大反響「NHKドラマ」が再放送決定! 「むこう岸」で考える「ヤングケアラー」問題
8月24日(土)午前7:30〜再放送 「こどもの人権相談」強化週間に考えたい、中学生の17人に1人がヤングケアラーという現状の問題
2024.08.23
「むこう岸」にいる人間同士、助け合うことはできるのか!?
2024年5月6日に放送されて話題となったNHKドラマ「むこう岸」の再放送が、こどもの人権相談強化週間である8月24日(土)に決定しました。
『むこう岸』は、ヤングケアラーの少女と進学校で挫折した少年との出会いを通して、貧困などの社会問題を描いた、講談社児童文学新人賞出身作家・安田夏菜さんによる小説です。
恵まれた家庭で育ったけれど、学校での居場所を失った少年・和真と、病気の母と幼い妹と3人で生活保護を受けて育ってきた少女・樹希。生活環境が全く違う二人が「貧困」という現実に立ち向かい、未来への希望を見出してゆく姿を描く本作。
貧困が再生産されていく現状は、決して個人だけでは解決できる問題ではないことを突きつけつつも、諦めずに現状打破の道を探る中学生たちの姿に胸を打たれる本作。改めて「こどもの人権」について、大人も子どもも共に考えてみてほしい。
特集ドラマ「むこう岸」
【ドラマあらすじ】
とある公立中学校に転校してきた山之内和真は、「有名私立中学で落ちこぼれた」という秘密を、クラスメイトの佐野樹希に知られてしまう。「取り引きしない?」と樹希に命じられたのは、彼女を慕う口のきけない少年・アベルに勉強を教えることだった。
エリート主義の父親からのプレッシャーに悩んでいた和真は、近所のカフェのマスターが子どもたちに開放している小さな部屋で、アベルや樹希と過ごすうちに、自分の居場所を見つけてゆく。だが、病気の母と幼い妹を抱え、生活保護を受けて暮らす樹希は、将来に希望が持てず、なりたかった看護師の夢もあきらめていた。
そんな樹希を見かねて、「理不尽だよ」と和真が手にしたのは「生活保護手帳」。大人でも難解な内容を読み解き、なんとか解決策を見つけようと奮闘する。そして、ケースワーカーや塾講師など、周囲の大人たちを巻き込みながら、ついに起死回生の一手を見つけ出す。
だが、その矢先、事件は起きた! はたして和真の未来は? 樹希は夢を取り戻せるのか?
【再放送予定】8月24日(土)朝7:30~8:43
【放送局】NHK BSプレミアム4K
【放送時間】73分
【出演】西山蓮都/石田莉子/サニー・マックレンドン/岡田義徳/酒井若菜/遠藤久美子/森永悠希/山下リオ/渋川清彦
【原作】安田夏菜「むこう岸」
【脚本】澤井香織
【演出】吉川久岳(ランプ)
【制作統括】齋藤圭介(NHK)、西村崇(NHKエンタープライズ)、石井智久(ランプ)
2024年8月21日(水)〜27日(火)まで 全国一斉「こどもの人権相談」強化週間
全国の法務局では、8月21日から8月27日までの7日間を「全国一斉『こどもの人権相談』強化週間」として、「こどもの人権」に関する専用相談窓口「こどもの人権110番」(フリーダイヤル0120‐007‐110[ぜろぜろななのひゃくとおばん])とチャットによる相談窓口「LINEじんけん相談」の平日の相談受付時間を延長するとともに、通常、相談対応をしていない土曜日・日曜日も人権相談に応じます。
相談は無料、秘密は厳守します。
原作小説「むこう岸」
第59回日本児童文学者協会賞受賞作品。貧困ジャーナリズム大賞2019特別賞受賞作品。
【対象:小学校高学年以上】
児童文学作家、ひこ・田中氏がイッキ読み! 「『貧乏なのはそいつの責任』なんて蹴っ飛ばし、権利を守るため、地道に情報を集める二人。うん。痛快だ。」
小さなころから、勉強だけは得意だった山之内和真は、必死の受験勉強の末、有名進学校である「蒼洋中学」に合格するが、トップレベルの生徒たちとの埋めようもない能力の差を見せつけられ、中3になって公立中学への転校を余儀なくされた。
ちっちゃいころからタフな女の子だった佐野樹希は、小5のとき、パパを事故で亡くした。残された母のお腹には新しい命が宿っていた。いまは母と妹と3人、生活保護を受けて暮らしている。
ふとしたきっかけで顔を出すようになった『カフェ・居場所』で互いの生活環境を知る二人。和真は「生活レベルが低い人たちが苦手だ」と樹希に苦手意識を持ち、樹希は「恵まれた家で育ってきたくせに」と、和真が見せる甘さを許せない。
中学生の前に立ちはだかる「貧困」というリアルに、彼ら自身が解決のために動けることはないのだろうか。
講談社児童文学新人賞出身作家が、中3の少年と少女とともに、手探りで探し当てた一筋の光。それは、生易しくはないけれど、たしかな手応えをもっていた──。
安田 夏菜
兵庫県西宮市生まれ。大阪教育大学卒業。『あしたも、さんかく』で第54回講談社児童文学新人賞に佳作入選(出版にあたり『あしたも、さんかく 毎日が落語日和』と改題)。第5回上方落語台本募集で入賞した創作落語が、天満天神繁昌亭にて口演される。『むこう岸』で第59回日本児童文学者協会賞、貧困ジャーナリズム大賞2019特別賞を受賞。国際推薦児童図書目録「ホワイト・レイブンズ」選定。ほかの著書に、『ケロニャンヌ』『レイさんといた夏』『おしごとのおはなし お笑い芸人 なんでやねーん!』(以上、講談社)、『あの日とおなじ空』(文研出版)などがある。日本児童文学者協会会員。
兵庫県西宮市生まれ。大阪教育大学卒業。『あしたも、さんかく』で第54回講談社児童文学新人賞に佳作入選(出版にあたり『あしたも、さんかく 毎日が落語日和』と改題)。第5回上方落語台本募集で入賞した創作落語が、天満天神繁昌亭にて口演される。『むこう岸』で第59回日本児童文学者協会賞、貧困ジャーナリズム大賞2019特別賞を受賞。国際推薦児童図書目録「ホワイト・レイブンズ」選定。ほかの著書に、『ケロニャンヌ』『レイさんといた夏』『おしごとのおはなし お笑い芸人 なんでやねーん!』(以上、講談社)、『あの日とおなじ空』(文研出版)などがある。日本児童文学者協会会員。