「VIO脱毛」希望者が4年で22%増! ママパパがアンダーヘアをなくすメリット

専門家が答える「毛の問題」#2‐1 ママパパのVIO脱毛~メリット・デメリット~

ライター:星野 早百合

VIO全体の毛量を減らすだけでも、お手入れの頻度が少なくなり、肌への負担を軽減できるメリットがあります。  写真:アフロ
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ママパパ、子どもが気になるであろう毛のあれこれについて、専門家が解説するシリーズ「毛の問題」。第2回は、「ママパパのVIO脱毛」をテーマにお届けします。

若い世代を中心にメジャーになりつつあるものの、友人同士でも話題にしにくいVIO脱毛のこと。実際どれぐらいの人がVIO脱毛をしているのでしょうか。ママパパ世代には、どんなメリットがあるのかも気になるところです。

女性の体や美容にも詳しい産婦人科医・富坂美織(とみさか・みおり)先生と、脱毛コースも人気の大手サロン「エステティックTBC」を運営するTBCグループの広報室主任・山下真里奈(やました・まりな)さんに話を伺いました。

※全2回の前編

富坂美織(とみさか・みおり)
産婦人科医、医学博士。順天堂大学医学部卒業、東京大学医学部研修医、愛育病院産婦人科医を経て、ハーバード大学大学院へ留学。卒業後は、マッキンゼーにてコンサルティング業務に携わる。現在は不妊治療が専門で「さくらウィメンズクリニック」に勤務するほか、順天堂大学医学部産婦人科教室非常勤講師を務め、テレビや雑誌などの幅広いメディアでも活躍。

「専用ソープや保湿クリーム、美白クリームも増え、ここ数年で急速にデリケートゾーンのケアが浸透してきたように感じます」と、富坂先生。  Zoom取材にて

4人にひとりがVIO脱毛を経験済み

そもそもVIOとは、いわゆるデリケートゾーンのアンダーヘアのこと。Vラインはビキニラインとも呼ばれ、脚の付け根から上の逆三角ゾーン、女性のIラインは性器の両サイド、Oラインは肛門付近をさします。男性のVIOは陰部全体、パンツで隠れる部分をさすことが多いようです。

脱毛の方法は、医療機関で行う「医療脱毛(レーザー脱毛)」、エステティックサロンで行う「サロン脱毛(光脱毛)」などが代表的。自己処理以外にも、さまざまな選択肢があります。

2021年、セルフ脱毛サロンが10~60代の男女623名に対して行ったアンケート調査(※1)では、「VIO脱毛をしている」と答えた人は24.7%。4人にひとりの割合です。「今後したいと思う」の26%を合わせると、過半数を越える結果となりました。

また、「エステティックTBC」を運営するTBCグループによると、2021年、脱毛体験をした30代女性のうち、Vラインの脱毛を希望した人は、2017年に比べて21.8%まで増加。施術体験希望者の割合が、4年の間に約22%もアップしたことがわかりました。

脱毛市場が拡大して料金がリーズナブルになったことに加え、近年のフェムテックブーム(※2)の影響もあり、VIO脱毛の需要が増えていると考えられます。

デリケートゾーンを清潔に保ててお手入れもラクに

ますます注目度が高まっているVIO脱毛。VIOを脱毛すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

「女性の場合、まずデリケートゾーンを清潔に保てること。生理時の経血や日常のおりもの、尿、便が毛にからまることがなくなるので、それらによるにおいやかゆみ、かぶれを防げます。

男性も同じく、肛門周りの毛に便が付くのを防げますし、毛の間に汗や汚れが溜(た)まらなくなるので通気性がよくなります。夏になると、皮膚科では『性器のまわりがかゆい』という相談も多いのですが、脱毛することでムレやかゆみの予防が期待できるのではないでしょうか。

あとは、セックスのときに毛の巻き込みを防げる効果もありますね」と、富坂美織先生(以下、富坂先生)。

TBCグループの広報室主任・山下真里奈さん(以下、TBC・山下さん)は、デリケートゾーンのかゆみやムレ、生理中の不快感の軽減に加えて、ファッション面・美容面のメリットも挙げます。

「お客様からは『好みの水着や下着をつける際、自信が持てるようになった』『毛量が減り、見た目もスッキリして快適』との声をいただきます。VIOの肌はデリケートなので、自己処理を続けると黒ずみや肌トラブルを招く恐れも。脱毛はプロに任せるのがおすすめです」(TBC・山下さん)

さらに、育児や家事で自分時間がなかなかとれないママパパ世代には、こんなうれしい点も。

「脱毛をすると、お手入れの時間が圧倒的に短くなります。お子さんと一緒にお風呂に入ると、ムダ毛をケアする時間なんてありませんよね。夏場のプールやスイミングの付き添いなどで頻繁(ひんぱん)に水着になる人は、お手入れがぐんとラクになるはずです。お手入れの回数が減る分、肌への負担も減らせます。

また、健康管理が大事なママパパ世代にとっては、セルフチェックしやすい点も大きいです。自分の陰部に対して『よく見えないし、見たくもない』と思っていた人が、脱毛をきっかけにちゃんと見るようになって、異変に気づけたという話はよく聞きます。

陰部の状態はまわりの人と比べにくいですし、『かゆいな』『痛いな』と思っても、なんとなくやり過ごしてしまうことが多いんです。

それが、脱毛後は陰部を確認しやすく、尖圭(せんけい)コンジローマや性器ヘルペスなどのできものも見つけやすいですし、おりものも直接見られるようになります。自分の変化に目を向けられるようになると、早く対処できますね」(富坂先生)

衛生面でもファッション面でも、子育て面でもメリットの多いVIO脱毛。では、デメリットはあるのでしょうか。

「もともとVIOの毛には、異物の侵入を防いだり、外部からの衝撃を和らげたりする役割があったと言われています。でも、今は下着をつけていますし、デメリットがあるとすれば、保温効果が失われるぐらいでしょうか」(富坂先生)

「デメリットとして、『施術をするときに見られるのが恥ずかしい』という方も。TBCではプライバシーが保たれた空間で施術を行っているので、安心してご利用いただけます」(TBC・山下さん)

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