子どもに「フェイクニュースって何?」と聞かれたら 専門家が〔子どもを守る「情報リテラシー」の高め方〕を解説

「世界子どもの日」に「子どもの権利条約」を考える#4 コンプライアンスアドバイザー が子どもをデジタルタトゥーなどから守る「情報リテラシーの高め方」を解説

Q. 「フェイクニュース」ってなに?

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ネットで「エネルギーや原料不足の影響で●●が値上がりしそうだ」って書いてあった。困る前に家族に教えてあげようかな。

【A.事実じゃないかもしれない「フェイクニュース」には気をつけて】

ネットにはたくさんの情報があふれています。でも、そこには「本当」のことにくわえて「ウソ」や「間違い」もあるのです。

実際2020年に「新型コロナウイルスの影響でトイレットペーパーが足りなくなる」というウソがSNSに書きこまれ、それは間違いだという情報も広がったのに「もしかしたら売りきれるかも」と考えた多くの人が店へ買いに行ってしまい、本当に品切れに。

こういったウソの「フェイクニュース」のほか、写真や動画でも「本当のようなウソ」(ディープフェイク)が作られ広まることがあります。ネットの技術が進むにつれて、こういった「ウソ」は見分けるのが難しくなっています。

では、なぜこのような「フェイク」が作られるのでしょうか。ウソをつくつもりがなかったもの、ふざけてわざと作られたものなどもありますが、いちばん問題なのは、間違った事実を広めて信じさせることで、社会や人々を混乱させたり操ったりする目的で作られるものがあることです。

また、ChatGPTなどで知られるAI(人工知能)も、間違いをなくすまでにまだ課題があるといわれています。ですから、みなさんはこういった「フェイク」「間違い」にまどわされないための知識を持っておくことが大事です。

〈こんなときに使えるコトバ〉
ディープフェイク
人間のような知能をコンピュータに持たせる「ディープラーニング」という技術を使って「フェイク(ウソ)」の動画を作る技術のこと。ウクライナのゼレンスキー大統領の「ウソの演説動画」が作られたことがある。

書籍『子どもコンプライアンス』(ワニブックス刊)では、ステマやフェイクニュースに関することなど、「正しい情報を見分ける」ために親子で知っておきたい考え方を紹介しています。

ほかにも「人を傷つけない」「法律を知って命を守ろう」「お金ってなんだろう?」など、子どもの目線にたった疑問から情報リテラシーを学んでいきましょう。

難しい漢字は平仮名で表記しています。また一部には、ルビを付けているので、小学校低学年でも学びながら読むことができます。

イラスト/どんぐり。

『子どもコンプライアンス』著:山本 一宗/イラスト:どんぐり。(ワニブックス刊)
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