「机の下の足型」は氷山の一角! 全国の小学校にひっぱりだこの教師が飛び込み授業で目を疑った教室とは?

#1 不登校から学習意欲の低下まで 原因と解決策を探る

小学校2年生が使っていた机と椅子。机の下にあるのは足型。椅子の座面には滑り止めのマットが敷かれています。イラスト 野波ツナ
すべての画像を見る(全7枚)
飛び込み授業をする菊地省三氏 

数々の崩壊した教室をコミュニケーションの授業で立て直し、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」や日本テレビ系列「世界一受けたい授業」などにも出演した教育者・菊池省三先生。

相手の話を聞く、自分の考えを話す。コミュニケーション教育によって子どもの心は成長し、教室が落ち着ける場所となれば学習意欲も上がります。

現在、菊池先生は全国の国公立小学校に招かれ「飛び込み授業」を行っています。その時間は約10年で3000時間以上。そこで子どもたちを壊す教育を目の当たりにすることも。著書『足型をはめられた子どもたち』から、いま学校で何が起きているのか、なぜ、子どもが荒れてしまうのか、なぜ、コミュニケーション教育が必要なのかをご紹介します。

全3回の1回目
2回目を読む※4月11日よりリンク有効
3回目を読む※4月12日よりリンク有効

4月、「成長したい」と子どもたちは答える

「近所の子が登校拒否になって……。あんなに明るい子だったのに」
「担任が学級崩壊で休職してしまった。新しい担任が来たけど、学校の先生ってそんなに厳しい仕事なの?」

保護者のみなさんの不安や戸惑いを耳にすることが少なくありません。ことが起きて、強い問題意識を持たれる方たちです。一方で意外と多いと感じるのは、こんな声です。

「小学校がここまで大変な状況なんて? 知らなかった」

わが子が幼稚園まではとにかく可愛がって育てた。でも小学校に上がると、“現実”が待っている。そのことを知らなかった、というケースです。

前述の登校拒否の他に、学級崩壊や子ども同士のスマホのメッセンジャーを通じたトラブル、暴力事件まで……。データも過去最多を更新し、小学校の不登校児は44人にひとりの13万7704人、精神疾患によって休職した教員は3458人、学校暴力は8万2997件(いずれも2024年の文部科学省による)とあり、これは日本社会全体の由々しき問題です。

私は教員時代、毎年4月の最初の授業で子どもたちに、「一年後に成長した自分でありたいか、否か」と聞いてきました。ここでほとんどの子が「成長したい」と答えます。ごくたまに「したくない」と言う子もいましたが、少し追加で質問をしていくと「成長したい」と答えたものです。

そうした子どもの希望に現実は応えられているか、私が実際、全国の小学校でこの約10年間に3000時間以上の授業を行うなかで見てきたものも、厳しいと言わざるを得ない状況でした。

約10年3000時間超の飛び込み授業で見たもの

前へ

1/4

次へ

31 件