ラクダとクジラは同じなかま!?

クジラ偶蹄目(ぐうていもく)ってなに?

ひとむかし前までは、ラクダやシカの仲間をふくむ「ウシ目(偶蹄目)」と、クジラやイルカのなかまを含む「クジラ目」は、別のグループと考えられてきました。
しかし近年の遺伝子解析によって、この2つは同じなかまであることがわかり、「クジラ偶蹄目」という新しいグループが生まれました。

ラクダとクジラが同じなかまというのは、なかなか想像しづらいですが、「クジラ偶蹄目」とは、いったいどんなグループなのでしょうか。

多くの生物は、水中から陸上へ進化の道をたどってきました。しかし、イルカやクジラは、陸上から、ふたたび水中へと生活の場を変えたと考えられています。

再び水中にかえった理由としては、
「乾燥に耐えられなかった」
「体が重く動きが遅いため、陸上で獲物を得るのが難しくなった」
など、さまざまな説が考えられています。

祖先は同じでありながら、水中から陸上に適応し、そのまま陸上生活を選択したのがウシ目、水中生活を選択したのがクジラ目というわけです。

一度失った器官を取り戻すことはできないため、クジラは、水中でもなお、えらではなく、肺で呼吸をし、母乳で子育てをします。また、水中で必要なくなった四本の肢は、ひれへと進化をとげました。

■関連:「動物」102-139ページ