【中学入試に出る】暗記と理解がキモ! 苦戦する生徒に伝授する「地学」部門の勉強法〔中学受験の専門家が解説〕

「天体」問題の攻略法を首都圏中学受験塾・教室長が回答

akira

写真:アフロ

首都圏中学受験塾の教室長をしています。akiraと申します。

今回の記事は新年度がはじまってしばらくすると相談が増える、理科についてです。生物分野は比較的暗記で乗り切れる分野ですが、続く地学分野は暗記プラス理解することが必要な分野といえます。

生物ではまずは知識を「覚える」ことからスタートしていきましょう。また、物理・化学では「演習」を重ねていろいろなパターンの問題に慣れていくとよいでしょう。なお、いちばん厄介なのが「地学」です。「地学」は知識を覚えるだけではなく、それらを問題に応じて使いわけなければいけないので、理科を得意科目にしている子どもでも苦戦する分野です。今回はその中でも「星座」に関する話題です。私が最近読んだ本『5文字で星座と神話』も紹介します。みなさんもぜひ手に取ってほしい本です。

『5文字で星座と神話』すとうけんたろう・著/左巻健男・監修

中学入試では、どんな問題が出されるの?

中学入試の問題でも星座名や1等星の名前などはよく扱われます。特によく出されるのが、「冬の大三角」、「夏の大三角」です。冬の大三角はオリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンで、夏の大三角ははくちょう座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルです。これらを扱った入試問題で、下の図のような問題が出題されました。

アの星を含む星座は十字型の形をしており、はくちょう座です。この星座の1等星ですので、アは「デネブ」です。

『5文字で星座と神話』P88~89より

カの星は「もっとも明るく見える」とヒントが出ていますね。星座の星でもっとも明るいのはおおいぬ座の「シリウス」です。シリウスの名前の由来は「焼き焦がすもの」とも言われており、星座の星のなかでも一際明るく輝き、冬の夜空でもかなり目立ちます。

ちなみに、星の明るさを表す数値を「等級」といい、明るい星ほど等級の数字が小さくなります。そして、等級が1.5よりも数字が小さいものを「1等星」とまとめて呼んでおりますが、厳密には1より小さいと「0等星」となります。そして、このシリウスは、なんと0よりもさらに明るい「-1.5等星」にあたります。

『5文字で星座と神話』P8のコラム「星座って、なに?」より抜粋

ちなみに、問2の(1)の答えはオ。オリオン座の1等星の「ベテルギウス」です。この名前は語感としてはかっこよく聞こえるのですが、名前の由来はなんと「巨人の脇の下」です。P138の図を見てみると一目瞭然で、狩人オリオンの脇に位置しているのでこのような名前になりました。(2)の答えはイの「ベガ」です。七夕伝説としても有名で、「織り姫」にあたる星です。

このような感じで、中学入試では1.星座名、2.星座の形、3.1等星の名前、4.観察しやすい季節などが問われることが多く、前述の6つの星座に加え、黄道12星座でもあるさそり座、北の空に一年中見ることができるおおぐま座、こぐま座、カシオペヤ座が中学入試で頻出星座です。(※おおぐま座・こぐま座・カシオペヤ座には1等星はありません

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