NHK「ダーウィンが来た!」で注目を集めた小学生タコ研究家が「タコにも心がある!」と信じる理由

絵本『あたまにのったタコ』発売特別企画 小学生タコ研究家・野中風玖くんインタビュー 前編 (2/2) 1ページ目に戻る

おばあちゃんと一緒に手作りしたというタコ帽子は、オオマルモンダコがモチーフ。  撮影/日下部真紀
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タコの飼育が難しいといわれる理由

──稚ダコの飼育は、水族館でも飼育が難しいと言われていますね。なぜでしょうか?

風玖くん:タコはすごくストレスに弱くて、水質が急に変わると、すぐに弱ってしまいます。餌も同じで、食べたことのない餌は、嫌がって食べません。絶対に長生きさせようと水槽にはエアポンプを設置し、暑いときは水槽の側面に保冷剤を置いて、水温が21~25度に保たれるように工夫しました。水換えも必要で、2日に1回、カルキ抜きをした水で人工海水を作って入れ換えます。僕も手伝いたかったけれど、力仕事なので、お父さんとお母さんが中心でした。

いちばん大変だったのは、餌です。朝と夜の2回食べます。もう少し成長したタコは、スーパーで売っている冷凍エビも食べるけれど、稚ダコは、生きている小さなカニやエビ、ヤドカリなど。死んでいる餌は、食べようともしません。そうなると餌の準備が大変で、毎週末、お父さんと浜名湖へ餌用のカニやエビを獲りにいきました。餌を水槽の中に入れると、稚ダコは自分で捕まえて食べます。エビだと動きが素早すぎるので、カニがいちばんよさそうでした。
風玖くんがこれまでまとめたタコの観察記録や自由研究。写真やイラストも満載で、タコへの大きな愛が感じられます。  撮影/日下部真紀

タコには感情や個性がある!

──稚ダコの飼育を通して感じたことを教えてください。

風玖くん:飼育を始めたきっかけは「毎日タコを見ていたい」だったので、その想いが叶ったことがうれしかったです。3匹のうち「スカシ」がいちばん長生きして、2cmだった体長が、64日後には8cmにまで成長していました。死んじゃったときは、本当に悲しかったです。僕はタコのかわいくて細長い黒目が大好きなんですが、明るいところでは線のように細くなって、暗いと太くなります。それが、死んだあとはまん丸になっていたのは発見でした。次に飼うときは、一日でも長生きさせようと思いました。

──その後もタコを飼育したのでしょうか?

風玖くん:「テナガ」たち3匹の稚ダコも入れて、今まで10匹のタコを飼って観察記録にまとめました。そのうち「ふーちゃん」「うーちゃん」「トマト」は、稚ダコより大きなタコ。稚ダコは蛸壺にいることが多かったので、性格まではわからないけれど、このタコたちにはそれぞれ個性があるなと思いました。

例えば、マダコのうーちゃんは、好奇心旺盛な“かまってちゃん”。タコは記憶力がよくて頭がいいといわれますが、だんだん僕の顔を覚えてくれて、僕が水槽の前を通ると「遊んで遊んで~」と寄ってくるようになりました。

──すごい! タコって賢いんですね。

風玖くん:すごく頭がいいです。水槽の前でタコに瓶を開けたり閉めたりする様子を見せると、タコは学習して、瓶の蓋を開けられるようになるといいます。それに、タコはとっても器用。餌のカニをあげると、上手に中身だけを食べて殻をきれいに残します。

僕が大好きな目でいうと、ときどき、にっこり笑っているような目をすることがあります。例えば、餌を受け取って棲み家の蛸壺に戻って食べているとき。うれしそうに「ありがとう」って顔をして、片目で僕のほうを見るんですけど、それがすごくかわいくて。タコにも感情があるのかな、心があるのかなって思っています。
ニコニコ顔のうーちゃん。  写真提供:野中風玖くん
後編では、風玖くんのもうひとつの研究「タコとコミュニケーションは取れるのか」と、たしろちさとさんの最新絵本『あたまにのったタコ』についてお話を伺います。

取材・文/星野早百合
『あたまにのったタコ』(たしろ ちさと/作・絵 ジェニー・ギヨーム/原案)男の子とタコの友情を描く物語。
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野中 風玖
のなか ふく

野中 風玖

Fuku Nonaka
小学生タコ研究家

2016 年静岡県生まれ。5 歳からタコに興味を持ち始める。タコとずっと一緒にいたいと強く思い、8 歳の時に自ら採取した 3 匹の稚ダコを自宅ではじめて飼育。その記録をまとめた自由研究「64 日間の稚ダコのし育」が、第 42 回海とさかな自由研究・作品コンクールで最優秀賞「日本水産学会会⾧賞」を受賞。 これまで稚ダコのマメ、マダコのうーちゃん、サメハダテナガダコのトマトなど累計10匹のタコすべてに名前をつけて自宅飼育している。特技はタコとハイタッチとキャッチボール、タコの好きな部位は目、お気に入りのタコはウデナガカクレダコ。 2025年NHK「ダーウィンが来た!~子ども研究者スペシャル 海の賢者と森の宝石~」に出演。

2016 年静岡県生まれ。5 歳からタコに興味を持ち始める。タコとずっと一緒にいたいと強く思い、8 歳の時に自ら採取した 3 匹の稚ダコを自宅ではじめて飼育。その記録をまとめた自由研究「64 日間の稚ダコのし育」が、第 42 回海とさかな自由研究・作品コンクールで最優秀賞「日本水産学会会⾧賞」を受賞。 これまで稚ダコのマメ、マダコのうーちゃん、サメハダテナガダコのトマトなど累計10匹のタコすべてに名前をつけて自宅飼育している。特技はタコとハイタッチとキャッチボール、タコの好きな部位は目、お気に入りのタコはウデナガカクレダコ。 2025年NHK「ダーウィンが来た!~子ども研究者スペシャル 海の賢者と森の宝石~」に出演。

星野 早百合
ほしの さゆり

星野 早百合

ライター

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。