
NHK「ダーウィンが来た!」で注目を集めた小学生タコ研究家が「タコにも心がある!」と信じる理由
絵本『あたまにのったタコ』発売特別企画 小学生タコ研究家・野中風玖くんインタビュー 前編
2026.06.11
撮影/日下部真紀
6月に発売される絵本作家・たしろちさとさんの最新作『あたまにのったタコ』。こちらは、第2回アストラ国際絵本原作コンテストで講談社賞を受賞した『あたまにのったタコ(原題Un poulpe sur la tête)』を絵本化。ある日、頭の上にタコが棲みついてしまった男の子とタコとの交流を描いた、ちょっと不思議で心あたたまるストーリーです。
リアリティがありながら、かわいらしいタコの描き方にも注目の本作。タコが大好きな小学生タコ研究家・野中風玖(のなか・ふく)くんは、『あたまにのったタコ』をどう読んだのでしょうか。
前編では、風玖くんにタコの魅力とタコ愛をたっぷりとうかがいました。
リアリティがありながら、かわいらしいタコの描き方にも注目の本作。タコが大好きな小学生タコ研究家・野中風玖(のなか・ふく)くんは、『あたまにのったタコ』をどう読んだのでしょうか。
前編では、風玖くんにタコの魅力とタコ愛をたっぷりとうかがいました。
『あたまにのったタコ』(たしろ ちさと/作・絵 ジェニー・ギヨーム/原案)
写真提供:野中風玖くん
ずっとそばでタコを見ていたい!
当時小学2年生だった2023年、朝日新聞社・朝日学生新聞社主催の「海とさかな」自由研究・作品コンクールの研究部門で、「日本水産学会会長賞」を受賞した野中風玖くん。水族館でも難しく、家庭で飼うのはほぼ不可能といわれる稚ダコを64日間も飼育。捕食や擬態のようす、目の大きさの変化などを細かく観察し、タコ愛あふれる観察記録をまとめました。風玖くんに当時のようすを振り返りながら、タコの魅力を語っていただきます。
現在(2026年)、小学5年生のタコ研究家・野中風玖くん。タコの活動のときに着るというタコTシャツが、とってもお似合い! 撮影/日下部真紀
──風玖くんがタコを好きになったきっかけは何でしょう?
野中風玖くん(以下、風玖くん):幼稚園のとき、釣り好きのお父さんの本棚にあった図鑑『からだにおいしい魚の便利帳』(著者:藤原正高/高橋書店)を読んだのがきっかけです。あるとき、その図鑑を読んでいたらタコのページを見つけて、『なんだ、この生き物は!?』とビックリしました。腕が8本……そのときは脚だと思っていたんですけど、腕が8本もあって、宇宙人みたいで。そこから興味を持ち始めて、タコがどんどん好きになりました。
──タコの「脚」って、実は「腕」なんですね! 稚ダコを飼育しようと思ったのはなぜですか?
風玖くん:タコのことを知りたくて、本を読んだり、インターネットで調べたり。タコに会うために、家から近い水族館「浜名湖体験学習施設ウォット」にもよく連れていってもらいました。その水族館でビックリすることがあって。ある日、帰り際に何気なくタコに「バイバイ」と手を振ったら、タコが「バイバイ」と手を振り返してくれたんです! 「僕の気持ちが通じたのかな」って、すごくうれしかったです。それでもっとタコが好きになって、「毎日タコを見ていたい」「タコを飼いたい」と思うようになりました。
野中風玖くん(以下、風玖くん):幼稚園のとき、釣り好きのお父さんの本棚にあった図鑑『からだにおいしい魚の便利帳』(著者:藤原正高/高橋書店)を読んだのがきっかけです。あるとき、その図鑑を読んでいたらタコのページを見つけて、『なんだ、この生き物は!?』とビックリしました。腕が8本……そのときは脚だと思っていたんですけど、腕が8本もあって、宇宙人みたいで。そこから興味を持ち始めて、タコがどんどん好きになりました。
──タコの「脚」って、実は「腕」なんですね! 稚ダコを飼育しようと思ったのはなぜですか?
