4男児のシングルファザー・前田顕蔵がさらす“子育てSNS”から目が離せない! 映えない「むき出しの子育て」に共感が集まる理由

4男児のシングルファザー・前田顕蔵さんインタビュー #1「SNSで子育てを配信する理由」(全3回) (2/3) 1ページ目に戻る

プロコーチ:前田 顕蔵

“ありのままの子育て”を残したい

引用:本人のインスタグラムより@Kenzo Maeda
すべての画像を見る(全9枚)

母ちゃんは僕を産んだから死んだんだよ
四男が言った
違う。まだわからないかもしれない。全然違うんだよ
あなたを産んで母ちゃんは沢山抱っこしたり、ご飯あげたり、一緒に寝たり笑ったり
あなたは宝物
一緒に生きてたんだよ、あなたを産んでからも
大切な日々をあなたと過ごしてた
何度でも伝えていこ
大切な事を伝えていこう


引用:本人のインスタグラムより@Kenzo Maeda

インスタグラム(以下インスタ)を開くと、そこには妻を亡くしたシングルファザーとして、4人の息子と向き合う父・前田顕蔵(以下:顕蔵)さんの姿があります。

投稿に並ぶのは、“映(ば)える”育児記録ではありません。山のような洗い物を前に「もうエグい、なんちゅうことや」と嘆く夜もあれば、子育ての孤独につぶされそうな日もあります。

節分には鬼になり、本気で子どもたちにやっつけられたり、誕生日のゼリーケーキを盛大に失敗したり。まだ自転車でふらつく子どもの背中を押しながら走る姿や、息子の弁当を作る早朝、トイレの成功を一緒によろこぶ瞬間もあります。子どもたちと行ったディズニーシーでは、施設名を間違えてキャストに「トイザらスどこですか?」と本気でたずねる父の姿も。

完璧な父親じゃない。むしろぐちゃぐちゃで、にぎやかで、ときどき本気でしんどいリアルな日々です。

「子育てをしている今しか味わえない感情や時間がある」と話す顕蔵さん。その一瞬一瞬を、できるだけありのまま残したいと投稿を続けていると言います。

食卓や遊びの時間、忘れられない出来事、妻への思いなど、インスタには日々の様子が綴られている。  引用:本人のインスタグラムより@Kenzo Maeda
大量のお皿を前に力なく微笑む。「疲れているときに『そうやな』『頑張って』とコメントもらえるの、とくにうれしいんです。このときは『これくらいちゃんとせえよ』ってツッコミもおもしろかったですね(笑)」(顕蔵さん)  引用:本人のインスタグラムより@Kenzo Maeda

なかでも359万回と最多の閲覧数(2026年3月時点)を記録したのは、顕蔵さんが妻への思いをストレートに綴った投稿でした。添えられていたのは生まれたての三男を抱く亡き妻の写真。

「今日もあなたを想い あなたと過ごしたかった日々を生きる」

むき出しの妻への思慕の情、そしてあふれ出す孤独と決意。その言葉は見る者に深く突き刺さります。妻は最期、顕蔵さんにメッセージを遺しました。

「ありがとう、大好きよ、あとはまかせたよ」──。

この言葉をお守りのように胸に抱いて、前を向いて、4人の息子たちとの日々を重ねていく。その姿が、多くの人の共感と感動を呼んでいます。

妻にまつわる投稿はとくに反響が大きい。「素直な気持ちを言葉にするのが難しいと感じている人が多いのかもしれない」と顕蔵さん。  引用:本人のインスタグラムより@Kenzo Maeda

子どもの成長は、振り返ればあっという間。しかし、日々の子育ては、ときに終わりのない時間のようにも感じられます。余裕がなくなったり、逃げ出したくなる日だってあります。筆者もそんな母親の一人です。

そんな日々の中で、スマホで顕蔵さんの投稿を見かけると、子どもと過ごす「今」という時間の意味を、改めて考えさせられます。

それは、顕蔵さん自身が家族との「今」を大切にしていることが、言葉や写真の端々から伝わってくるから。その背景には、妻の闘病生活の中で顕蔵さん自身が実感した出来事があります。

「余命が何週間、何日と言われながら、毎日が進んでいく。あのときに『本当に時間って終わりが来るんやな』とわかって、『今』の捉え方が変わりました。

長い人生で考えたら、今みたいに感情が大きく動く時間って、そう多くはないと思うんですよね。子育ては、もちろん大変なんですけど、すごく特別な時間だなって思っています」(顕蔵さん)

「えげつない子育ての孤独」を共有する

現在のような子育て中心の投稿を始めたのは、妻が亡くなった2022年から。当時、11歳、9歳、3歳、1歳の子どもたち4人を一人で育てるなかで、「えげつないほどの孤独を感じていた」と言います。

26 件