地球にやさしいエネルギーって? さかなクン探究隊で【エネルギー研究の最前線】を学ぶ

MOVEラボ研究員助手のはるきが 第2回「やさしいエネルギーと使い方」をレポート!

国の重要文化財「明治丸」はどんな役割を果たしたの?

明治丸
明治丸とは?
日本に現存する唯一の鉄船で、鉄船時代の造船技術を伝える重要な遺産として、船としては初めて国の重要文化財に指定されました。東京海洋大学越中島キャンパス正門からすぐの場所にあります。

全長:75.044m、型幅:9.176m、深さ:6.901m、重さ:1010.08t、出力:1100馬力(全て建造時)
明治丸は、約140年前に明治政府がイギリスの造船所に燈台巡廻業務用として発注し造られた、今では日本に残るたったひとつの「鉄」で出来た船です(現在の船は全て鋼鉛)。

明治丸が回航したのは明治8年。その時代の日本の海は夜になると何も見えなくなるほどの暗い海でした。安全な航海をするために海を明るく照らす大切な灯台を守るために造られ、約20年間活躍したそうです。

燈台業務のみではなく、ロイヤルシップとしても活躍し、船内には特別室やサロンを備えたとても豪華な内装の船でした。明治天皇が東北・北海道を巡幸される際、青森〜函館〜横浜まで乗船されたそうです。7月20日に横浜に帰港されたため、その日が「海の記念日」と制定され、平成8年に現在の国民の祝日「海の日」となりました。
近くで見ると迫力満点でかっこいい!
明治丸はその当時の船ではとても速い船でした。明治8年、小笠原諸島の領有権問題が起きたときに日本政府の調査団を乗せてイギリスより早く小笠原に到着し、調査を行ったため、小笠原諸島は日本の領土となったそうです。

約20年間、燈台巡廻船として活躍した明治丸は、明治29年に商船学校(現在の東京海洋大学)に譲渡され、練習船として約50年間、5000名程の生徒を船乗りへと育てたり、関東大震災や東京大空襲では被災された住民を収容し、災害救助にも貢献しました。

明治丸に乗船!ドキドキ!

清水教授やチューターの方、海洋会明治丸ボランティアの方が説明と案内に来てくださいました。
いよいよ乗船!
こういった歴史ある船に乗るのは初めてでドキドキです。

船首部にはバウスプリットが長く高く突き出ていて、甲板上には3本のマストがあります。近づいて見るとかなりの迫力です。
迫力満点のマスト
船の中は急な階段があり、船の内部につながっていました。この階段は明治天皇の御座室の近くにあるため、足音が立たないように工夫がほどこされていたそうです。船の中は豪華で、内装はとても上品で落ち着いた雰囲気でした。
階段も豪華な造りです。
内部はマホガニーのテーブル、大理石のカップボード等、とても豪華です。公室・寝室・浴室があります。壁には板絵があり、明治天皇の肖像画もありました。
明治天皇の肖像画も!
サロン
明治天皇が使われていた御座所を見ることもできました。こんなに大きな船は見たことも乗ったこともなかったので、とても貴重な体験になりました。

小笠原諸島の領地権問題で活躍した船ということ、明治天皇が乗船され巡幸されたこと、いま残る最後の鉄でできた船だということなど、日本の歴史を伝えていくために重要な船だとよくわかりました。重要文化財として保存されることで、僕たちのような若い世代も見学することができ、実際に目で見て、中を歩いて歴史を感じられるようになっています。

僕の祖父は歴史ある船が大好きなので、明治丸がどんな感じだったか僕の体験を伝えたいです。一般公開の日が決まっているので、事前に確認し、皆さんもぜひ明治丸の中を見学してみてください。
清水教授は見学中もさまざまなことを教えてくださいました。
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