制作を始める。『ぼくはカメレオン』で世界7ヵ国語同時デビュー。おもな著書に、日本絵本賞を受賞した『5ひきのすてきなねずみ ひっこしだいさくせん』(ほるぷ出版)『クリスマスの おかいもの』(講談社)『すずめくん どこで ごはん たべるの?』(福音館書店)『くんくん、いいにおい』(グランまま社)『ぼく うまれるよ』(アリス館)ほか多数。