地球とほぼ同じ大きさの惑星は金星! 太陽の周りをまわる「8つの惑星」を図鑑MOVEより詳しく解説!

講談社の動く図鑑MOVE「宇宙 新訂版」MOVEmini「宇宙」よりピックアップして紹介します。

太陽のまわりを回る8つの惑星、それぞれの特徴を解説

©PIXTA

国立天文台によると、2023年の冬は、おうし座南流星群(11月6日ごろ)、おうし座北流星群(11月13日ごろ)、しし座流星群(11月18日ごろ)、ふたご座流星群(12月15日ごろ)に加え、金星や土星、木星がそれぞれが月に接近する日があるなど、天体ショーが盛りだくさん。

そこで今回は、MOVE「宇宙 新訂版」MOVEmini「宇宙」より、太陽のまわりを回る惑星について詳しく解説します。
MOVEmini「宇宙」より
惑星とは?

太陽のように自ら光る星を恒星といい、恒星のまわりを回る比較的大きい天体を惑星といいます。太陽のまわりには、地球をふくめ、8個の惑星が回っています。そのほか、惑星のまわりを回る衛星や、小惑星、彗星、太陽系外縁天体があり、これらの集まりを「太陽系」と呼びます。

人類は太陽系の多くの天体に無人探査機を送って、さまざまななぞの解明にチャレンジするまでになりました。しかし、太陽系の探査はまだ始まったばかりです。

もっとも太陽に近い小さな惑星「水星」

MOVEmini「宇宙」より
太陽系でもっとも小さくて軽く、太陽のいちばん近くを回る惑星。太陽の光が当たっている昼は、約430℃の灼熱地獄ですが、夜は一転して約マイナス160℃まで下がります。その差がおよそ600℃にもなる、太陽系でいちばん温度差のはげしい惑星なのです。
〈水星の基本データ〉

直径……4880km(地球の0.4倍)
質量……地球の18分の1
自転周期……59日
公転周期……88日
太陽からの距離……平均5791万km(地球の0.4倍)


水星は、核が直径の4分の3もあります。核の成分は鉄やニッケルなどの金属で、その外側は岩石質のマントル(惑星や衛星などで、核の外側にある層)、そして表面が地殻(天体の固体部分の表層部)でおおわれています。彗星には、地球のような磁場はないと思われていましたが、探査機「マリーナ10号」が弱い磁場を発見しました。

地球とほぼ同じ大きさの惑星「金星」

MOVEmini「宇宙」より
太陽系でいちばん明るく見える惑星。地球よりも太陽にちかく、金星全体をおおう厚い雲が、太陽からの光の78%を反射するためです。大きさ、質量、内部構造も地球とそっくりだが、まったく違う環境をもった惑星なのです。
〈金星の基本データ〉

直径……1万2104km(地球の0.95倍)
質量……地球の0.8倍
自転周期……243日
公転周期……225日
太陽からの距離……平均1億820万km(地球の0.7倍)


中心から、鉄やニッケルなどの金属の核、岩石質のマントル、そして地殻となっていて、大きさや質量、構造は地球にとてもよく似た地球型惑星です。しかし、地球とちがって金星には磁場がなく、円にとても近い軌道を回っています。

奇跡の惑星「地球」

MOVEmini「宇宙」より
太陽系でただひとつ、さまざまな生きものがすむ惑星。太陽から3番目にちかいところを回る惑星で、水が豊富に存在します。磁場と厚さ数百kmのうすい大気に守られ、生物が豊かに生きていける惑星なのです。
〈地球の基本データ〉

直径……1万2756km
自転周期……23時間56分(公転で太陽の角度が変わるので、一日の長さは自転周期よりも4分ほど長くなります)
公転周期……365.26日


金属の核と岩石からなる地球型惑星としては、太陽系で最大の惑星です。

「火星」の荒れた大地にはなにがある?

