さかなクンがヒントに!? 小学生大注目の「ウサウサ」はこうして生まれた

担当編集と漫画家が語る『学習マンガ・理科 ウサウサ! 生きものレポート』制作秘話・後編 (2/2) 1ページ目に戻る

ライター:山本 奈緒子

生きものオタク漫画家が次に描きたい“変わり者”たち

未来屋書店伊丹店
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実はまきいわ山さん、生きものを描くのが得意なだけでなく、自身もかなりの生きものオタク。生きもの図鑑を愛読し、生きもの系の番組は録画して何度も見直すほど。録画容量が足りなくなって泣く泣く消しているというくらい、生きもの愛の強い漫画家さんなのです。それだけに、今回発売された1冊に登場した生きもの以外にも、まだまだ描きたいものがたくさんいるそう。

まきいわ山さん:「次に描きたいのは、ハダカデバネズミ。実はこれは第3巻で登場予定なのですが、本当に面白い生きものなんです。見た目はシワシワでへたれっぽいんですけど、実は老化知らずと言われていて、寿命が40年くらいとかなり長い。がんにもならないうえ、何と18分までなら無酸素状態でも生きられる。スペック高すぎですよね!

ならばどんどん数が増えそうなのに、そうならないのは理由があって。ハダカデバネズミ界にはカーストがあって、トップに女王が君臨しているんですけど、この権力争いがすごい。常に女王の座を狙って殺し合いが繰り広げられているので、数も増えないというわけなんです。キョトンと抜けた顔をしているのに、ギャップがすごくて興味深いです。

ウサウサ作品を手がけるようになって、超一流の先生たちにより詳しいお話を聞けるようになって。なぜかウンチが四角いウォンバットとか、生まれてすぐに100mのがけから飛び降りる羽目になるカオジロガンとか、どんどん描きたい生きものが増えています」


ウサウサシリーズは今後、来年2月に第2巻、夏ごろに第3巻が発売予定。セリフは翻訳しやすい横読みデザインになっているので、ゆくゆくは海外にも展開していけたらと本作編集担当の杉原さんは考えているそう。

右:ウサウサ、左:????(2巻で登場?)/まきいわ山さん作成

杉原:「もっともっと“合法”のマンガを増やしていきたいです。実は今、日本の子どもたちが一番読んでいる学習マンガは、韓国で出版されたものの翻訳版なんです。この状況はマンガ大国の日本の編集者としてなかなか受け入れがたいものがあって……。だからウサウサシリーズを見て、『学習マンガも面白そう』と思った漫画家さんがいたら、どんどん描いてほしい。できれば一緒に作らせてもらいたいですが、他社からでもいいのでたくさん出版されて、いつか学校の図書館に日本発の学習マンガ棚ができることを目指しています!」

学習マンガ・理科 ウサウサ! 生きものレポート

学習マンガ・理科 ウサウサ! 生きものレポート

作:まきいわ山、監修:今泉忠明、本郷峻、上田恵介、宮崎佑介、加藤英明、丸山宗利、小川晟人

発売日:2025/11/17

価格:定価:本体1400円(税別)

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まきいわやま

まきいわ山

Makiiwayama
漫画家

2024年にDAYS NEOの「MOVE 生きものマンガコンテスト」で優秀賞受賞。「MOVE はじめてのずかん うちゅう」(講談社)ではキャラクターデザインを担当。

2024年にDAYS NEOの「MOVE 生きものマンガコンテスト」で優秀賞受賞。「MOVE はじめてのずかん うちゅう」(講談社)ではキャラクターデザインを担当。