2021.09.01

アリ探究家・島田拓さんに教わる「都会の公園でアリを子どもと楽しむ方法」

「公園が100倍楽しくなる“アリ道”入門」#2〜アリの観察編〜

寄稿家:島田拓

南米ペルーでアリの撮影をする島田さん。  写真提供:島田拓

日本でただ一人「アリ探求家」を名乗る島田拓さんは、アリの通販専門店「AntRoom(アントルーム)」の運営やアリの写真集の作成、アリの飼育キットの販売など、さまざまな活動を通じてアリの魅力を発信しています。

2021年6月に放送された人気ドキュメンタリー番組『情熱大陸』(MBS)では、島田さんが公園で地面にうつ伏せになってアリを観察する場面や、虫好きな子どもたちが島田さんに憧れの眼差しを向ける様子が紹介されました。

ほぼ毎日公園でアリ探しをするという島田さんに、アリの見つけ方や観察のコツを教えてもらいました。いつもの公園がひと味違った遊び場に変身しますよ。

アリ探しは「木」と「日陰」がポイント

アリとひとくくりにしても、その種類はさまざまです。

「日本にいるアリの種類は約300種、都内だけでも約40種類います。一見すると自然があまりないような都会の公園でも、探せば10種類くらいは見つかりますよ」

たくさんのアリを観察したいと思ったら、どんな公園に行けばいいのでしょうか。

「アリは地面だけでなく、木の上の方や幹にも巣をつくります。なので、木のある公園がいいですね。あとは、雑木林のように木がたくさん生えていて日陰がある公園に行くと、観察できるアリの種類はぐっと増えます。

このような場所には、茶色か赤茶色で体長が1.5mmから2mm程度の小さなアリが多くいます。落ち葉が積もっている場所を発見したら、地面をよく見ながら落ち葉を少しずつめくることがポイントです」

島田さんは子どもたちを集めてアリの観察会を開催することもあり、「子どもはアリを見つけるのが本当にうまい」といいます。

「観察会をするときには、最初に街中にいるアリの種類を紹介してから公園に行きます。『こんなアリがいる』と知ったうえで探すと、いろいろな種類のアリを見つけられるようになります。子どもは夢中になって探し続けるので、どんどんアリを見つけてきます。

アリや虫との触れ合いを通じて、子どもたちには身近にある自然にも興味を持ってもらい、大事にしてほしいとつねに感じています」

観察に適した時間帯はあるのでしょうか。

「アリは24時間活動しているのですが、とくに夏は暑すぎると巣に帰ってしまいます。夏は朝や夕方ごろなど、人間が過ごしやすい気候かどうかを目安にするといいと思います」

赤褐色のむねが特徴的なトゲアリの働きアリ。木の“うろ(木が腐ってできた穴)”に巣を作るそうです。  写真提供:島田拓

アリについて楽しそうに話す島田さん。聞いているうちに、アリへの興味がむくむくとわいてきます。  ZOOM取材にて

服装は長袖 プラケースとベビーパウダーを持参

公園には蚊やダニも多いので、長袖・長ズボンなどの肌の露出が少ない服装が安全です。観察の際には、次のことに注意する必要があると島田さんは語ります。

「アリを捕まえる時は、指でつまむと潰れてしまうので、数匹程度であれば、手ですくうようにして容器に入れるといいですよ。

ただ、なかにはオオハリアリといって毒針で刺す種類のアリもいます。巣を掘っても逃げてしまいますし、自ら攻撃してくるような危険なアリではありませんが、念のために軍手をして素手でさわらないようにしましょう。スコップで土ごとすくってもいいですね」

アリを観察するときには、100円ショップやドラッグストアで手に入る意外なグッズが役に立つといいます。

「浅めのプラスチックケースがあると、アリをじっくり観察できますよ。そのままだとプラスチックの壁面をアリが登って逃げてしまうので、あらかじめ壁面にベビーパウダーを塗っておくと、アリが滑って登れなくなります」

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