2022.07.03

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子どもにクルミアレルギー急増! NG食材は食べてはいけないの? 専門医に聞く

アレルギー専門医・岡本光宏先生「子どもの食物アレルギー最新事情」#3〜アレルギーのある食材との向き合い方〜

兵庫県立丹波医療センター小児科医長・アレルギー専門医:岡本 光宏

NG食材との向き合い方がわかると、パパママの不安も軽減します。  写真:アフロ

2022年6月、消費者庁は食物アレルギーの食品表示に「クルミ」を義務づけると発表。今年度中の改正を目指しています。

食物アレルギーを引き起こしやすい食材にはどのようなものがあるでしょうか。

また、子どもが食物アレルギーだと診断されたら、どうすればよいのでしょう。アレルギーがある食材は、まったく食べてはいけないのでしょうか。

アレルギー食材との向き合い方を、兵庫県立丹波医療センター・小児科医長でアレルギー専門医の岡本光宏医師に伺いました。

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3大アレルギー食材の次に急増している木の実類

食物アレルギーを引き起こす3大食材は、多い順に鶏卵、牛乳、小麦です。消費者庁の2011年調査によると、鶏卵39%、牛乳21.8%、小麦11.7%で、3大食材が占める割合は72.5%。

次いで、ピーナッツ、果物、魚卵、甲殻類、木の実類(ナッツ類)、そば、魚類、その他と続いていました。

ですが、2018年の調査では、3大食材(鶏卵、牛乳、小麦)の占める割合は68.3%とやや低めになりました。その分、急増したアレルギー食材が木の実類(ナッツ類)です。

2011年調査では木の実類(ナッツ類)が2.3%でしたが、2018年になると8.3%と約3.5倍に急増。順位で見ても小麦の次になり、8位から4位と急上昇しています。木の実類(ナッツ類)の中には、先日、食品表示が義務表示化がニュースになった「クルミ」も含まれます。

岡本先生も、近年、その変化を肌身で感じてきたといいます。

「近年増えているアレルギー食材のナッツ類を具体的に指すと、クルミ、カシューナッツ、アーモンドなどです。

勘違いされる方もおられますが、スーパーやコンビニなどで売られている「ミックスナッツ」に入っていることも多いピーナッツは「豆類」にあたるため、『木の実類(ナッツ類)』には含まれません。

ナッツ類の内訳を詳しく見てみると、クルミが62.9%ともっとも多く、カシューナッツが20.6 %、アーモンドが5.3%です。私自身の小児アレルギー外来でも、最近はクルミやカシューナッツの方が増えているのを実感します」(岡本先生)

食物アレルギーのある人が誤ってその食材を摂取することを避けるために、日本では加工食品に鶏卵や牛乳、小麦、ピーナッツ、えび、かに、そばが使われている場合、該当する食材の表示が義務付けられています。

近年のクルミアレルギーの増加に伴い、消費者庁はクルミの食品表示を現在の「推奨」から「義務化」に変更する手続きを早急に進めたのです。

2011年の調査で判明したアレルギーの原因となった食材。  出典:消費者庁「平成23年 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」

2018年の調査で判明したアレルギーの原因となった食材。2011年と比較すると、木の実類(ナッツ類)が2.3%から8.3%へと増えている。  出典:消費者庁「平成30年 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」

ナッツ類アレルギーの急増は食の変化!?

日本でクルミを筆頭にナッツ類のアレルギーが増加している理由について、岡本先生は「まだ立証されているわけではない」と前置きした上で、次のように推測します。

「アレルギー専門医の間で共通している見解としてあるのが、『日本人の食生活の変化でナッツ類の摂取量が増え、ハウスダストにナッツ類の成分が含まれるようになったのではないか』ということです。

アレルギーは原因物質が皮膚に付着することで起こりやすくなるため、ハウスダストにクルミやカシューナッツの成分が含まれれば、その分アレルギーが起こる可能性も高まります」(岡本先生)

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