47年前のクレヨンから生まれた絵本! 新人賞受賞作家の画材レポート

第42回 講談社絵本新人賞受賞・伊佐久美の『タコとだいこん』制作日記第4回

第4回 むかしのクレヨン

新人絵本作家の登竜門として知られる「講談社絵本新人賞」。
1979年に創設され、歴代受賞者には、かがくいひろし氏、シゲタサヤカ氏(佳作)、石川基子氏など、絵本界の綺羅星のような才能を輩出しています。新人賞受賞作品は、単行本として刊行されるため、絵本作家デビューを目指す多くの人が、こぞって応募します(21年度は579作品が集まりました)。

第42回講談社絵本新人賞を受賞した伊佐久美氏。受賞からデビューまでの裏側を、受賞者自身に「制作日記」形式でルポしてもらいました。創作の裏側が覗ける貴重な同時進行ドキュメントをお届けします。
こんにちは。皆さんお元気でお過ごしでしょうか?

今回は、画材についてのお話です。

お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、前回の制作日記に載せたクレヨンは(本当はオイルパステルというみたいです)現在、全然違うパッケージになっています。

私の持っている画材のなかでは新人さんなのですが、数えてみたら三十二年前に買ったものでした。

さらに二年前、絵本新人賞に応募するときに使ったクレヨンは、もっともっと前、幼稚園時代に買ってもらったものです。

いったい何年前だろう? 四十七年前? ひゃー!

でもちゃんと描けたのです。
もう使うことはないだろうと思いながらも、不思議と捨てずに持っていたクレヨンを使うことができて、とても嬉しかった覚えがあります。
右上の赤いクレヨンは最近買った新人さんです
昔のクレヨンでゴシゴシ塗るのは楽しい作業でした。赤はタコ塗りであっという間になくなってしまったので、新しいものを買い足しましたが、他の色はまだまだ現役! と思っていました。

ところがついこの前、描きなおし作業で昔のクレヨンを使ってみたら、妙にベタベタして塗りにくいのです。二年前と違う感じです。

仕方なく新しいクレヨンを買ってきて使ってみると、するするサラサラ塗りやすい! 劣化してベタベタしたのか、それとも昔のクレヨンとはそういうものだったのか、よくわかりませんが、描きなおしには新しいクレヨンを使うことにしました。

アクリル絵の具も予備校時代に買ったものを使っています。古くなってもまだまだ使えるものがいっぱいあるのです。
昔はアルミチューブだったのですよ~
しかし、紙はいけませんでした。三十年位前のケント紙を発見して水張りしてみたのですが、水がしみこみすぎてビロビロになり、パネルに張ろうと手で撫でるだけで、ボロボロ削れてしまうのでした。

ラフスケッチを描く色鉛筆も、小学校の頃から使っているものと二十歳の時にもらったものを使っています。色鉛筆は芯の表面をうっすらと覆っている蝋みたいなものを削るとまた描けるようになるのです。

そこで活躍するのが鉛筆削りです。これは去年買ったばかり。鉛筆ってカッターナイフで削らないといけないと思いこんでいましたが、これを買ったら便利便利。ちょうどよい芯の長さに削れます。
とてもかわいい鉛筆削り♪
少し買い足したりはしましたが『タコとだいこん』を描いたおかげで、ずっととっておいた昔の画材を使うことができて、とても満足なのでした。

ではまた来月お会いしましょう♪
いさ くみ

伊佐 久美

絵本作家

1970年生まれ、東京都在住。東京造形大学デザイン学科卒業。製版会社、デザイン事務所勤務を経て、2002年よりぬいぐるみ、雑貨等の制作・販売をするネットショップの運営をしている。2021年、第42回講談社絵本新人賞受賞。

1970年生まれ、東京都在住。東京造形大学デザイン学科卒業。製版会社、デザイン事務所勤務を経て、2002年よりぬいぐるみ、雑貨等の制作・販売をするネットショップの運営をしている。2021年、第42回講談社絵本新人賞受賞。