5歳で腰痛! 「子どものロコモ」3つの原因と症状・5つのチェック項目〔専門医が解説〕

整形外科医・林承弘先生に聞く「子どものロコモティブシンドローム」 #1 原因と症状、5つのチェック項目について

整形外科医:林 承弘

5歳の子どもに腰痛の症状

林先生:私自身、診察中に子どものロコモに気づくということはありませんでした。しかし、養護の先生たちの話を聞いてから注意深く診てみると、ケガした子どもの中で、体が硬いとか、バランス能力がうまく整っていない子が多いことがわかりました。

ある5歳の男の子の話ですが、お母さんから「この子は姿勢と体の動きが悪い。さらに腰痛があります」と、来院された子がいました。

体の柔軟性の低下は、肩甲骨や股関節をしっかり動かすことによって、その場で改善できます。親子で毎日1日数分間、「子どもロコモ体操」をやるよう伝えると、およそ1~2週間継続することで改善され、2ヵ月後にはきれいな姿勢になり、腰痛もなくなっていました。

よくなってからその子に「前の悪い姿勢をやってごらん」というと「いやだ」というのです。なぜかというと、悪い姿勢は自分にとって気持ちがいいものではないことがわかったから。姿勢が良くなると運動機能も良くなってきます。大人がそういう気づきを起こさせることも大事だと思いました。

残念なことに、今の時点では子どものロコモに気づける人があまりいません。整形外科医も子どものロコモの視点で見ていないと、見逃してしまうことが多いのが現状です。

ほとんどの子どもが整形外科に来院する理由はケガや故障。「バランスが悪い」「体が硬い」などの症状で受診したとしても、「体が硬いのはしょうがないね」と、そのまま返されてしまうケースが多くあります。

私としては、運動器検診で「体が硬い」と指摘され来院された親子には、まずは丁寧に診ること。そして子どもロコモの対策と、親子で改善できる体操を教えるようにしています。

しかし、まだまだ「なんでもない」と診断され、すぐに帰されることが多いといいます。もっと子どもロコモの認識が広まればと、日々活動を続けているところです。

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生活習慣の変化に伴い、子どもの運動器機能の低下。それを放っておくと、日常生活に支障をきたすばかりか、子どもでも早い段階で腰痛などの症状が現れるなど、子どもにとって、外遊びや運動がいかに大切かわかりました。

それでは子どもロコモを放置しておくとどうなるのでしょうか? 2回目は子どもロコモの対策について、引き続き林先生に詳しく伺います。

取材・文/岩見真由美(メディペン)


「子どもロコモ」連載は全3回。
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(※2回目は2024年1月10日、3回目は1月11日公開。公開日までリンク無効)

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はやし しょうひろ

林 承弘

Hayashi Syohiro
林整形外科院長

林整形外科 院長。 特定非営利活動法人全国ストップ・ザ・ロコモ協議会理事長。子どもの体の変化にいち早く気づき、ロコモ対策に取り組んでいる。 http://www.iwatsuki-med.or.jp/mi/hayshi-orthopedics.html

林整形外科 院長。 特定非営利活動法人全国ストップ・ザ・ロコモ協議会理事長。子どもの体の変化にいち早く気づき、ロコモ対策に取り組んでいる。 http://www.iwatsuki-med.or.jp/mi/hayshi-orthopedics.html

メディペン

medipen
医療ライターズ事務所

医療ライターズ事務所。 看護師、管理栄養士、薬剤師など、有医資格者のライターが在籍。 エビデンスに基づいた医療記事を得意とするほか、医療×他業種の記事を手掛ける。 産婦人科関連、小児科、皮膚科、医療系セミナーレポートや看護師専門サイトの記事の実績多数。 medipen

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