どんな子にも備わる「強く楽しく生きていく力」を信じよう

<石原ジイジの結論>
最初の相談に出てきた「小1の壁」という言葉は、働くパパママが直面する仕事を続けるための困難という意味で使われることが多い。

ただ、この相談のように子ども自身が直面する「壁」の意味で使われることもある。そして我が子が小学校に入学する親も、働くパパママに限らず、心配が増えたりといった新たな「壁」にぶつかってしまう。

娘の子ども時代を振り返ってみると、具体的なことは忘れてしまったが、保育園の頃も小学校に入ったときも中学校に入ったときも、その時々ごとに「あの頃は肩に力が入っていたなあ」と反省していたものじゃ。

ささいなことを激しく心配したり、どうでもいいことを「これだけは伝えなければ」と強く決意したり……。

きっと自分だけではないと思うが、渦中にいるときは肩に力が入り過ぎていることには気がつかない。親世代や先輩パパに「大丈夫だよ」と言われても、ほぼ聞き流していた。

今、娘が孫と接している様子を見て、「もっとこうしたほうがいいんじゃないかな」などと思うことはあるが、たぶん言っても無駄である。それより何より、30代になった娘や3歳の孫を見ている今の自分も、今の自分なりに肩に力が入り過ぎているに違いない。

我が子が小学生になったばかりのパパママは、さぞ落ち着かない毎日を送っていることじゃろう。紹介した3つの例に限らず、不安を訴える相談に対する回答に共通するのは、この2つのアドバイスである。

その1「心配し過ぎるのはよくない。親が不安になればなるほど子どもも不安になる」

その2「子どもを信じよう。どの子どもにも強く楽しく生きていく力が備わっている」

その1とその2は、裏表のようでいて結局は同じことかもしれん。忘れがちだが、全力で「子どもを信じること」は、親の大切な務めである。

短所を把握してどうフォローできるかを考えるのと、短所にばかり目を向けて嘆くのとは大違いじゃ。もちろん、手放しで「我が子はすごい」と思い込むのは、子どもにとっていい迷惑である。

それこそ、新1年生の今はナイーブな時期だけに、アドバイスめいたことに対しては「いや、そうは言っても」と返したくなるかもしれん。すぐにはピンと来なくても、専門家はこう言っていたと頭の片隅に置いておけば、不安が大きくふくらんだときに、はね返したりけ散らしたりする助けになるに違いない。

肩に力が入ってしまうのは仕方ないが、「自分は今、肩に力が入っている」という自覚は持ったほうがよさそうじゃ。折に触れて気持ちのストレッチをして肩をほぐそう。

【石原ジイジ日記】
ある日「F菜、ジイジになりたい」と言い出した。気持ちは嬉しいが、それは難しい。「バアバはどう?」と提案したところ、バアバに「F菜、バアバになる」と高らかに宣言。「まずはおねえさんだね」と言われて、「そうなの」と納得していた。これからの長い人生、それぞれの時期を楽しく過ごしてほしい。

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いしはら そういちろう

石原 壮一郎

コラムニスト&人生相談本コレクター。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、数多く...

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