進化の逆をいくような肺呼吸からエラ呼吸になる生きものはいますか?

【MOVE生きもの相談室】子どもたちから集まった生きものにまつわる質問に答えます!

「ハイギョについて質問です。『MOVE生きもののふしぎ』P105に載っていたハイギョですが、ハイギョは魚だけど肺があり、水がなくても呼吸ができ、乾季には土の中で過ごすことが出来ると書いていました。ハイギョの浮き袋が肺の機能を持ち、そういった魚類の浮き袋がもとになって、両生類の肺が進化してきたと聞きました。

ハイギョのように進化する途中の生き物がいる事はよく聞きますが、逆に、進化の反対のような肺呼吸からエラ呼吸になっていく進化途中のものはいますか。海イグアナは陸から海に生きていく場所を移した為に海にもぐれるようになったと聞きました。

他にも魚→両生類→爬虫類→鳥類や哺乳類といったような順番の逆を進んでいるような生物はいますか。これから地球環境が変化していくことで、例えば爬虫類が大型化し恐竜のようになるといった進化の逆が起こる事はあるのでしょうか。」(はるき・小学6年)

「講談社の動く図鑑MOVE 生きもののふしぎ」

回答:呼吸方法が先祖返りした例はありません

肺呼吸の動物が別のエラ呼吸をする動物に進化した例はありませんが、同じ種類の動物ではそういうことがありえます。ペットショップなどで「ウーパールーパー」の名前で知られるアホロートル(メキシコサンショウウオ)の仲間が有名です。

サンショウウオやカエルなどの両生類は、子ども(オタマジャクシ)の間は、エラ呼吸、大人になると肺呼吸をしますが、アホロートルは、エラ呼吸のまま大人になります。肺呼吸をするはずの大人がエラ呼吸をするわけです。海にすむホヤは、一見イソギンチャクのような原始的な生きものに見えますが、卵から孵化したばかりの幼生は、親とは似ても似つかぬオタマジャクシのような姿で、その尾の中には原始的な背骨(せきさく)があって、魚、両生類、爬虫類、鳥類、そして私たち人間が含まれる哺乳類に近い生きものであることがわかります。ホヤは親になるとき、背骨の元のような「せきさく」が体に吸収されて無くなってしまうのです。

生物は、環境によって姿形は変化しても、呼吸方法が先祖返りした例はありません。水中で暮らすクジラやイルカも姿は魚そっくり進化しましたが、エラ呼吸になることはありませんね。ウミイグアナも同じ。エラ呼吸になることはありません。

答えてくれたのは…

伊藤 弥寿彦/いとうやすひこ
1963年東京都生まれ。学習院、ミネソタ州立大学(動物学)を経て、東海大学大学院で海洋生物を研究。20年以上にわたり自然番組ディレクター・昆虫研究家として世界中をめぐる。NHK「生きもの地球紀行」「ダーウィンが来た!」シリーズのほか、NHKスペシャル「明治神宮 不思議の森」「南極大紀行」など作品多数。初代総理大臣・伊藤博文は曽祖父。

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