2022.02.28

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【子育てあるある】約28万人フォロワー・きくちあつこさん「育児は大変&愛おしい」

イラストレーター・きくちあつこさんインタビュー#1「みんなの共感が心の支えに」

ファッションイラストレーター:きくち あつこ

オシャレで共感度の高いファッションイラストが、インスタグラムで人気のきくちあつこさん。

男児2人の母として、子どもと向き合ってきたきくちさんが上梓した書籍、『レモネードな子育てあるある日記〜酸味と甘味が交錯する0-4歳育児〜』(2月24日刊)では、自身の子育てを振り返ってピックアップした、0-4歳児のさまざまな“あるある”言動を、愛らしいイラストでコミカルに描いています。

発刊を記念して、きくちさんにスペシャルインタビュー! 執筆にまつわる秘話やご自身の子育てについてなど、たっぷりお話しいただきました。

(インタビュー第2回(2022年3月7日配信)は、こちらから)

“子育てあるある”をみんなで楽しく共有できたら

ファッションイラストレーター・きくちあつこさん

これまでにファッションをテーマにした書籍を5冊刊行するなど、オシャレなファッションイラストで絶大な人気を集めているきくちさん。そんなきくちさんにとって、今回の書籍は初の、育児にフォーカスを当てた本になります。

「子育てが少し落ち着き、ようやく自分がやってきた育児を客観的に見ることができるようになりました。改めて昔を思い返すと、0-4歳児の子育てがいちばん大変ではありましたが、同時に子どものかわいらしさをいちばん味わった時期でもあったなと感じたんです」

また自身が初めての子育てに奮闘していた頃の思いも、書籍製作のきっかけになりました。

「私自身も子育て中、『育児にまつわる本がほしい』と思っていました。というのも自分の育児に自信がなく、何かにつけて『これで合っているのかな?』『こんなことをして大丈夫?』と不安ばかりで……。

しかし当時は育児本というとマニュアル的な本がほとんどで、買って読んでみても『私のやり方は間違いだったんだ』と落ち込むことばかり。それよりも『わかるわかる』『ウチもそうよ!』など、似たような経験をした人たちとワイワイおしゃべりするような感覚で気軽に読める本が欲しかったんです。

不安で心細かった気持ちを思い出し、私が体験した子育てのあるあるエピソードをまとめ、子育て世代の方々に共感してもらえる本を作れたらと思いました」

インスタ投稿で注目の的に

きくちさんが注目されるきっかけとなったのが、2014年1月1日からスタートしたインスタグラムへの投稿です。毎日アップされるファッションイラストと育児日記は多くの支持を集め、現在のフォロワー数は約28万人!

「最初は自分の絵の勉強のために、ファッションイラストを1枚、絵日記のような形で描いていたのですが、毎日続けるためには、日常のネタを入れていかないと難しいなと思ったんです。そこで自分の生活を見回してみたら、目の前に子育てが転がっていました(笑)。

ちょうど長男が4歳になるかならないかのタイミングでいちばん大変な時期だったので、『せっかくなら、これを漫画にしよう!』と。子育てって毎日グチャグチャ&バタバタで、ファッションと違って全然オシャレにはできない。でもせっかく子育てをテーマに描くならカッコつけず、ハチャメチャな感じをそのまま出したいと思いました。

“ファッションイラスト”と“子育てコミカル漫画”、相反する2つのものを描いているのが私の世界観だと考えていて、両方楽しんでくださる方も、片方だけ楽しんでくださる方もいますが、最近は『子育ての方ばっかり読んじゃいます』という声も多くいただくようになり、その声は今回の書籍製作の後押しになりました」

ほぼ新規イラストでまとめられているという本は、日常の何気ない場面で突然飛び出す、0-4歳児ならではのおかしくも愛おしいエピソードが盛りだくさん!

