子どものお片づけは「自立ツール」 楽しく身につく「片づけのスケジュール」のスゴ技!

#7 片づけのスケジュールは逆算して立てよう

時政 美由紀

ゴミ捨てや片づけのスケジュールを立てましょう!
すべての画像を見る(全5枚)

「子どもにとって大切なのは、お手伝いより、勉強より、まずは“片づけ”と“身支度”です」と言い切る整理収納アドバイザーのカール友波さん。

片づけと身支度が勉強より大事という、その真意をお聞きすると、「お片づけ、身支度を通して、子どもに自立をしてほしいということです。片づけ、身支度ができれば、勉強やお手伝いも自然とできるようになるからです。片づけや身支度は、自分自身のこと。子どもであっても自分でできないと困りますよね。生活の基本中の基本です。だから、勉強より、お手伝いよりもっと大切だということなんです」

カールさんは、『子どもがどんどん整理整頓したくなる!お片づけ帖』の著者で、お片づけプレゼンターの肩書きで、企業や学校の講座、セミナーなどでも活躍中です。

片づけや身支度が子どもの自立を促すという方法をさらに詳しくお聞きしました。全7回にわたって紹介していきます。今回はその第7回です。
※特に、1年生から低学年の子どもを対象にしています。

年内最後のゴミの回収日はいつ?

「12月は、子どもたちが冬休みに入る前に学校からモノを持ち帰ってきたり、子ども会や習い事関係のクリスマス会でプレゼント交換をしたり、と何かとモノが入ってきます。その置き場所を確保するために“スペース”が必要になりますよね。そのスペースを確保するためにも、場所を空ける必要があります」

場所を空けるには、不要なモノを処分しなければいけないということですね。

「買い換えたのに取っておいたファンヒーターやオーブントースターなどの小型家電、使わなくなったフライパンや鍋、何年も着ていないコートやセーター、読まずに積んでいる雑誌や本など、見渡せば場所ばかり取っている不要なモノであふれている……誰でも身に覚えがあるはずです。不要なモノを捨てるのはもちろんですが、12月は大掃除もしますから、何かとゴミが出ます。そこで、忘れてはいけないのが、“年内最後のゴミの回収日”です」

当たり前のような気もしますが……、実はこれ、とても大切なことなんです!

気づけば、ゴミの回収日が終わっていた

「大掃除をして、不要なモノをまとめて、いざ捨てようとしたら、年内のゴミの回収日が終わっていた! 意外と経験している人が多いんです」

確かに、ゴミを持っていってもらえなくて、結局、ゴミと一緒に年越ししてしまった。あるあるです。

「必ず、年内最後のゴミの回収日を把握することです。私が住んでいる地域では、12月29日が燃えるゴミの最終日。燃えないゴミは12月20日、びん、古着類は12月16日です」

住んでいる地域によって、回収日は違いますが、「燃えないゴミ」や「資源ゴミ」の最終回収日は、意外に早い! という印象です。

「燃えるゴミの回収日は年の瀬までありますが、燃えないゴミ、資源ゴミの回収日は10日~2週間前が最終日というのが一般的です。不要なモノは、まさにこのタイミングで捨てないと年越しすることになってしまいます」

逆算してスケジュールを立てる

「ゴミの回収日をきちんと把握して、家族といつ、何をするかを決めることが大切です。子どもに『古紙は20日が最終回収日だから、要らない雑誌や本を仕分けして○日までにまとめようね』『自分でできるかな』『何冊くらい減らせそう?』など具体的に相談した後は、子どもの自主性に任せましょう」

親としては、「これ要らないでしょ」などと、ついつい口出ししてしまいがちですが、子どもの自立のためにはグッとがまん、ということですね。

ゴミの最終回収日から逆算して予定を組む。

これで、23日の終業式には間に合いそうです。

ゴミ回収だけに頼らない方法も

「ゴミ回収だけでなく、不用品はリサイクルショップに持ち込んだり、クリーンセンターに直接持ち込む方法もあります。ただし、リサイクルショップでは買い取ってもらえない場合もありますし、クリーンセンターでは有料だったり、予約が必要になる場合もあります」

