![【全ページ試し読み】森永卓郎さん 本当は怖い『絵本でわかる経済のお話』](https://d34gglw95p9zsk.cloudfront.net/articles/images/000/031/469/large/ea190233-73fd-4700-97ce-b9e513f51fa4.jpg?1735278247)
主人公は、おきさきさまや、自分が食べようとしている魚にまでぺこぺこしている王さま。
なんにでもぺこぺこしている王さまは、隣の国が攻め込んできても、ちっともあわてません。
いつものようにぺこぺこと戦い、だれひとり怪我をすることなく、戦争は終わるのです。
これには、いばりんぼのおきさきさまも、「あなたって すてき、ふんだ」というのです。
もしいま、こんな王さまがいたら……「王さまってすてき、ふんだ!」と言いたくなりますよね。
たくさんの人に、いま、読んでもらいたいお話です。
『100万回生きたねこ』の佐野洋子が描くユーモアあふれる“平和”のお話
作・絵 佐野洋子
むかしむかし あるところに、おうさまがいた。
そのおうさまは、ちっとも いばらなかった。
まいにちおきると、おきさきさまに ぺこぺこ、
けらいに ぺこぺこ、
にわのくじゃくにも ぺこぺこ。
ちっともいばらない王さまは、
となりの国がせめてきても、いつものように、ぺこぺこ戦います。
兵隊は、ぺこりぺこりと頭をさげて、ぺこんと地面にはいつくばる。
お城もぺこりとおじぎをするので、敵の大砲もあたらない。
ひとりのけが人も出ないうちに、大砲のたまがなくなってしまいました。
ちっともいばらない王様は、「ごくろうさんでした。おつかれでしたね」といって、
せめこんできたとなりの国の王さまを食事にさそいます──
おとうさんが子どもに語る、ユーモアあふれる平和な王さまのお話です。
©︎JIROCHO, Inc.
*本書は1993年に文化出版局から発売になった同名の絵本の復刻版です。原画をあらたにスキャンをしなおし、色あざやかな一冊になりました。
佐野 洋子
1938年6月28日中国・北京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業。 主な作品に『100万回生きたねこ』(講談社)、『おじさんのかさ』『おばけサーカス』(講談社・サンケイ児童出版文化賞推薦)、『すーちゃんとねこ』(こぐま社)、『わたしのぼうし』(ポプラ社・講談社出版文化賞絵本賞)、『だってだっての おばあさん』(フレーベル館)、『ねえ とうさん』(小学館・日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)などの絵本や、童話『わたしが妹だったとき』(偕成社・新美南吉児童文学賞)、さらに『神も仏もありませぬ』(筑摩書房・小林秀雄賞)、『役にたたない日々』(朝日新聞出版)、『シズコさん』(新潮社)、『死ぬ気まんまん』(光文社)、『佐野洋子対談集 人生のきほん』(西原理恵子/リリー・フランキー 講談社) などのエッセイ、対談集も多数。 2003年紫綬褒章受章、2008年巌谷小波文芸賞受賞。2010年11月5日72歳で逝去。 ©︎ JIROCHO, Inc.
1938年6月28日中国・北京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業。 主な作品に『100万回生きたねこ』(講談社)、『おじさんのかさ』『おばけサーカス』(講談社・サンケイ児童出版文化賞推薦)、『すーちゃんとねこ』(こぐま社)、『わたしのぼうし』(ポプラ社・講談社出版文化賞絵本賞)、『だってだっての おばあさん』(フレーベル館)、『ねえ とうさん』(小学館・日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)などの絵本や、童話『わたしが妹だったとき』(偕成社・新美南吉児童文学賞)、さらに『神も仏もありませぬ』(筑摩書房・小林秀雄賞)、『役にたたない日々』(朝日新聞出版)、『シズコさん』(新潮社)、『死ぬ気まんまん』(光文社)、『佐野洋子対談集 人生のきほん』(西原理恵子/リリー・フランキー 講談社) などのエッセイ、対談集も多数。 2003年紫綬褒章受章、2008年巌谷小波文芸賞受賞。2010年11月5日72歳で逝去。 ©︎ JIROCHO, Inc.