育児中のママ必見！　 縦割れ、変色、二枚爪…「爪トラブル」予防の秘けつと基礎知識

爪が割れやすい、二枚爪など、爪に関するさまざまなトラブルに直面している方も多いでしょう。その原因について、木下さんは次のように解説します。

「爪のトラブルは、『外的要因』と『内的要因』に分けて考えることができます。

外的要因は爪や指先をぶつけたり、何かに爪を挟んだりすること。内的要因は薬の服用や発熱など、疾病が原因になるものがあります。これらの要因によって、爪の形や状態に変化が現れることがあります。

まずは爪の形や状態が先天的なのか、後天的な要因による変化なのかを区別することが大切です。

また、爪や爪周りに痛みや出血、その他の皮膚疾患が見受けられた場合は、自分で判断せず、皮膚科など専門医の診察を受けることをオススメします」（木下さん）

爪は健康のバロメーターともいわれます。体のさまざまな症状が現れる箇所でもあるので、普段から爪をチェックしておくと、変化にも気づきやすくなります。

爪は皮膚の延長として扱われます。そのため、爪の疾患の診断や、それに伴う痛み、炎症、陥入爪などの問題が生じた際には、初めに皮膚科での受診が推奨されています。

多くの爪トラブルの原因は、乾燥です。ママは水仕事も多いため、手の水分量の低下により二枚爪になったり、爪が割れやすくなります。

このため、ホームケアでは「乾燥対策」が基本です。

「まず、手全体、指先までネイルセラム（爪の美容液）を塗り充分に水分を補給します。ネイルセラムがない場合は、顔用の化粧水や美容液でもいいでしょう。最初に水分を補給することが大切です。

次にハンドクリームを爪先まで塗布します。特に甘皮部分や、爪周りにもしっかりと塗りましょう。肌なじみのいいハンドクリームだと、つけたあともべたつきが気にならず、次の作業の妨げにもならないはずです。

最後に油分で保護するためにネイルオイルで指先をカバーするように塗布するとよいでしょう」（木下さん）

水分から油分へと段階的に保湿することが、健康的な爪を維持するために重要です。爪のお手入れも、通常の顔のお手入れと同じように考えるといいでしょう。特に乾燥がひどい場合や二枚爪などのトラブルがある場合は、ネイルオイルでしっかりと保護します。

また、出産後や体調の変化によって、爪が薄くなってしまうこともあります。これらのトラブルも、病的なものや、薬によるものでなければ、前述のケアによって解決できます。

「爪の健康は全身の健康状態を反映するため、日々のケアはとても重要です。日常的な保湿ケアに加え、栄養バランスの良い食事や十分な水分摂取を心がけることで、爪を強く、美しく保つことができます。

また、異常を感じた場合は早めに、皮膚科などの専門医にアドバイスを求めることが重要です」（木下さん）

日々のケアを習慣化して健康な爪を維持することは、自分自身の健康をケアする一歩となります。

次回は、産前産後のネイルケアと子ども時代から始めたい、美しい爪の育て方の秘けつを紹介します。

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◆木下 美穂里（きのした　みほり）
㈱ユミ・クリエイション代表取締役社長。NPO法人日本ネイリスト協会理事、名誉本部認定講師。エステティシャン。美容家、メークアップアーティスト、ネイリストとしての長年のキャリアを生かし、ネイルサロン、スクールの運営、ビューティーイベントやオンラインイベントのプロデュースや、「ネイルパーフェクトマニュアル」「ビューティフルネイル」など著書多数。JNAネイルトレンドプロジェクト長として最新ネイルトレンドを世界に配信。ネイルサロン・ラ・クローヌ主宰。

取材・文　瀧　千登勢

「健康な爪から美しい爪への秘訣」の連載は全３回。
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