育児中のママ必見! 縦割れ、変色、二枚爪…「爪トラブル」予防の秘けつと基礎知識
プロが教える自宅ケア! 自宅で簡単、ママ&子どもの爪ケア #1
2024.08.28
爪を美しく保つことは、今日のファッションにおいて欠かせない要素といえるでしょう。しかし、ママたちがおしゃれを楽しむ一方で、爪のトラブルや悩みも増加しているのが現状です。
「健康な爪」の基礎知識や自宅ですぐに実践できる健やかな爪を育てるためのケア方法、専門的な知識が求められるトラブルの見極め方などを、NPO法人ネイリスト協会理事である木下美穂里さんが紹介。「爪が割れやすい」「爪の変色」など、一般的な爪のトラブルの原因と対処法も解説します(全3回の1回目)。
◆木下 美穂里(きのした みほり)
㈱ユミ・クリエイション代表取締役社長。NPO法人日本ネイリスト協会理事・名誉本部認定講師。エステティシャン、美容家、メークアップアーティスト、ネイリストとしての長年のキャリアを生かし、ネイルサロン、スクールの運営、ビューティーイベントやオンラインイベントのプロデュースや、「ネイルパーフェクトマニュアル」「ビューティフルネイル」など著書多数。
「健康な爪から美しい爪への秘訣」の連載は全3回。
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※公開日までリンク無効
「健康な爪」とは?
「健康な爪」とは、どのような状態を指すのでしょうか。日本のネイリストの先駆者であり、ネイルケアやネイルアートの著書も多数手がけている木下さんは、次のように説明します。
「健康な爪とは水分と油分が十分に保たれている状態です。適切な水分と油分によって柔軟性が保たれた爪は、割れにくくなります。
反対に乾燥したり、油分が不足したりすると、割れや二枚爪の状態を招きやすくなります」(木下さん)
爪の主成分は、主にケラチンというタンパク質で構成されています。さらに爪は、皮膚の一部が角質化して形成されたもので、水分や脂肪をわずかに含んでいる組織です。
これら成分のバランスが崩れたり、外的な力が加わったりすると、爪の欠けや割れといった問題が生じることがあるため、爪の健康を維持しながら伸ばすには、適切な栄養バランスを保つことが大切です。
「爪の健康を保つには、体調を整えていくことと同様に爪もバランスの良い栄養を摂ることが大切です。食事だけでなく、ネイル用の化粧品(ネイルセラムやネイルオイルなど)で、定期的なホームケアが重要です」(木下さん)
爪の成長速度によって、爪の健康状態を知ることができると木下さんは続けます。
「健康で理想的な爪は、一般的に1ヵ月で3~4mm程度成長します。
特に、春から夏にかけての温かい時期は、新陳代謝が活発になり、爪の成長も早まる傾向にあります。この新陳代謝の良さが、爪の成長速度に直接、影響を与えるといわれ、成長速度が遅くなると爪が肥厚してもろくなります。
爪の健康を促進するためには、マッサージによって指先の血行を良くすることが有効です。血行が促進されると、栄養素が指先に届きやすくなり、爪の健康に寄与します」(木下さん)
知っておきたい、爪の各部名称と働き
爪の名称とその働きを理解することは、健康な爪の維持や爪のトラブル防止になるでしょう。下記に特に知っておきたい爪の名称の一部を解説します。自分の爪を見ながら、確認してみましょう。
A:フリーエッジ(爪先:つめさき)
ネイルプレート(爪甲/そうこう、図D)が伸びて爪床から離れた部分です。水分含有量が少なくなるため、不透明に見えます。一般的に「爪」といわれている部分です。
B:ストレスポイント(負荷点:ふかてん)
Cで説明するイエローラインが、サイドラインに接する点の部分、ネイルプレートがネイルベット(爪床/そうしょう、図E)の支えがなくなるポイントなので、亀裂が入りやすい部分です。
C:イエローライン(横線:おうせん)
この部分でネイルプレートがネイルベッドから離れないようにしています。
D:ネイルプレート(爪甲:そうこう)
『爪』と呼んでいる部分。硬いケラチン(タンパク質)から成っており、指先を保護しています。健康な爪の成長のためには、食事で良質のタンパク質を摂ることが大切です。
G:キューティクル(甘皮:あまかわ)
ネイルプレートの根元部の上にある皮膚を保護し、細菌や異物の侵入を防ぐ役割を持つ皮膚の一部です。また、このあたりにネイルオイルなどで油分を与えたり、マッサージをすると血行が向上し、爪の健康維持に役立ちます。
L:ネイルマトリクス(爪母:そうぼ)
ネイルプレートを形成する部分。血管と神経が通っており、強い外的刺激により損傷すると、爪のトラブルにつながることがあります。