
第45回講談社絵本新人賞受賞作『どんぐりず』ができるまで④
【制作日記④】どんぐりたんけん!
2025.08.29

第45回講談社絵本新人賞を受賞したのは、この賞の歴史でもまれな「幼児絵本」。
受賞作家・秦直也(はた なおや)さんが、「どんぐり」と向き合う日々を綴ります。制作日記6回連載のうちの第4回です!

応募作にアイデアをふんだんに詰めこんだのはよいものの、読者に伝わりにくい部分をどのように伝わるものにするか。
もっとシンプルでインパクトのあるものにしていかなくてはいけません。
物語ることを少し脇に置き、ページ数を気にせずに、どんぐりたちの動きやポーズのパターンを出してみることから始めてみました。

動物を主役に考えていきづまったときに、どんぐりをキャラクターにすれば絵本になるのではないかと思ったのがきっかけです。

どんぐりのことを中心に考える絵本なんてできるのだろうか。不安しかありませんでした。
そして、怖いと講評され続けたリスの、怖くない出し方があるのか悩みます。
特にどんぐりたちが「ぱくっ」とリスにくわえられるシーンが課題です。


まずは、どんぐりの図鑑を見てどんぐりの種類を決めてみようということに。
どんぐりたちがポーズを決める場面は、こちらを向いているのが良いかもなどとNさん。さーて、リスをどう登場させようか。
公園にどんぐりひろいに行ってみました。
10種、計150個ぐらいのどんぐりを持ち帰ってきました。候補はアベマキ、もしくはコナラとすることに。

地面にコロコロしてる姿に心つかまれました。
ただ、どんぐりって99%ぐらいは転がって終わるんだなとも感じました。
木の下に足の踏み場がないぐらい落ちていたり、そんな中でもちらほら芽を出していたり、頭から出た根が地面とつながっていたり、アスファルトに落ちて粉々になっていたりと、個々に物語があることを感じました。
転がり落ちる場所によって運命が決まるどんぐりたち。このことは、絵本の根っこになる気がしました。

ゾウムシも好きなので、結局、4匹ぐらい飼うことになってしまいました。夏に出てくるでしょうか?
Nさんは、小学生のとき、海苔の缶に、セミの抜け殻を100個集めたことがあるそうです。

秦 直也
1981年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学建築学科卒業。 2024年、『どんぐりず』で、第45回講談社絵本新人賞受賞。絵本に『いっぽうそのころ』、著作に塗り絵ポストカードブック『おしごとどうぶつ編』などがある。
1981年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学建築学科卒業。 2024年、『どんぐりず』で、第45回講談社絵本新人賞受賞。絵本に『いっぽうそのころ』、著作に塗り絵ポストカードブック『おしごとどうぶつ編』などがある。