ゴミ回収は確実な方法。でも、SDGsの観点で、捨てるだけではなく、リサイクル、リユースに目を向けるのもいいかもしれません。

「最近では、行政や企業も不用品の収集に工夫をしています。私がいつも利用している図書館では、小型家電(ゴミ収集が可能なサイズの家電)の回収ボックスがあったり、先日はホームセンターで使用済みのペンの回収ボックスを発見しました」

図書館に設置された小型家電の回収ボックス。
使用済みペンの回収ボックス。

ファストファッションの回収ボックス、アウトドアショップのキャンプ用品の回収ボックス、眼鏡ショップのフレームの回収ボックスなど、街を見渡せば、回収ボックスが意外と多いものです。

「行政や企業の回収ボックスなども、どこが何をやっているかなど、その取り組みを含めて子どもと調べてみるのもいいかもしれません。不要なモノを年内に捨てて、すっきりとした気持ちで新年を迎える、というのが目的ですが、不用品の回収についても興味を持ってもらえたらいいですね」

片づけの先には、リサイクルやそもそもゴミを出さない、など、子どもと一緒に考えて親も一緒に学べるチャンスがあふれているようです。

カール友波(かーる となみ) プロフィール

お片づけプレゼンター。
キャッチフレーズは「か~るく、明るく、お片づけ!!」  
深刻にならず、世間の常識・お片づけの常識にしばられず、その人らしい楽しい生き方を楽しめる、肩ひじはらないお片づけをご提案している。
整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士認定講師(子どもの片づけ教育)、時短家事コーディネーター®Basic認定講師、発達支援教育士認定講師(発達障害・グレーゾーンのお子さんの身支度とお金の教育)。
著書は『子どもがどんどん整理整頓したくなる!お片づけ帖』(永岡書店)、『「片づけなさい!」と言わずに家族が勝手に片づけるすごい方法』(PHP研究所)がある。
https://www.karl-3.jp/

写真:カール友波 構成:時政美由紀

この記事の画像をもっと見る(全5枚)
かーる となみ

カール 友波

お片づけプレゼンター

キャッチフレーズは「か~るく、明るく、お片づけ!!」   深刻にならず、世間の常識・お片づけの常識にしばられず、その人らしい楽しい生き方を楽しめる、肩ひじはらないお片づけをご提案している。 整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士認定講師(子どもの片づけ教育)、時短家事コーディネーター®Basic認定講師、発達支援教育士認定講師(発達障害・グレーゾーンのお子さんの身支度とお金の教育)。 著書は『子どもがどんどん整理整頓したくなる!お片づけ帖』(永岡書店)、『「片づけなさい!」と言わずに家族が勝手に片づけるすごい方法』(PHP研究所)がある。 https://www.karl-3.jp/

キャッチフレーズは「か~るく、明るく、お片づけ!!」   深刻にならず、世間の常識・お片づけの常識にしばられず、その人らしい楽しい生き方を楽しめる、肩ひじはらないお片づけをご提案している。 整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士認定講師(子どもの片づけ教育)、時短家事コーディネーター®Basic認定講師、発達支援教育士認定講師(発達障害・グレーゾーンのお子さんの身支度とお金の教育)。 著書は『子どもがどんどん整理整頓したくなる!お片づけ帖』(永岡書店)、『「片づけなさい!」と言わずに家族が勝手に片づけるすごい方法』(PHP研究所)がある。 https://www.karl-3.jp/

ときまさ みゆき

時政 美由紀

構成・取材

1965年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、出版社勤務を経て、2010年、編集・出版企画 ㈱マッチボックスを設立。出版社時代から現在に至るまで企画・編集した書籍・ムックは300冊以上。女性のライフスタイル全般、料理、子育てなどの実用書を中心に活動。2018~2021年、茨城新聞「論壇」にて連載。自著に『50歳から結婚してみませんか?』(朝日新聞出版)。

1965年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、出版社勤務を経て、2010年、編集・出版企画 ㈱マッチボックスを設立。出版社時代から現在に至るまで企画・編集した書籍・ムックは300冊以上。女性のライフスタイル全般、料理、子育てなどの実用書を中心に活動。2018~2021年、茨城新聞「論壇」にて連載。自著に『50歳から結婚してみませんか?』(朝日新聞出版)。