

その「手ぬぐい」に注目してみました。
究極のエコ社会・江戸からつづく「手ぬぐい」の魅力って?

使わないのはもったいない! 手ぬぐいの魅力とは
たしかに、ハンカチより大きいけれど、薄くてかさばらないので、1枚バッグにいれておけば、何かと活躍してくれそう。
「手ぬぐいは、洗うごとに生地が柔らかみを増していきます。そして、少しずつ洗い晒されていくのが、また味わいとなるんです。そうやって、暮らしのなかで使い込まれていくうちに愛着がわいてきて、持ち主の相棒となっていくんです」(佐藤さん)
ただの「モノ」というよりは、相棒になってくれる1枚。それって、物を大切に大切に使ってきた昔の人々のような心持ちに近づけるってことかも。

暑い季節おすすめの使い方あれこれ
「暑い季節におすすめの使い方としては、細く折りたたんでヘアバンドにしてヘアスタイルをすっきりさせたり、冷却剤を巻き込んでバンダナとして首に巻いてみたり。また、ペットボトルをてぬぐいで包めばバッグの中に入れたときにも水滴が付きません」(佐藤さん)
かわいい色柄の手ぬぐいを手に入れたら、ファッションアイテムとしても取り入れられそう! 無限の可能性を感じられます。
「また、水分を吸収しても、短時間で乾いてくれるのが、手ぬぐいのいいところなんです」(佐藤さん)
洗濯の生乾きが気になる時期なども、タオルより短時間で乾いてくれるのはありがたいですね。
愛着の湧いた手ぬぐいだからこそ、とことん使いきる!
たしかに、江戸時代のように、最後に燃やして灰にして、またその灰を……とまでは真似できないとしても、しっかり使い倒してあげることが、モノへの愛情なのかもしれません。
愛される伝統柄「まめしぼり」のルーツは、手間暇かけたすごい技!

その染め方は、生地を蛇腹に折って、糸を通し、さらに板で締めたところを藍で染める、という、大変に手間がかかった作業だといいます。
「かまわぬでは、気軽に手に取ってもらえるようにと、型紙を使って注染という染め方をしたものを多く取り扱っています」(佐藤さん)
注染という技法は明治時代に生まれたもので、裏も表も同じ柄に染まるのが特徴。一気に12枚分染められるとはいえ、型を使って職人さんが染めていく、手仕事の賜物。


「まめしぼり」の手ぬぐいが主人公となるこの絵本を読んだ佐藤さんは、「ついに、手ぬぐいが絵本の主人公になる時代が来たのだなと感じ、大変感激いたしました! ねこきちが、手ぬぐいを大切に使う様子がよく伝わり、また、手ぬぐいが手ぬぐいとしての役割を終えたあとも、別の形で新たな命を吹き込まれるという考え方に、心が温かくなりました。日本人が大切にしてきた『ものを大切に扱う心』が感じられ、ファスト消費の現代だからこそ、ぜひ手に取りたくなる一冊だと思います」と感想を寄せてくださいました。
子どもたちにこそ伝えたい、江戸の循環型社会。手ぬぐいは、それを手軽に知るきっかけにもなってくれそうです。
*今回取材させていただいたお店*
かまわぬ代官山店
手ぬぐいは常時250種類以上を取り揃えており、季節ごとに新作が登場。スヌーピーやミッフィー、レオ・レオニの絵本キャラクターなども人気です。広報・佐藤さんのおすすめは、浮世絵をモチーフにしたもの。浮世絵に描かれた着物の柄からインスパイアされた新作は、いま注目の「江戸」をさりげなく取り入れるのにぴったり。手ぬぐい以外にも、シャツやエプロン、のれんや小物類など、生活にすぐに取り入れたいものがたくさん揃っています。
〒150‐0033
東京都渋谷区猿楽町23‐1
火曜定休
月~土・祝 11:00~19:00
日のみ 11:00~18:00
オンラインストア
https://kamawanu-store.jp/![]()
てぬぐいが主人公⁉︎ 画期的な絵本『ねこきちのてぬぐい』

物を大切にする心や、昔は当たり前にしていたことへの気づきが生まれる絵本。
作/かとうまふみ 講談社刊
※読み聞かせは4歳から、ひとり読みは6歳から
かとう まふみ
1971年、福井県生まれ、北海道育ち。北海道教育大学卒業。ディスプレイデザインの仕事を経て、絵本作家に。絵本に『まんまるいけのおつきみ』『おならおばけ』『狂言えほん かずもう』(文・もとしたいづみ)『ねこきちのてぬぐい』(講談社)、『ぎょうざのひ』(偕成社)、『のりののりこさん』『けしゴムの ゴムタとゴムゾー』(BL出版)、『ひょろのっぽくん』(農山漁村文化協会)、『しゃもじいさん』『ぬかどこすけ!』『みそこちゃん』(あかね書房)、「どろろんびょういん」シリーズ(作・苅田澄子 金の星社)、『まあちゃんとりすのふゆじたく』(アリス館)、『かたつむりくん』(風濤社)、『おもちのかみさま』『よつばのおはなし』(佼成出版社)、『おとうさんのこわいはなし』(岩崎書店)、『セイロウさん』(WAVE出版)など、装画・挿絵に『にゃんともクラブ』(作・竹下文子 小峰書店)などがある。
1971年、福井県生まれ、北海道育ち。北海道教育大学卒業。ディスプレイデザインの仕事を経て、絵本作家に。絵本に『まんまるいけのおつきみ』『おならおばけ』『狂言えほん かずもう』(文・もとしたいづみ)『ねこきちのてぬぐい』(講談社)、『ぎょうざのひ』(偕成社)、『のりののりこさん』『けしゴムの ゴムタとゴムゾー』(BL出版)、『ひょろのっぽくん』(農山漁村文化協会)、『しゃもじいさん』『ぬかどこすけ!』『みそこちゃん』(あかね書房)、「どろろんびょういん」シリーズ(作・苅田澄子 金の星社)、『まあちゃんとりすのふゆじたく』(アリス館)、『かたつむりくん』(風濤社)、『おもちのかみさま』『よつばのおはなし』(佼成出版社)、『おとうさんのこわいはなし』(岩崎書店)、『セイロウさん』(WAVE出版)など、装画・挿絵に『にゃんともクラブ』(作・竹下文子 小峰書店)などがある。