実は子どもには難しい「想像力」の育て方 専門講師が伝授する簡単・おすすめアート

「こどもアトリエ みかづき」の親子で楽しむアート 第3回「スクラッチで想像のお手伝い」

造形絵画教室「こどもアトリエ みかづき」のアートワークより~「スクラッチ」~  写真/こどもアトリエ みかづき

幼稚園から中学生の子どもたちを対象とした少人数制の造形絵画教室「こどもアトリエ みかづき」。この教室(アトリエ)では、のびのびと創作できる空間を子どもたちに提供し、自由で個性あふれる創作活動をサポートしています。このアトリエで自分の感性に気づくことで、子どもたちの潜在能力が花開き、想像力という才能の実が大きく育っていくのです。

そんな「みかづき」の主宰者である、デザイナーのあじとみあつこさんが、子どもの個性を伸ばすアートワークを紹介してくれます。親子でも楽しめる独創的なアートワークを、ぜひ楽しんでみてください。

想像には経験が必要

こんにちは。「こどもアトリエ みかづき」あじとみあつこです。アトリエは、通常の月謝制教室ではなく、チケット制を採用した制作室です。チケット制にした理由は、体調を崩しやすい幼児期の子どもたちにも無理なく通ってもらうため、そして、有意義な経験の予定があれば、なによりそれを優先してもらうためです。

家族旅行、キャンプ、映画鑑賞、観劇、スポーツ観戦といった非日常の体験はもちろん、お友だちとの遊びで大興奮したり、習い事の発表会や試合、試験で緊張したりというリアルな経験は、たしかな想像の素となって、作品に反映されます。

反映できるような課題=こどもの想像力を搔き立てる課題を用意することが、私の仕事です。

ここでは、そういった課題の中から、ご家庭でも気軽に取り組めそうなアートワークをご紹介していきます。合わせてお伝えするアトリエの子どもたちのエピソードは、コクリコ読者の皆さまにとって、子育ての気づきにつながるものと考えます。アートワークと合わせて、こちらもご参考になれば幸いです。

エピソード「ゲームの中の疑似体験」

大きな鳥の背中に乗って、空をとんでいる様子を描く小学校低学年のCちゃんに、「うわーーいいなー! 気持ちよさそうだね!」と声をかけたときの話です。Cちゃんは顔を上げ、ん? どういうこと?……という表情を見せました。

このときの課題は、自由画『おおきな◯◯とあそぶ ぼく・わたし』。

大きな鳥にまたがっている様子がとても上手に描けていて、町並みが少し小さく下の方に描かれていたことから、上空を飛んでいることがわかりました。思わず声をかけたのは、風をうけて鳥に乗っている自分を想像したからです。そのことをCちゃんに伝えると、

「せんせーこれは(ゲーム名)だよ。いつもこーゆーのやってるから」

と言います。そして、ゲーム中に実際に飛んでいると錯覚したことはない。今もその場面を描いただけで、気持ちいいかどうかはわからないとのこと。

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