「母の日だけは感謝してほしい」あの日の思い出【専門家おすすめ絵本とエッセイ】

5人の孫と楽しむ絵本の魅力を綴る「ばあばのまごまご絵本日記」#35

絵本コーディネーター:こが ようこ

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作家であり、絵本コーディネーターのこがようこさんが、5人のお孫さんといっしょに絵本を楽しむ日常を綴った「まごまご絵本日記」は、孫育て世代も子育て世代も注目のエッセイです!

今回は、子育てしていたころの「母の日の思い出」、そして、4歳と2歳のお孫さんたちがお気に入りの絵本のご紹介です! ぜひ絵本選びのヒントにしてみてください♪

母の日の贈りもの

今年の母の日、孫のぱっぱちゃん(5歳)とデートしました。じいじとばあばとぱっぱちゃんの3人デート。いいでしょう?

プラプラしながら花屋さんの前を通ったらすごい行列。母の日ですからね。わたしはぱっぱちゃんに囁いてみました。

「好きな花を1本、ママにプレゼントするのはどう? いつもありがとうって渡したら、ママきっと喜ぶよ」「うん、それいい!」

このアイディア、ぱっぱちゃんも気に入ったみたい。ぱっぱちゃんが選んだ花にリボンをつけてその日のお土産にしました。娘は喜んだかなあ。

さてさて、こんな満ち足りた気分で過ごした今年の母の日ですが、わたしが子育てしていたときの母の日は、実は毎年とても悲惨だったの。フフ。思い出しただけで笑っちゃう。いえ泣けちゃうの。聞いていただけます?

子育て中のわたしったら、なぜか母の日だけは感謝してほしい気持ちでいっぱいになっちゃったの。ほかの記念日は何もなくても平気なのに。
母の日がくるでしょ、朝は平気。お昼だっていつもどおり準備して。花を抱えたよその子を見ても、うらやましいわけでもない。

ところがですよ。夕方になると切ない気持ちでいっぱいになってしまう。外からは友だちと遊ぶ娘たちの元気な声。夫はテレビなんか見ている。するとね、ムクムクとわたしの中に怪しい雲が湧き始める。毎日毎日育児に家事に頑張っているのに、なんで誰も「ありがとう」って言ってくれないんだろう。こんなに頑張っているのに。なんでなんでわたしだけ。

いろいろな気持ちがあふれ出て、最後には涙が止まらなくなってクローゼットに隠れてしまうのだ。それでも誰も気づかない。夕飯時になって、「あれあれ?」となって夫だか誰かが花屋さんやケーキ屋さんに駆け込むということを毎年のように繰り返していたんですねえ。

学びがないのか家族で毎年それを繰り返していた。もう年中行事です。笑っちゃうでしょう? 笑っちゃうけれど、なんだかそんな若かった自分も愛しいなあ。

今はおかげさまで満ち足りた母の日を過ごしています。ぱっぱちゃんとデートさせてもらって、そして娘たちからも感謝の言葉。そう! この娘たち家庭を持ってからも母の日は忘れませんの。ホホホ。学んだんだな。

『よんでよんで』

『よんでよんで』(2015年7月17日)
作:ときわひろみ、絵:さとうあや/定価:990円(税込み)/教育画劇
最近はね、絵本を「よんで よんで」って、孫たちが持ってきてくれる姿が、いちばんうれしいプレゼント。ホントですよ。

「えほん よんで よんで」って持っていったら、おかあさんは洗濯中。そこで、ねこさんに、「えほん よんで」「ニャー」「ニャンニャン ニャゴニャゴ ニャント ニャンニャン」。ねこさんが、ねこ語(!?)で読んでくれるのが愉快です。

いぬさん、ぶたさん、うしさんも。画面いっぱいに描かれた動物たちの姿がかわいくほっこりします。ぴっぴくん(4歳)は絵本の中に描かれたジャムやケーキにも興味津々でしたよ。

『おべんとうばこのうた』

『おべんとうばこのうた』(2013年8月30日)
構成・絵:さいとうしのぶ/定価:1100円(税込み)/ひさかたチャイルド
ぷっぷくん(2歳7ヵ月)はとーっても上手に歌を歌えるようになったの。ぷっぷくんが大好きな歌の『歌絵本』をご紹介します。

「これくらいの おべんとうばこに おにぎり おにぎり ちょいと つめて──」。手遊びとしてご存知の方も多いはず。わらべうたの歌詞が絵本になっています。

にんじんさんやさくらんぼさん、食べものたちがお弁当箱の中に収まっていきます。みんな踊ったり、あいさつし合ったり楽しそうな様子です。

最後は、「いただきまーす!」絵本のお弁当をパクパクたべちゃいましょう。どれから食べようかな。ぷっぷくんは、「にんじんシャン! さくらんぼシャン!」って、歌ってくれてかわいいの!
イラスト・文/こがようこ

次のエピソードは6月25日(水)配信予定です!
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こが ようこ

絵本コーディネーター

作家。絵本コーディネーター。30年以上にわたり、さまざまな場所でおはなしを届ける活動を続ける。絵本作品に『ぺこぺこ ペコリン』(絵・くさかみなこ/講談社)、『どーこかな?』『なんのおと?』(瑞雲舎)、『いやいやいちご』(絵・たかおゆうこ/教育画書)、『おなかのなかのあかちゃんへ』(絵・くのまり/岩崎書店)、「語りかけ絵本」シリーズ(大日本図書)、「わらべうたでひろがるあかちゃん絵本」シリーズ(絵・降矢なな/童心社)などがある。げんきで「こころを育てる絵本1・2の3」を連載。

作家。絵本コーディネーター。30年以上にわたり、さまざまな場所でおはなしを届ける活動を続ける。絵本作品に『ぺこぺこ ペコリン』(絵・くさかみなこ/講談社)、『どーこかな?』『なんのおと?』(瑞雲舎)、『いやいやいちご』(絵・たかおゆうこ/教育画書)、『おなかのなかのあかちゃんへ』(絵・くのまり/岩崎書店)、「語りかけ絵本」シリーズ(大日本図書)、「わらべうたでひろがるあかちゃん絵本」シリーズ(絵・降矢なな/童心社)などがある。げんきで「こころを育てる絵本1・2の3」を連載。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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