「みんなちがって、みんないい」障害児モデル事業がもたらした「孤育て」からの解放

障害児キッズモデル事務所「華ひらく」代表 内木美樹さんインタビュー#3 ~モデル業から目指すもの~

障害児キッズモデル事務所「華ひらく」代表:内木 美樹

こんな声掛けはNG! 障害児の親が求めるのは「励ましじゃなく理解」

障害児の親が孤独を感じてしまう背景には、周囲の理解不足があります。心ない言葉に傷付き、ガラスの壁を感じてしまう場面も多いといいます。

とはいえ、「サポートの仕方がわからない」「なんて声を掛けたらいいのかわからない」と一歩踏み出せない人も多いのでは。

内木さんは「もっと障害について知ってもらいたい」と訴えます。やってしまいがちな声掛けのNG例を伺いました。

◆NG事例
良かれと思って掛けた言葉や行動が、かえって傷つけてしまうこともあります。

「いつか治るんでしょう?」(治るものではなく共存していくもの)

「大丈夫だよ」(大丈夫ではないから悩んでいる)

「うちの子も同じ感じだよ」(健常児とは大変さのレベルが違う)

「よく聞く障害だよね」(障害の凸凹は人それぞれ。一括りにしないでほしい)

「障害児って天使みたいって言うよね」(大変さを知らないから言える)

「親を選んで生まれてきたって言うよね」(心にひっかかるものを感じる)

などです。また、腫(は)れ物に触るように“何も聞かない”ことも、誤解を生じさせることに。

「言葉を選んで変に励ますのではなく、その子の障害についてどんどん聞いてほしいと思っています。『それってどんな感じなの?』『知的障害って何?』と質問してくれると、いろいろ話せます。

障害は一人ひとり個性があるので、少しでも子どもの特性を知ってもらえるとうれしいです。『聞いちゃいけない』なんて思わないで。

障害児の親たちは、ママ友とフラットな関係でいたいと思っています。もし一緒に遊んでいて、危ないシーンがあったら遠慮せずに伝えてほしいです」(内木さん)

カメラを意識せずありのままを見せる障害児キッズモデル。彼らならではの魅力がある。  写真提供:華ひらく

「みんなちがって、みんないい」の実現を目指して

内木さんは、大正時代の童謡詩人、金子みすゞの『わたしと小鳥とすずと』の世界のような、誰もが生きやすい社会を目指しています。

「金子みすゞさんの詩のように、『みんなちがって、みんないい』になればいいなと思っています。障害があっても堂々と生きられる社会は、誰もが生きやすい社会だと思うんです。

どんな障害の人も、どんなジェンダーの人も、どんな髪の色の人も、みんな生きやすくなる。障害者もいまのLGBTQのような身近な存在になって、どんどん理解が広がれば、社会は受け入れてくれるはず。

そのためにも企業にモデルとして起用してもらい、不特定多数の方に見てもらいたいです」(内木さん)

◆◆◆◆◆
“愛の伝道師”と呼ばれたマザーテレサの生きざまに憧れ、「マザーテレサみたいになりたい」と高校卒業後、単身アメリカへ渡った内木さん。

今もその夢は尽きることなく、隔たりのない社会の実現に向けて大きな一歩を踏み出しました。その一歩がたくさんの生きるチカラとなりますように。

内木美樹(うちき みき)
2021年に障害のあるキッズモデルのマネージメントを開始。障害者と健常者の間にある「ガラスの壁」を低くして、障害があっても堂々と生きられる社会を目指している。2児の母。長男に自閉症と重度の知的障害あり。

取材・文/大楽眞衣子

障害者キッズモデルたちが参加した「写真コンテスト」
子どもたちの活躍が見られます!

「華ひらく」では、現在(2022年8月)、クラウドファンディングでカメラマンや審査員を募集した写真コンテストを下記ショッピングモールで開催しています。
詳細はインスタグラム「colorfulkidmodels」にて告知。

●8/13~8/17 ニューコースト新浦安(千葉県浦安市)
●8/27〜8/28 アリオ上尾(埼玉県上尾市)
●9/6~9/11 新宿マルイ アネックス(東京都新宿区)
●9/16~9/25 イオンモール東久留米(東京都東久留米市)
●10/1~10/10 イオンモール日の出(東京都西多摩郡日の出町)
●10/22〜10/30 アトレ川崎(神奈川県川崎市)

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うちき みき

内木 美樹

障害児キッズモデル事務所「華ひらく」代表

障害児キッズモデル事務所「華ひらく」代表。Truckee Meadows Community College(米国)卒。 卒業後...

だいらく まいこ

大楽 眞衣子

社会派子育てライター

社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーに。3人の育児で培った生活者目線を活かし、現在は雑誌やWEBで子育てや女性の生き方に関わる...