
「東大卒の1児の母」が今もやってる「勉強法」 家事・育児・仕事に忙しくても勉強するコツ
勉強の達人が教える 子育てしながら勉強する方法 #1
2025.04.09

三日坊主になる人は、三日坊主になる勉強法をやっている!?
石黒さんのプロフィールには、〈東大卒〉〈留学経験なしでTOEIC950点超〉〈プログラミング技術など8つの資格を独学で取得〉〈現在は東大大学院に在学〉といった輝かしい経歴が並びます。
キャリアを見て、勉強がそもそも得意な人からのアドバイスなんて参考になるのだろうかと疑う方もいますが、石黒さん本人は「勉強は苦手だった」「勉強のコツをつかむまで失敗もした」と話します。
「高校時代を振り返ると、勉強は苦手なほうでした。理数系よりも国語や社会のほうがまだマシという、勉強が苦手な人の典型でしたし。成績も平均よりずっと低い偏差値30台になったこともあります。
そんな私が気持ちを入れ替えて勉強をし始めたのは、高校2年生のときです。
ただ当初は、特に成績がひどかった数学に手を出してみたところ、全然、わからなかったあげく、苦手に拍車がかかり、自信を失って勉強をしなくなるという事態にも……。
その失敗があったので、まだマシだった文系教科から勉強することに変えてみたのです。が、これがいい結果を招きました! ダメなりに少しずつ手応えや達成感を感じられるようになったんです。文系教科の自信が数学にもつながって、徐々に成績も上がっていきました。
私の勉強法は『だれでも、どんなに時間がなくても結果の出る勉強法』を謳っていますが、高校時代の試行錯誤と成功体験が原点です。勉強は、少しでもできるほうや好きなものから始めるのがコツです」(石黒さん)
勉強において、苦手分野は少しでも克服する必要がありますが、不得意から始めてしまうと手応えを感じるまでが長く、その間にやる気を失ってしまうことがあります。
これが三日坊主で終わってしまう原因です。勉強は「得意」や「好きなもの」から始めることをおすすめします。
完璧主義者は要注意! 勉強が挫折するそのほかの原因
勉強は苦手分野から始めてしまうとモチベーションダウンを起こしてしまいますが、そのほかにも挫折の原因があります。
「私の失敗には、問題集の1ページ目から完璧にやろうとしていたこともありました。これだと数ページ進めるのもやっとのことで、実際に勉強を始めて3日後にやめたことが何度もあります。
ですから、勉強は完璧でなくて構いません。
大事なのは、『反復学習する』ことです。初回の勉強では、本当は理解できていなかったり、実際に解いてみたらできないくらいのレベルであっても、それを2回、3回と繰り返すうちに次第に自分のものになっていきます。
また、勉強で重要に思われている『考え込む時間』や『悩む時間』はある意味、ムダな時間です。『解けないものは解けない』『覚えていないことはわからない』と割り切ることも、勉強を効率的に進めるコツです」(石黒さん)
「解けないものは解けない!」などと割り切ることは簡単ですが、それでは知識は積み上がっていきません。そこでこのときに取り入れてほしい方法が、「カンニング勉強法」だと石黒さんは話します。
カンニングは本来、不正に他人の答案や参考書などを見ることを指しますが、石黒さんのいうカンニングは、すぐに「正解を見る」という手法です。果たしてそのようなやり方で本当に知識は身につくのでしょうか。
次回は、勉強時間の短縮にもつながる「カンニング勉強法」を紹介します。
─◆─◆─◆─◆─◆─◆
◆石黒 由華(いしぐろ ゆか)
東京大学卒業、勉強の達人
学生時代から勉強法を研究し、「だれでも、どんなに時間がなくても結果の出る勉強法」を考案。偏差値30台から東大に逆転合格する。東大卒業後はマスコミ企業に就職し、社会人になってからも自身で築き上げた勉強法を実践して、留学経験なしでTOEIC950点超、プログラミング技術など8つの資格を独学で取得する。結婚・出産後は、さらに子どもを育てながら勉強を続け、東京大学大学院に合格。現在、同大学院に在学中。効率的な勉強法の研究は、今も勉学に励みながらアップデートしている。著書に『夢を先送りしない勉強法』(技術評論社)がある。

【勉強の達人が教える 子育てしながら勉強する方法】の連載は、全3回。
第2回を読む。
第3回を読む。
※公開日までリンク無効
取材・文/梶原知恵
【関連書籍】
梶原 知恵
大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。
大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。