2021.06.18

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シオリーヌ 性教育は「家族ごとのベストを見つけるのが正解」

性教育YouTuberシオリーヌさん「親から幼児へ 性とジェンダーの伝え方」第3回〜幼児のジェンダー教育について〜

視聴者や保護者の声に寄り添いながら活動してきたシオリーヌさん。新刊『こどもジェンダー』にもその思いが反映されています
ZOOM取材にて

助産師としての立場から、性の話を発信している“性教育YouTuber”のシオリーヌさん。妊娠の仕組みや正しい避妊方法などの具体的な情報をわかりやすく解説している動画が若者を中心に人気を集め、チャンネル登録数は14.8万人(2021年6月現在)。2021年4月には、ジェンダーやセクシュアリティについて学べる絵本『こどもジェンダー』を上梓しました。
絵本を通じて“自分らしさ”を大切にすることを伝えるシオリーヌさんに、幼児期のジェンダー教育について教えていただきました。

ジェンダーやセクシュアリティの学びは早ければ早いほどいい

これまで中高生などの若い世代を対象に性教育の発信をしてきたシオリーヌさん。新刊の『こどもジェンダー』では、ジェンダーやセクシュアリティにとらわれずに「自分らしさを大切にすること」を伝えています。幼児向けの絵本を出版した背景について、シオリーヌさんは「ジェンダーやセクシュアリティについて学ぶタイミングは、早ければ早いほどいい」と言います。

「ジェンダーやセクシュアリティに関する“こうあるべき”という固定観念は、この社会で育ってきてある程度の年齢になってくると、どうしても身に付いてしまいます。凝り固まった価値観が備わってしまう前に、一人ひとりが自分らしく生きられるようになってほしいという思いがありました」

未就学児のいる家庭から、「子どもがどこからかジェンダーステレオタイプを覚えてきてしまう」と戸惑う声が多く寄せられていたことも出版にった理由のひとつだったそうです。

「家では“男の子だから”“女の子らしく”と性別でカテゴライズしないように気をつけているのに、どこかでステレオタイプな価値観を学んできてしまうみたいです。突然『男だから泣かない!』と言うようになってしまうらしく、困っている声をよく聞きます。

何かツールを使って親子でジェンダーやセクシュアリティについて一緒に考えるきっかけを作れたらいいと思っていて。ちょうどそのタイミングで、出版社から『幼児向けの本を作りませんか?』とお声がけいただきました」

子どもに語りかけるようなやさしい言葉づかいと、カラフルでかわいらしいイラスト。内容がスッと入りやすいため、より自分ごととして考えられそうな作りになっています。

「制作過程では、“決めつけない”表現を心がけました。たとえば、Q&A形式のアンサーでも、『こう考えてみたらどうかな?』と提案ベースで伝える。私たちにできるのは選択肢を提示することであり、最後に決めるのは子ども自身ということを大切にしました」

終始にこやかに話してくださるシオリーヌさんに、つられてこちらまで笑顔になってしまいました
ZOOM取材にて

親も自身を見つめ直し 価値観観のアップデートを

大人が無意識でしている言動が、子どもの口を塞いでしまう可能性もあります。子どもにジェンダー教育をする前に、親の価値観をアップデートしておくことも大切です。

「保護者の言動を子どもはしっかり感じ取っています。たとえば、LGBTQに関する報道がされているとき親が理解のない発言をしているのを聞いてしまったら、お子さんが当事者だった場合に『この親には言えない』と思ってしまうはず。普段から話しやすい雰囲気を出しておくとお子さんも相談しやすくなります」

無意識に染み付いてしまったジェンダーステレオタイプを見直すには、どうしたらいいのでしょうか。そのヒントは、『こどもジェンダー』にありました。

「『こどもジェンダー』は幼児向けの本と言っていますが、私の個人的な思いとしては、読み聞かせる大人の心にも訴えかける狙いがあります。

読んでいると、それぞれ引っかかるトピックスがあると思います。たとえば、男の子がスカートを履くことに抵抗感を抱いてしまったら、きっとご自身のなかに引っかかる何かがあるはずです。それは、過去に自分が言われた言葉かもしれないし、自分のなかに染み付いている記憶かもしれない。自分の気持ちをじっくり見つめていくなかで、少しずつ価値観がアップデートされていくのではないでしょうか」

家事・育児分担においては、「本人同士が納得していることが大切」とシオリーヌさん。

「家事の場合は、それぞれ得意不得意があります。『掃除はどちらも苦手だから、お掃除ロボットを導入しよう』のように効率良く回せる方法を考えたり、どちらかの負担が大きくなり過ぎていないかを話し合ったりすることが重要。ジェンダーロールだけにとらわれず、その家庭にとってのベストにたどり着く方法を見つけてほしいです」

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