ドラマ「対岸の家事」 ディーン・フジオカさん 育休中のエリート官僚パパは「真面目」ぶりが空回り?

ドラマ「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」スペシャルインタビュー #1

真面目ぶりが空回りするところを見て

──役を演じるにあたり、とくに意識している部分はありますか?

ディーンさん:中谷は、子育てに関して「こうあるべき」というラインを突き付けていく存在です。家事や育児の現実を見せていくので、視聴者の方々にとっては重い存在になって、落ち込ませてしまうのではないかと心配でした。

そこで、僕が原作から最初に受け取った印象よりも、もっと“ポンコツみ”を出していったほうがいいのかなと考えました。

ディーンさん:それは中谷のキャラクターがブレるということでありません。中谷はとても真面目でスクエアな人間です。

「ちゃんとやろう」とするあまり、空回りしてしまっているバタバタ感、滑稽さを出せれば笑いに繫がるかなと考えました。

中谷自身は大真面目に必死にやっているけれど、周りとは歯車が嚙み合っていない。その絶妙なさじ加減をドラマ版『対岸の家事』でより多くの方に楽しんでもらうことが、自分にできるせめてもの貢献かなと思っています。

眼鏡をかけたら中谷に

──中谷役では、眼鏡を着用されていますね。

ディーンさん:今着用している眼鏡を最初に見たとき、「とても個性的だな」と思ったんです。フレームとレンズの間にすき間があって、「この眼鏡、壊れているのかな」と思いました(笑)。

でもそういうデザインの眼鏡を選ぶというところにも、中谷というキャラクターの片鱗が表れている気がします。自分では選ばないタイプのモデルですが、「この眼鏡をかけたら中谷」という撮影現場の流れを楽しんでいます。

中谷・詩穂(多部未華子)・礼子(江口のりこ)が「いいバランス」な理由

──中谷は専業主婦の詩穂、働くママの礼子と関わっていくことになります。二人のキャラクターについて、魅力を感じる部分はありますか?

ディーンさん:礼子さんは、働きながらワンオペ育児をする女性ですが、同じワンオペ育児でも、社会人としてのやり方をそのまま育児に持ってこようとする中谷と対比がありますよね。詩穂は、生き物として自然なかたちの育児を思い出させてくれる、そういうイメージです。

中谷も礼子もそうですが、生き物としては“不自然”な環境にいることが彼らの日常の在り方で、そこに合わせて仕事をするのが当たり前になっています。

詩穂は、二人がもはや考えもしないような、「大前提として受け入れるしかない」と思っているところで立ち止まるんですよね。考えをリセットさせてくれる、そんな存在なのかな、と。この3人は、とてもいいバランスだと思いますね。

撮影/葛西亜理紗
取材・文/木下千寿

※ディーン・フジオカさんのインタビューは全2回(2回目は2025年4月1日公開)。

2回目を読む。(※公開時よりリンク有効)

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