「えほんやさん」がオープンして半年になります。
3月は確定申告があり、店長である妹と試行錯誤しながらなんとか提出でき、ホッとした矢先に体調をくずして数日寝込むという事態に……。
3月は閑散期
なんといっても、お店の前を歩いている人が少ない!(寒いから)
今年の3月は珍しく雨も多く、そんな日は、祝日や土日でも通りから人がいなくなります。
でも、「絵本セラピー」や「よみきかせ・はじめのいっぽ」など小さな講座を開いた日には、少しですが売上がよいようです。
それでも、絵本が1冊も売れなかった日は1日も無く、誰かしらが「えほんやさん」に立ち寄ってくださって、絵本を選んでくれているというのは、嬉しいことだなぁと思います。
文化的なものって、衣食住に比べたら必要ないと思われがちで、一番最初に節約されてしまうものなのに、私たちが「最悪、1冊も売れない日もあるかもね」と覚悟していた事態がまだ起きていないって、本当にすごいことだし、希望の光だな……と(ちょっと大げさかもですが)思うのです。
お店での不思議な体験
棚を整理しているときに、しばらく売れていない本に願いを込めると売れることが多いそう。
仕入れてから、3ヶ月間くらい誰にも買われていない絵本を手にとって、妹と「この本出てないねー。いい本なのになー。」と話して棚に戻すと、翌日に2冊売れた(同じ日に2冊って、うちのお店では珍しいのです!)という体験は、1度や2度ではありません。
ある絵本の話をしていたら、偶然その作者さんが遊びにきたり、本の神様がいて不思議な現象を起こしてくれているのかなぁと考えると、なんだかワクワクします。
本によって相性の良い置き場所があるのかなと思うこともあります。『いちごだんめん図鑑』(小学館)や『ねこのおてて』(パイ インターナショナル)などの、手のひらサイズの小さな絵本は、レターセットなどの近くに一緒に置くと、雑貨と一緒にご購入されている方が多いです。
『こんにちはおてがみです』(福音館書店)という、ページにおてがみ入りの封筒が付いている絵本は、開きやすい場所においているほうがよく売れています。
はじめてPOPのようなものを
「大切な人に贈りたい1冊」と題して、絵本作家や絵本に関わる方に紹介文を書いていただき、絵本と一緒に飾るというものです。
お隣のお店の宮西達也さんや、絵本作家仲間の高橋和枝さん、きたがわめぐみさん、絵本コーディネーターの東條知美さんなどにご協力いただき、全部で9名による贈りたい絵本とPOPを並べました。
それまで「えほんやさん」では全く注目されていなかった絵本たちが、手にとってもらえたり売れたりして、POPのチカラを目の当たりにしたのでした。
第5回でPOPについて、「絵本の表紙には力があるので、それに引き寄せられて手にとる出会いを大切にしてほしい」だから、付けないと書いたばかりですが、少しずつ付けていこうかな……と考えが変わってきています(笑)。
4月は三嶋大社の桜がとっても綺麗です。ぜひお花見がてらお参りをして、「えほんやさん」にも遊びにきてくださいね。
えがしら みちこ
1978年、福岡県生まれ。熊本大学教育学部卒業。水彩を使用した透明感のある画風が特徴。絵本に『あめふりさんぽ』『さんさんさんぽ』『ゆきみちさんぽ』『はるかぜさんぽ』『ねんねのうた』『クリスマスのおとしもの』、『いちねんせいの1年間 わたし、もうすぐ2ねんせい!』(文・くすのきしげのり)『せんそうしない』『ありがとう』(ともに文・谷川俊太郎)『はこちゃん』(文・かんのゆうこ 以上すべて講談社)、『おたんじょうケーキをつくりましょ』(教育画劇)、『なきごえバス』(白泉社)、『いろいろおてがみ』(小学館)、『しいちゃんおひめさまになる』(アリス館)、『あのね あのね』(あかね書房)、『あなたのことが だいすき』(原案・西原理恵子 KADOKAWA)など、装画と挿絵に『あかりさん、どこへ行くの?』(フレーベル館)、『さくら 原発被災地にのこされた犬たち』(金の星社)などがある。雑誌や教科書などの挿絵も多く手がけている。2018年、子育てママパパの居場所にと、静岡県三島市に絵本専門店「えほんやさん」をオープン。代表もつとめている。 http://www.tenkiame.com/
1978年、福岡県生まれ。熊本大学教育学部卒業。水彩を使用した透明感のある画風が特徴。絵本に『あめふりさんぽ』『さんさんさんぽ』『ゆきみちさんぽ』『はるかぜさんぽ』『ねんねのうた』『クリスマスのおとしもの』、『いちねんせいの1年間 わたし、もうすぐ2ねんせい!』(文・くすのきしげのり)『せんそうしない』『ありがとう』(ともに文・谷川俊太郎)『はこちゃん』(文・かんのゆうこ 以上すべて講談社)、『おたんじょうケーキをつくりましょ』(教育画劇)、『なきごえバス』(白泉社)、『いろいろおてがみ』(小学館)、『しいちゃんおひめさまになる』(アリス館)、『あのね あのね』(あかね書房)、『あなたのことが だいすき』(原案・西原理恵子 KADOKAWA)など、装画と挿絵に『あかりさん、どこへ行くの?』(フレーベル館)、『さくら 原発被災地にのこされた犬たち』(金の星社)などがある。雑誌や教科書などの挿絵も多く手がけている。2018年、子育てママパパの居場所にと、静岡県三島市に絵本専門店「えほんやさん」をオープン。代表もつとめている。 http://www.tenkiame.com/