
【国際バカロレア】伝統校が認定小学校に! 教科の枠にとらわれない学習方法で子どもの自己肯定感が高まる理由を取材!
〔国際バカロレア連載〕 #4 PYP認定校『聖ヨゼフ学園小学校』
2025.05.28
1年間で6つのテーマを掘り下げる
──探究の授業はどのようなカリキュラムを組んでいるのですか?
河野先生:ひとつのテーマを6週間かけて学び、1年間で6つのテーマを取り上げるようにしています。
たとえば4年生では、最初に「私たちは誰なのか」というテーマを取り上げ、「責任ある行動が私たちの自由を守る」というセントラルアイディア(テーマを通じて学ぶべきこと)についてさまざまな角度から学んでいきます。

河野先生:まず、このセントラルアイディアからどんなことを思い浮かべるのか、子どもたちが意見を出し合い、大きな紙に書き込んでいきます。「責任」とは何か、「自由」とは何か、「私たち」には誰が含まれるのか。また、自分勝手と自由は何が違うのか、役割と責任の関係など問いを深めていきます。
そして、「ヨゼフの決まり」(校則)を読み返すことで、なぜルールが必要なのかを考え、校則を守ってもらうためのポスターを作り校内に掲示します。最終的には学級目標を作り、そのために自分が果たす役割、その責任について自分で決め、1年間を通して取り組んでいきます。

河野先生:憲法や基本的人権、議会については社会の授業でも勉強しますが、日常生活に結び付けて考えることで、より深い理解や納得を得られますし、自分事として真剣に向き合うことができます。
ポスターを作る課題は、より効果的に伝わる言葉を選び、イラストを描くなど、国語や図工の学習ともつながっています。
そういった探究活動を通じて、「信念をもつ人」といった学習者像(※1回目で紹介)や、思考スキル、自己管理スキルといったさまざまなスキルを身につけられるようにしています。