いままで使った手帳。育児の記録が積み重ねられている(写真:きくちあつこさん提供)

「長男を妊娠したときから、その日にあったことを毎日手帳に書き留めていて、その内容がベースになっています。もともと昔から書くこと&描くことが好きで、それが私の日頃のストレス解消にも繋がっていたのかな。

『やらなきゃ!』という使命感より、『いつか子どもにも見せたい!』という気持ちで、とにもかくにも書き残しておこうと。本当にメモレベルで、人に見せるようなレベルのものではないのですが、まさか数年後にこうして本になるとは……ですね(笑)」

「今回、久しぶりに手帳を読み返してみたら、当時の記憶がけっこうなくなっていて、『こんなに早く忘れてしまうものなのか!』とびっくり(笑)。日によっては文字も殴り書きでグチャグチャだったりするのですが、その筆跡を見ると『大変だったんだなぁ』と当時の状況が思い出されました。

また担当編集さんがまさに今、0~4歳児の子育てをされている最中なので、『こんなこと、ありますよね~』とアイデアをいただきつつ、自分の過去の記憶と照らし合わせて描くエピソードを選びました」

子育てを通して土鍋のようにどっしりタフに!

子育ての嵐が過ぎ去った今だからこそ、気づいたこともあるときくちさんは言います。

「0~4歳児の子育ての渦中にいるときは毎日必死で、『この大変さから、早く解放されたい!』と思っていました。でも過ぎ去ってしまえば本当にあっという間で、『あんなにかわいかった幼少期が、終わってしまった……』と寂しい気持ちになるし、『あんなにいっぱいいっぱいにならず、もうちょっと余裕をもって楽しめればよかった』と思います。

あの頃の私は、『こうしなきゃ』『こうあるべき』と、自分で勝手に決めた枠に囚われていたんですよね。夫婦は最初の赤ちゃんが生まれた瞬間から“お母さん”“お父さん”にはなりますが、育児は初めてなのだから、できないことがあって当たり前。それに子育ては本当に十人十色で、正解なんてないということを、自分の身をもって実感できてよかったと思っています」

子育ては自分自身にもいい変化をもたらしてくれたと、きくちさんは笑いました。

「器が大きくなり、土鍋のようにどっしりタフになったのは、嬉しい変化だったかな。子どもを産む前の私はわりと細かく何事もキッチリやりたいタイプで、カッコよさを大事にしていたところがありましたが、子育てはそうはいきません(笑)。毎日のように起きる想定外の“バタバタ&グチャグチャ”を、ドーンと構えて『おもろいやん』と楽しめるようになりました。

またそのドタバタをSNSに投稿したら、皆さんに共感してもらえたというのも大きかったです。『そうそう! ウチも同じよ』と言ってもらえると、『これでいいんだ』とホッとしました。共感してもらえることが、自己肯定感に繋がったのかなと思います。

そういった意味で、長男が0~4歳児のタイミングでSNSに出会い、子どもの話を描いて公表できる場があったのはとてもありがたかったですね。さまざまな”子育てあるある”をギュッと詰め込んだので、子育て世代の方々に響く本になっていれば嬉しいです」

【取材・文/木下千寿

インタビュー第2回(2022年3月7日配信)はこちら

きくちあつこ レモネードな子育てあるある日記 ~酸味と甘味が交錯する0-4歳育児~

インスタフォロワー28万人超の大人気ファッションイラストレーターきくちあつこ待望の『育児あるある本』発売!

赤ちゃん期から、歩いて喋って意思疎通ができる人間へと劇的に成長を見せる0ー4歳児。その過程では、謎に満ちたでも愛おしい行動の数々が…0ー4歳の思わず笑ってしまう“あるある”な行動を集め、ほぼ全て新規イラストでまとめた一冊。ファッションイラストも多数掲載。育児中でもファッションを楽しみたいママに、ファッションコーデやアイデアをおしゃれなイラストで紹介します。


※書籍名「レモネードな子育てあるある日記」について/英語のことわざに『When life gives you lemons, make lemonade.』があります。人生でレモンのように酸っぱいこと(大変なことや試練)があっても、その時はそのレモンを使って、甘酸っぱくて美味しいレモネードを作れば良い。子育ても大変なことも多いけれど、その分だけ喜びもたくさん。だから楽しんで行こう!という意味を込めました

きくちあつこさんの子育てあるある&ファッション日記

きくち あつこ

ファッションイラストレーター

1980年大阪生まれ。京都精華大学 芸術学部版画学科を卒業後、社会人を経て2015年からフリーのイラストレーターに。 2014年頃か...

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