風玖くん:タコのことを知りたくて、本を読んだり、インターネットで調べたり。タコに会うために、家から近い水族館「浜名湖体験学習施設ウォット」にもよく連れていってもらいました。その水族館でビックリすることがあって。ある日、帰り際に何気なくタコに「バイバイ」と手を振ったら、タコが「バイバイ」と手を振り返してくれたんです! 「僕の気持ちが通じたのかな」って、すごくうれしかったです。それでもっとタコが好きになって、「毎日タコを見ていたい」「タコを飼いたい」と思うようになりました。
「海とさかな」自由研究・作品コンクールの賞状と楯。風玖くんは、最優秀賞「日本水産学会会長賞」を受賞しました。 写真提供:野中風玖くん
体長わずか2cmの稚ダコとの出会い
海に潜って出てきたら頭に赤ちゃんタコがのっていた!『あたまにのったタコ』(たしろ ちさと/作・絵 ジェニー・ギヨーム/原案)より
──稚ダコは、どこで捕まえたのですか?
風玖くん:水族館の飼育員さんに稚ダコが獲れる場所を教えてもらって、お父さんと探しに行きました。そこにある古い漁網を引き上げると、網の中に10匹の稚ダコを見つけました。体長は2cm、胴の長さは8mm。とっても小さくて、水の中だとほとんどわかりません。漁網には稚ダコの隠れ家になる牡蠣殻がたくさんついていて、餌になる小さなエビやカニもいたので、タコにとって住みやすい環境だったんだと思います。
10匹のうち7匹は水族館に預けて、3匹を自宅で飼うことにしました。捕まえたときの見た目から「スカシ」「テナガ」「マメ」と名前をつけました。
──かわいい名前ですね。稚ダコの種類は何ですか? マダコ?
風玖くん:それが、小さすぎてわからなくて……。どうしても知りたかったので、お父さんにタコ研究の第一人者・琉球大学の池田譲先生にメールで写真を送ってもらい、問い合わせたら、「タコ類の種同定は難しいものだが、テナガダコではないかと思われる」とお返事をいただきました。正解はわからないけれど、僕も先生と同じテナガダコかなと思っていたので、うれしかったです。
タコの性別は、吸盤で見分けられます。吸盤の大きさがところどころ不揃いで、交接腕(こうせつわん/生殖の際に使う腕)である右第3腕(右側の前から3番目の腕)の先端に吸盤がないのがオスですが、それもわかりませんでした。「スカシくん」だったかもしれないし、「スカシちゃん」かもしれないです。
風玖くん:水族館の飼育員さんに稚ダコが獲れる場所を教えてもらって、お父さんと探しに行きました。そこにある古い漁網を引き上げると、網の中に10匹の稚ダコを見つけました。体長は2cm、胴の長さは8mm。とっても小さくて、水の中だとほとんどわかりません。漁網には稚ダコの隠れ家になる牡蠣殻がたくさんついていて、餌になる小さなエビやカニもいたので、タコにとって住みやすい環境だったんだと思います。
10匹のうち7匹は水族館に預けて、3匹を自宅で飼うことにしました。捕まえたときの見た目から「スカシ」「テナガ」「マメ」と名前をつけました。
──かわいい名前ですね。稚ダコの種類は何ですか? マダコ?
風玖くん:それが、小さすぎてわからなくて……。どうしても知りたかったので、お父さんにタコ研究の第一人者・琉球大学の池田譲先生にメールで写真を送ってもらい、問い合わせたら、「タコ類の種同定は難しいものだが、テナガダコではないかと思われる」とお返事をいただきました。正解はわからないけれど、僕も先生と同じテナガダコかなと思っていたので、うれしかったです。
タコの性別は、吸盤で見分けられます。吸盤の大きさがところどころ不揃いで、交接腕(こうせつわん/生殖の際に使う腕)である右第3腕(右側の前から3番目の腕)の先端に吸盤がないのがオスですが、それもわかりませんでした。「スカシくん」だったかもしれないし、「スカシちゃん」かもしれないです。




































