アリ探究家・島田拓さんに教わる「都会の公園でアリを子どもと楽しむ方法」

「公園が100倍楽しくなる“アリ道”入門」#2〜アリの観察編〜

アリの観察する際にあると便利なプラスチックケース。壁面に指でベビーパウダーをぬると、静電気でくっつくそうです。  ZOOM取材にて

観察がますます楽しくなる「アリQ&A」

アリの観察をさらに楽しむためのコツを島田さんに教えてもらいました。

Q1:どのアリが何の種類なのか区別がつきません。見分けるポイントを知りたいです。

A1:アリの色や大きさ、形は種類によってまったく異なりますが、口で説明してもなかなか理解しづらいですよね。まずは、公園に行く前に写真集や図鑑などで種類ごとの特徴をチェックすることをおすすめします。公園に行ったら、色や形を意識してよく見ると、違いが分かるようになりますよ。

Q2:アリの大行列を見かけることがあります。アリたちは何をしているの? 

A2:「サムライアリ」というアリが、「クロヤマアリ」の巣に入って幼虫や卵をぬすんで巣に持ち帰る「奴隷狩り」をしていることが多いです。卵や幼虫をくわえて歩いているので引っ越しだと思う人もいますが、実際には誘拐をしています。

このほか、「巣からたくさんのアリが出てくる」場面も奴隷狩りであることが多いです。このように、アリの種類ごとの習性も知ると、より観察がおもしろくなりますよ。

「奴隷狩り」をするというサムライアリ。クロヤマアリよりも少し大きめで、黒味も強いなどの特徴があります。  写真提供:島田拓

Q3:デジカメでなくてもアリを上手に撮影できる? スマホでアリの写真を撮るときのコツを教えて。

A3:最近のスマホは性能がいいので、結構きれいに撮れますよ。僕もブログに載せるアリの動画をスマホで撮影しています。ポイントは、ピントを固定すること。僕が使っているiPhoneは画面を長押しするとピントが固定される仕様になっています。

なかには、クリップでスマホに固定するタイプの拡大レンズを使用して、アリを撮影する人もいます。そういうグッズを活用するのもいいかもしれませんね。

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取材・文/畑菜穂子


※島田拓さんインタビューは全3回。
次は21年9月4日公開予定です(公開日時までリンク無効)。
#3はアリを家庭で飼育するコツについて、伺います。

アリの暮らしや飼い方などを写真付きで解説した『ぜんぶわかる!アリ』(島田拓/ポプラ社)
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しまだ たく

島田 拓

アリ探求家

アリ探求家。アリ専門店「AntRoom」代表。1981年、東京生まれ。2001年にアリ通販専門「AntRoom」を開業。著書に『ぜんぶわかる!アリ』、『アリとくらすむし』(ポプラ社)、共著に『アリのくらしに大接近』、『アリの巣のお客さん』(あかね書房)、『アリのかぞく』(福音館書店)など。 アリ専門店「AntRoom」 ブログ「ありんこ日記」

アリ探求家。アリ専門店「AntRoom」代表。1981年、東京生まれ。2001年にアリ通販専門「AntRoom」を開業。著書に『ぜんぶわかる!アリ』、『アリとくらすむし』(ポプラ社)、共著に『アリのくらしに大接近』、『アリの巣のお客さん』(あかね書房)、『アリのかぞく』(福音館書店)など。 アリ専門店「AntRoom」 ブログ「ありんこ日記」