2021.05.07

保活の準備開始! 希望の保育園に入るための進め方

株式会社リクルート ・保活総研 酒田絵美さんインタビュー 第3回 情報収集をして保活を進める

出産後に復職を考えているのであれば、避けては通れない「保活」。今回も多くのワーキングファザー&マザーが働く『株式会社リクルート』で保活相談窓口『保活のミカタ』を立ち上げ、「保育園に入れない!」という声に耳を傾けてきた酒田絵美さんに聞きました。第3回では、”情報収集の仕方”と”「保活」の全体的な流れ”について解説してもらいます。

写真:アフロ

【”保活”の流れ】

情報収集:まずは前年度の『入園のしおり』を読み込む。不明点は役所の窓口に聞く
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リストアップ:保育園の申し込みリストを作成
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見学:産後、子どもを連れて見に行くのは大変! 妊娠中に行けるとベター
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入園申請:認可園は10月〜12月、認可外は先着順の園も多いので注意
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園承諾〜入園準備:”慣らし保育”のため、入園後2週間は仕事ができない可能性も

まずは情報収集! 行きたい保育園をリスト化

――”保活”の進め方について教えていただきたいのですが、まずはどんなことから始めればいいのでしょうか?

酒田「まずは情報収集からはじめましょう。これは保育園を見学するための情報収集ではなく、最終的に希望の園に入れるかどうかも含めた情報収集です。希望の園に入るためにはどうすればいいか、ということも含めて情報収集しないと理想ばかりが広がってしまいます。
まず、絶対にやっておいてほしいのが、お住まいの自治体が発行している前年度の『入園のしおり(入園案内)』を読んでおくことです。内容は主に認可保育園の入園方法や一覧がまとめられています。『入園のしおり』は、各自治体のHPなどにも掲載されていますし、直接役所に行けば冊子がもらえます。

2020年に内閣府がリリースした全国の保育園検索サイト『ここdeサーチ』などにも情報が掲載されているので、認可外保育園などはこちらで調べてみるのもおススメです。
そして情報収集をしたうえで、自分が行ける可能性のある保育園の希望順位をつけてリスト化してみましょう。必ずしも第1希望の園に行けるわけではないので、第10希望くらいまではリスト化しておくことが大事だと思います。リスト化はできれば妊娠中にできると安心です。家の近くの保育園を網羅して、認可なのか認可外なのか、認可外でも企業主導型なのか、それ以外なのかを把握しておきましょう。
見学はリストの優先順位の高いところからいくのがいいと思います」

【保育園の優先順位を決める項目例】
・送迎時間
・施設の特徴
・保育料
・その他(カリキュラムや利便性など)

※行きたい園、行ける可能性のある園を第1希望~第10希望くらいまでリスト化しておくと有効

申し込みがスタートする10月以降に出産する場合は!?

――出産時期によって入園時期も異なると思うのですが、認可保育園の申し込みがスタートする10月以降に出産を控えている方はどのように情報収集したらいいですか?

酒田「10月以降の出産の方が翌年度から復職を希望する場合は、必ず認可外保育園を検討しておいてください。多くの園は先着順なので、早めの動き出しが肝心です。妊娠中から申し込みを受けつけてくれる園もあります。
園ごとに申し込み時期や方法も違うので、調べるだけでも時間がかかります。認可保育園の結果がでてから検討する方もいらっしゃいますが、その時点では多くの園が定員に達しています。ぜひ早めの行動を!」

ポイント=保育園入園のための「世帯指数」の内容を把握しておく

――認可園の場合はポイント制だと思うので、ポイントのつく項目も知っておいたほうがいいですよね。

酒田「ポイント=保育園入園のための世帯指数のことですね。自治体によってポイントのつけ方も違うので、前年度の『入園のしおり』をよく読んで、自治体が定めている『基準指数』、『調整指数』、『優先順位』をチェックしてください。
東京23区を例にすると、とある区は居住年数が優先順位の項目にあります。また別の区では、不承諾になったあとの待機期間もポイントに影響するので、出産後すぐに申し込みをして不承諾になった場合などはポイントが加点されます。
こうした細かい内容もすべて『入園のしおり』に書かれていますので、よく読み込んでおいてください。また、多くの自治体は前年度は何点でどの園に入園できたのかという結果を開示しています。この情報も参考にするのもおススメです。”我が家は何点くらいで、その点数で入れる園はどこか”を確認しておく。ここまで妊娠中にやっておけると、安心して赤ちゃんを迎えられるかなと思います。

併せて、前年度の倍率が開示されている自治体もありますので、それも目安のひとつとしてみておくといいですよ。倍率の高い園人気の園には、どんな特徴があるのかなども調べてみてもいいと思います。

また、0歳から預かってくれる園と、1歳からはじまる園があり、受け入れ年齢によって申し込みの動きもまったく違ってきます。0歳からはじまる園は、1歳児は2、3人しか入れないこともあるので、行きたい保育園が何歳からで、何点あれば入れるのかを把握することはとても重要です。
例えば10月、11月の出産だと4月の時点では月齢が小さいですが、0歳児から預けたほうが倍率は低いです。
とはいえ、子どもともう少し一緒にいたいから1歳まで育休を延長すると、復職の時期の判断にも関わってきますよね。知らずに育休を延長するのと、判断して延長するのとでは大きな違いがあります」

役所の相談窓口で質問・相談もおススメ

――ここまでお話を聞いただけで情報量がものすごいですよね。一から調べるのは本当に大変です。

酒田「役所の相談窓口に行くとポイントの項目や申込みの仕方について教えてくれるので、1度は行ってみることをおススメしています。わからないことや気になっている点について質問すればもちろん教えてくれますし、たまに冊子に載せるまでもないような細かい情報を教えてもらえる可能性もあるので、情報収集の一環として役所に行ってみるのはいいと思いますよ。
流れを整理すると、情報収集したあとにリストアップ→そこから見学に行き→入園申請です。入園の承諾がもらえたら、保育園ごとの対応を調べながらいよいよ入園準備です。がんばりましょう!」

入園までの準備がとても多いのが”保活”。1人で悩んでいるのであれば、役所の相談窓口に行って聞いてみるとモヤモヤが解決するかもしれません。

第4回では、パートナーとどう話し合うか、急な引っ越しや待機児童になってしまったときなどの対応方法について、引き続き酒田絵美さんに教えてもらいます。

保活総研
「ライフステージが変化しても、希望通りの働き方ができる」という未来のアタリマエに向かって、保育園入園に関するこれからを企業横断で考えていく場。企業の人事担当者に向けた「従業員の保活支援」ノウハウや保育園入園に関する最新情報の共有などさまざまな取り組みを行っている。

取材・文 石本真樹

さかた えみ

酒田 絵美

株式会社リクルート 横断人事統括室・人事統括室・ダイバーシティ推進部在籍。
従業員向け保活支援『保活のミカタ』起案者 。3児...