2021.04.01

「プランターひとつ」親子でベランダ家庭菜園 コマツナを無農薬で育てよう

親子でカンタン家庭菜園:第2回〔初級編:コマツナの種をまいてみよう〕

寄稿家:藤田智

テレビの園芸番組でもおなじみの恵泉女学園大学・藤田智先生。
撮影 深澤慎平

親子でできる、プランターひとつで失敗しないベランダ栽培。第2回は家庭菜園の入門・コマツナ編。葉野菜は失敗が少なく、家庭菜園初心者にピッタリ。コマツナは種まきをしてからおよそ30日で収穫できるため、子どもも飽きることなく栽培できます。今回も恵泉女学園大学・藤田智先生に教えてもらいました。

親子でコマツナの種まきをしよう

【用意するもの】
・プランター(幅65㎝×奥行20㎝×深さ20㎝ほどのもの)
・培養土(15ℓ入りを目安に)
・赤玉土(大粒)
・コマツナの種
・スコップ

そのほか、
・ジョウロ
・虫よけ網
・ひも
・ワイヤー
・洗濯ばさみ
・化成肥料(粒タイプ、または液体タイプでも)
も用意しておくと、コマツナがより元気に育ちます。

この小さな粒がコマツナの種。
撮影 深澤慎平

【コマツナの種のまき方】

①赤玉土(大粒)をプランターに入れる。底全体が埋まるぐらいでOK。(写真左)
②赤玉土の上に培養土を入れる。(写真右)
【ポイント】
赤玉土を底に入れると通気性がよく、水はけがよくなる。

③土に棒などを押し付け、種をまくための溝を上下2列作る。(写真左)
④③でつけた溝に種をまく。溝の中にパラパラとまけばOK。(写真右)
【ポイント】
「種まきは、”ばらまき”という、文字通り土の上にばらまく方法もありますが、これだと発芽後の間引き作業が大変に。お子さんと種まきをするなら、溝をつけた中に種まきをする”すじまき”がおすすめです」(藤田先生)

⑤種をまいたら、親指と人差し指でつまむように土をかぶせ、手のひらで軽く抑える。(写真左)
⑥下から水が流れ出るぐらい、ジョウロでたっぷりと水をやる。(写真右)

発芽したコマツナの芽。
撮影 深澤慎平

⑦種まきから3~4日ほどで発芽する。発芽の後は日当たりのいいところにプランターを移動させる。
【ポイント】
水やりは発芽するまでは毎日1回、発芽してからは表面の土が乾いたら、プランターの下から水が流れでるほどたっぷりとあげましょう。

種をまいたら「虫よけ網」をかぶせよう

コマツナは害虫防止が失敗しないポイントです。種まきをしたら、防虫対策をしっかりしましょう。

藤田「コマツナはアブラナ科ですが、アオムシはアブラナ科の野菜が大好物。コマツナには虫たちが寄ってきます。でもせっかくの家庭菜園なら無農薬で育てたいですよね。そんなときは防虫対策用の虫よけ網がおすすめです。種まきをしたらその流れですぐに虫よけ網をかぶせましょう」

【虫よけ網の付け方】

①種まきを終えたプランターの隅に3本ワイヤーをさし込む。

②ワイヤーの上から虫よけ網をかぶせる。(写真左)
③虫よけ網をワイヤーに合わせて折りたたみ、ワイヤーをはさむように洗濯ばさみでとめていく。(写真右)

④プランターをぐるりと囲むように虫よけ網の上からひもで縛る。(写真左)
⑤完成! 水やりは虫よけ網の上からできます。追肥や間引きなどは洗濯ばさみを外して行ってください。

芽をしっかり育てる「間引き」の大切さ

間引きは野菜を育てるうえで避けては通れないもの。

藤田「”せっかく芽が出たのに、間引きをするのはかわいそう”という子もいるかもしれません。そのときは”ひとつひとつの芽をしっかり育てるため”とお父さん、お母さんが説明してあげてください。間引かないと、ひょろひょろとした、か細いコマツナが育ちます。

間引いたコマツナは小さくてもきんと食べられますから捨てないでくださいね。サラダに添えたり、味噌汁に浮かせたりするのがおすすめです。ちなみに大根の種をまいて間引いたものが、カイワレダイコンです。こんな話をしながらお子さんとお世話をしてみてはいかがでしょうか」

【間引きの仕方】

双葉が開いたら、3~4㎝間隔にひとつの芽だけ残し、残りの芽はすべて間引きます。

間引いた芽も捨てずに。サラダなどのトッピングにしても。
撮影 深澤慎平

本葉が3~4枚になったら追肥しよう

【追肥の仕方】

本葉が3~4枚程度になったら、化学肥料をひとつかみ10g程度(写真左)、コマツナの株まわりに追肥(おいごえ)します。(写真右)
藤田「追肥というのは”追加の肥料”という意味で、種まきをする培養土には肥料が入っているからです」

追肥のあとは、土が乾いていたらたっぷりと水をやり、春や秋なら30日ほどで収穫できる大きさに。

藤田「収穫は、はさみで根元から切り取りましょう。または株ごと抜き取ってもよいでしょう。よく洗ってから、自分で収穫したコマツナを味わってみてください。ちなみに僕はおひたしにして、海苔を添えて食べるのが好きですね」

第3回は家庭菜園・中級編「ミニトマト」の植え方と育て方です。

取材・文 上坂美穂

寄稿家紹介

藤田智 ふじたさとし

恵泉女学園大学・社会園芸学科教授。1959年秋田県湯沢市生まれ、岩手大学大学院修了。恵泉女学園大学では、野菜園芸学、農業教育学などを担当。各地の市民農園講座でも野菜づくりの指導を積極的に行っている。また、Eテレ『趣味の園芸・やさいの時間』のほか、TV・ラジオなどにも多数出演。
【主な著書・監修】
『野菜づくり大図鑑』講談社/『ベランダ畑』家の光協会/『「よくある失敗」と「対策」がわかる野菜づくり』日本文芸社/『コンテナ菜園を楽しもう』『新・野菜づくり大全』NHK出版など