【初めての学童保育選び】は秋から! 運営、料金、特徴、指導員の重要性とは

労働・子育てジャーナリストで学童運営者の吉田大樹氏 【最新】学童の仕組みとその選び方 #1

労働・子育てジャーナリスト:吉田 大樹

放課後の子どもを見てくれる学童保育は、施設数、児童数ともに増加しています。 写真:アフロ
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労働・子育てジャーナリストの吉田大樹さんは3児のシングルファーザー。

ジャーナリストとして、子育て当事者として、取材し、入手した情報を執筆する傍ら、NPO法人「グリーンパパプロジェクト」の代表理事も務め、農・自然・旅などグリーンな資源を活用しながら、パパたちに改めて生き方や働き方を考えてもらうきっかけを作る活動をしています。

また、2019年からは放課後児童クラブ(学童保育)を運営。日々、小学生の子どもやその保護者と関わりながら、子どもの居場所づくりにも勤しんでいます。

今回は、学童保育について、運営者側の立場から、学童の内容と選び方についてのポイントをお伝えします。

約20年で学童利用児は3.3倍増に

一般的に「学童」と呼ぶことが多いですが、法律上は「放課後児童クラブ」と言います。呼び方については、市町村や運営している団体によって異なりますが、児童クラブや学童クラブ、学童保育などの呼び方があります。ここでは基本的には「学童」と呼びます。

学童は全国にどれくらいあるでしょう? 厚労省調べによると、2020年7月1日現在の状況ですが、施設数が2万6625ヵ所、登録児童数が131万1008人となっています。

少子化が進んでいますが、登録児童数は増加傾向が続いています。2000年に施設数1万994ヵ所、登録児童数が39万2893人だったことを考えると、施設数が2.6倍、登録児童数が3.3倍にもふくれ上がっています。

この要因としては、女性の就業継続による共働き世帯の増加や、ひとり親世帯の増加に加えて、一人っ子が増えてきた影響もあり、これまで共働き世帯であっても留守番で済んできたような子どもが学童を利用するようになったり、1人で留守番することへの社会的なリスクが高まっていることなども挙げられると思います。

学童運営の違いとその中身を知ろう

運営主体はさまざまあります。大きくは、

① 市区町村が直接管理運営する「公設公営」タイプ
② 市区町村が設置し、株式会社やNPO法人などが運営する「公設民営」タイプ
③ 社会福祉法人やNPO法人などが設置運営する「民設民営」タイプ

──に分類されます。

利用料(保育料と呼ぶ場合もあり)については、納め方が主に2種類あります。市区町村に納める方式と、直接学童施設側に納める方式です。

また、利用料の設定は、応益負担と応能負担のどちらかで設定されており、前者の場合は、収入・所得によらず金額が一律です。ただし、市区町村によっては、低所得世帯に対しては、減免措置を講じて全額もしくは一部利用料を補塡しています。

後者の応能負担は世帯の収入・所得に応じて納める利用料が異なります。低所得世帯は無料もしくは低額に抑え、世帯の収入・所得に応じて、何段階かに区分けしています。

利用料の額については、市区町村または学童施設のホームページをご覧いただければと思いますが、①~③の形態で国の放課後健全育成事業として実施されている学童については、おおよそ月額1万円~1万5000円以下で実施されているケースが多いと思います。

一方で、民設民営の中には、行政の補助金をもらわずに完全自主経営で運営しているところもありますが、公金がない分、利用料は当然高くなります。

受けられる保育内容になって金額は異なりますが、放課後健全育成事業の財源の考え方として、国、都道府県、市区町村で6分の1ずつ、残りの2分の1は保護者からの利用料で賄うことで成り立っていることから考えると、採算が合う利用料は行政の補助がある場合に比べて最低でも2倍になるものと考えていいと思います。

そこから、習い事や延長保育などの付加サービスがあれば、さらに利用料が上がることになります。月額3万円以上で設定されている場合がほとんどです。

実施場所については、学校の余裕教室(少子化で使われなくなった教室)や学校敷地内専用施設、児童館など、さまざまな形態があります。ちなみに筆者が運営している学童は民有地に学童施設を建設しています。

学童の運営主体については、前述したとおり地域によってバラバラです。例えば、市区町村内のすべての学童を指定管理者制度で1つの運営に託している場合もある一方で、同じ市区町村内でも、公設公営、公設民営、民設民営が混在している地域もあります。

公設公営、つまり市区町村が直営している学童は、質を一定以上に統一することはできますが、平等性を重視するため、あまり学童ごとの独自性が発揮できなかったりします。

もっとも民間の独自性が発揮されるのが民設民営です。日々の預かり以外にも定期的にイベントを行ったり、習い事のようなものを付加したりして、個性を発揮しています。

ドラマ『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(TBS系 2022年6月まで放送)をご覧になった方もいると思いますが、シングルファーザーの父子が利用していた学童は、英語を日常的に活用して英語を学びながら生活するというスタイルのものでした。

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