今年の梅雨は、なんとなくいつもより雨の日が多かったような気がしますね。
「えほんやさん」でも、私の絵本『あめふりさんぽ』がよく出ていました。
7月の「えほんやさん」
クリスマスやお正月といった、おおきな行事があるわけではないのに、意外な動き……。
たまに私も一緒に選ばせていただくのですが、お客様が思い描くイメージ(雰囲気や文字の多さ、テーマなど)に沿う絵本を紹介するって難しいなぁ……と、毎回ドキドキしています。
逆に、オススメしたものがイメージしていたものを違う……という反応の場合、結構長い間ひきずります。
でも、勉強不足だと反省して、まだまだ触れてない絵本にたくさん出会って知識を深めていきたいです。
「こういうイメージの絵本があったらお勧めできるのに……ないかなぁ」とか「こんなテーマの絵本ってよく考えたら無いかも!」という発見があったり。
私が何者なのか、知らないでお店にいらっしゃったお客様とのやりとりの中から学びがあったりして面白いです。
お誕生日や進学、クリスマスプレゼントに絵本を選ばれる際、命のたいせつさや病気をテーマにしたものなどは、なかなか選ばれにくく、明るくて幸せで、少し知育要素があって……というような絵本が選ばれることが多いです。
「絵本はおじいちゃんやおばあちゃんからのプレゼントしか持っていない」
というご家庭が少なくないと聞いたことがあるのですが、避けられがちな「病気」や「死」というテーマにも、絵本を通して体験して欲しいのだけどなぁ……プレゼントの絵本だけでは偏るのではないかな……と、心配になることがあります。
さらに、図書館に行く習慣も無かったりしたら、自分の意志で絵本と出会うことができない小さな子たちは、どこで絵本と出会ったらいいのだろう。
そもそも、絵本って限られた人しか触れられないものなのかもしれない……と、いろいろ考えてしまいます。
具体的にどうしたらいいのか、暗中模索な日々です。
お父さんと絵本
時間が遅くなったからといって、絵本を省略すると、なかなか寝付けなかったりするので、1冊でも読んであげると、安心するのかすぐに眠りに落ちてくれます。
寝かしつけは夫がメインでやってくれているので、絵本は夫が読むことのほうが多いです。
先日、男性2人がお店にいらっしゃいました。
A「え?赤ちゃんって言葉もわかってないのに、絵本を読んであげるの?」
B「いや、わかってなくても読むんだよ」
A「絵本なんて買ったことない!」
……私は絶句。
でも、そういう方、多いのだろうなぁ。男性が絵本なんてと思うのかしら。
「えほんやさん」でも、おじいちゃんがポツンと外で待っていたり興味なさそうに店内をうろうろしていたり、という様子がよくうかがえます。
でも絵本こそ、年齢を超えてお話しできる媒体だと思います。テレビは一方的だけど、絵本は待ってくれる。
ひとりひとりのペースに合わせて進めることができるコミュニケーションツールのひとつだと思っています。
ぜひ、お父さんやおじいちゃんにもこの楽しさを味わってほしいなぁ。
太っ腹!
えがしら みちこ
1978年、福岡県生まれ。熊本大学教育学部卒業。水彩を使用した透明感のある画風が特徴。絵本に『あめふりさんぽ』『さんさんさんぽ』『ゆきみちさんぽ』『はるかぜさんぽ』『ねんねのうた』『クリスマスのおとしもの』、『いちねんせいの1年間 わたし、もうすぐ2ねんせい!』(文・くすのきしげのり)『せんそうしない』『ありがとう』(ともに文・谷川俊太郎)『はこちゃん』(文・かんのゆうこ 以上すべて講談社)、『おたんじょうケーキをつくりましょ』(教育画劇)、『なきごえバス』(白泉社)、『いろいろおてがみ』(小学館)、『しいちゃんおひめさまになる』(アリス館)、『あのね あのね』(あかね書房)、『あなたのことが だいすき』(原案・西原理恵子 KADOKAWA)など、装画と挿絵に『あかりさん、どこへ行くの?』(フレーベル館)、『さくら 原発被災地にのこされた犬たち』(金の星社)などがある。雑誌や教科書などの挿絵も多く手がけている。2018年、子育てママパパの居場所にと、静岡県三島市に絵本専門店「えほんやさん」をオープン。代表もつとめている。 http://www.tenkiame.com/
1978年、福岡県生まれ。熊本大学教育学部卒業。水彩を使用した透明感のある画風が特徴。絵本に『あめふりさんぽ』『さんさんさんぽ』『ゆきみちさんぽ』『はるかぜさんぽ』『ねんねのうた』『クリスマスのおとしもの』、『いちねんせいの1年間 わたし、もうすぐ2ねんせい!』(文・くすのきしげのり)『せんそうしない』『ありがとう』(ともに文・谷川俊太郎)『はこちゃん』(文・かんのゆうこ 以上すべて講談社)、『おたんじょうケーキをつくりましょ』(教育画劇)、『なきごえバス』(白泉社)、『いろいろおてがみ』(小学館)、『しいちゃんおひめさまになる』(アリス館)、『あのね あのね』(あかね書房)、『あなたのことが だいすき』(原案・西原理恵子 KADOKAWA)など、装画と挿絵に『あかりさん、どこへ行くの?』(フレーベル館)、『さくら 原発被災地にのこされた犬たち』(金の星社)などがある。雑誌や教科書などの挿絵も多く手がけている。2018年、子育てママパパの居場所にと、静岡県三島市に絵本専門店「えほんやさん」をオープン。代表もつとめている。 http://www.tenkiame.com/