MOVEmini「宇宙」より
「火星」の赤さは、大地に大量にふくまれる酸化鉄(赤さび)が原因です。数十億年前には川や海もあったのだとか。巨大な火山、峡谷、クレーター、両極の氷の極冠(きょっかん)など、変化に富んだ地形に興味はつきません。
〈火星の基本データ〉

直径……6792km(地球の0.5倍)
質量……地球の10分の1
自転周期……24時間37分
公転周期……687日
太陽からの距離……平均2億2794万km(地球の1.5倍)


地球の半分くらいの大きさで、質量は10分の1です。火星の表面は、多くの場所で地表から数メートルまでチリがつもっています。うすい大気がありますが、雨が降ることはありません。

太陽系最大の惑星「木星」

MOVEmini「宇宙」より
「木星」は、太陽系で最大の惑星。太陽と同じようにほとんど水素ガスからできていますが、質量は太陽の1000分の1しかありません。あと80倍の質量があれば、太陽系第2の太陽として連星となった可能性があります。
〈木星の基本データ〉

直径……14万2984km(地球の11倍)
質量……地球の318倍
自転周期……9時間56分
公転周期……11.9年
太陽からの距離……平均7億7830万km(地球の5.2倍)


質量は地球の318倍、体積は1321倍もありますが、ほとんど水素(約89%)とヘリウム(約11%)からできていて、密度は地球より小さいガス惑星です。高速で自転しているので、遠心力で赤道付近がふくらんでいます。

大きく美しいリングをもつ「土星」

MOVEmini「宇宙」より
1610年、ガリレオ・ガリレイが自作の望遠鏡で「土星」を観測して以来、土星は科学者たちの好奇心を刺激し続けています。現在は、土星の衛星にも探査機を着陸させることに成功していますが、まだまだわからないことが多いのです。

土星のリングは望遠鏡で見ると1枚の板状に見えますが、実際はすき間があいた複数の環(わ)からできています。それぞれの環は、数ミリから数メートルの岩石や氷の粒が集まってできていて、厚さは10メートルほどです。
〈土星の基本データ〉

直径……12万536km(地球の9.4倍)
質量……地球の95倍
自転周期……10時間40分
公転周期……29.5年
太陽からの距離……平均14億2940万km(地球の9.6倍)


太陽系のなかで、土星は木星についで2番めに大きく、重い惑星です。しかし、平均密度は地球の8分の1ほどしかありません。これは、土星が水素(約96%)とヘリウム(約4%)という軽いガスでできているガス惑星だからです。自転の速度が速いので、遠心力によって赤道付近がふくらんでいます。

横だおしにされた惑星「天王星」

MOVEmini「宇宙」より
「天王星」は自転軸が横だおしになって太陽を公転する、ふしぎな惑星です。太陽から遠く、表面はマイナス200℃ほどの、とてつもなく寒い惑星なのです。また、天王星には地球よりすこし弱い磁場があります。しかし、なぜこの磁場が自転軸から60度もかたむいているのか、まだわかっていないのです。
〈天王星の基本データ〉

直径……5万1118km(地球の4倍)
質量……地球の14.5倍
自転周期……17時間14分
公転周期……84年
太陽からの距離……平均28億7503万km(地球の19倍)


中心は岩石や氷からなる核、そのまわりを水やアンモニアとメタンがまじった氷のマントル、さらに外側はヘリウムとメタンをふくむ水素ガスがおおっています。

もっとも遠い惑星の「海王星」

MOVEmini「宇宙」より
「海王星」は巨大な氷とガスでできている。太陽系のなかで太陽からいちばん遠い惑星なので、表面はマイナス220℃ちかい極寒の世界。しかし中心部は5000℃にもなる。強風が東西にふき、巨大な黒斑があらわれたり消えたりする、ふしぎな惑星です。
〈海王星の基本データ〉

直径……4万9528km(地球の3.9倍)
質量……地球の17倍
自転周期……16時間6分
公転周期……165年
太陽からの距離……平均45億440万km(地球の30倍)


天王星とよく似た構造の惑星です。岩石や氷からなる核のまわりを、水やアンモニアとメタンがまじった氷のマントルが、その外側をヘリウムとメタンをふくむ水素ガスがおおっています。

冥王星は準惑星! 近年になって探査機が到達!

MOVEmini「宇宙」より
1930年、海王星の外側にはじめて天体が見つかり、「冥王星」と命名された。1992年以降になると、海王星の外側でつぎつぎと天体が見つかり、それらはまとめて「太陽系外縁天体」と名づけられました。探査機がはじめて到達したのは、冥王星が2015年、太陽系外縁天体のひとつアロコスが2019年でした。
〈冥王星の基本データ〉

直径……2377km(地球の5分の1)
質量……地球の500分の1
自転周期……6.4日
公転周期……248日
太陽からの距離……平均59億135万km(地球の39.5倍)


冥王星の地表はメタンの氷やチッ素の氷などでおおわれています。中心には岩石の核があり、氷のマントルに包まれていると考えられています。地下には海がある可能性もあります。

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