経済観念は日常生活で身につく!
泉:「お金の教育」というと、お金の計算や投資を学ぶと思うかもしれませんが、まず、私達の生活は「お金」を使うことで成り立っているという「経済のしくみ」を自然に身につけるのが、第一歩になります。
買い物に行くと、お店にはたくさんの物が売っていますよね。子どもは大人のやることをよく見ていて、ほしいものがあったら、それをレジに持っていって「ピッ」とやってお金を払えば自分のものになるんだと、教えなくても自然に覚えます。
好きなおかしを買ってもらえる日もあれば、「それは高くて買えないよ」とか「今日は我慢して」と言われるときもある。お母さんが買ってくれなくても、おじいちゃんやおばあちゃんとお店に行くと、好きなものをたくさん買ってもらえる。そういった体験の積み重ねが、その子の「金銭感覚」をつくります。
泉:収入は個人差があるので、当然、その使い方も人それぞれ。子どもが一番目にするのは、身近な大人や兄弟がお金を使う様子なので、いっしょに買い物に行ったときに「このスニーカー、〈メイド イン ベトナム〉って書いてあるよ」と話したり、「これは少し高いけど……」といっしょに値札を見ることも、お金のセンスを磨く経験になります。だから、お金の教育はいつ始めてもいいんですよ。
──そんな簡単なことでいいんですか?
泉:小さいうちはあまり価格に敏感にならないほうが、本質的なお金の教育ができると思います。
お金の使い方には、個人や家庭の価値観の違いやセンスが強く出ます。例えば「味は多少悪くても、安ければいい」という人もいれば、「ちょっと高くても、安全でおいしい方がいい」という人もいるでしょう。「推し活が大事だから、食費は節約している」という人もいれば、「食べるのが好きだから、食費は惜しまない」という人もいます。
大切なのは、商品を選ぶときの「自分なりの基準」を作ること。ものの価値は単純に価格で決まるものではなく、個人の満足度によって違うんだということを伝えていくというのが、一番のベースになっているとよいと思います。そこから、お金は生活に直接紐づいていて、自分たちの生活が大きな経済活動の中にあるということを肌で感じ、日々を過ごす中で金銭感覚を磨いていくのがいいと思いますね。
そしてお金の使い方については、おこづかいをもらい始めてから、きちんと教えていきましょう。
おこづかいをあげるのは何歳から? いくらもらっているの?
コクリコラボのアンケート調査では約5割が小学2年生までにスタート
2021年にコクリコラボで実施した「小学生へのおこづかい事情調査」では、小学2年生までにおこづかいをあげ始める家庭が約5割でした。一方で「あげていない」という家庭も約3.5割あり、おこづかいの考え方は家庭によってかなり違うという結果が出ています。





















































































