そもそも飛行機はなぜ飛べるの?
上にかいたとおり、飛行機のつばさは上の面が少しふくらんでいます。そのため、飛行機が猛スピードで動き出すと、つばさの断面の上を通り過ぎる空気はつばさの下を流れる空気よりも速くなります。
流れの速いつばさの断面の上の空気は、下の空気よりも圧力が下がるため、圧力の高いほうから低いほうへ向かう空気の力がつばさに働き、飛行機はこの上向きの力によって空を飛ぶことができるのです。
この上向きの力(揚力)は、つばさの断面を流れる空気によって発生します。
横形のつばさの上を通過する空気は飛行機より速い
仮にふくらんでいる上側の長さが6メートルだとすれば、飛行機が秒速100メートルで進むとき、つばさの断面の下の空気は同じく秒速100メートルで流れますが、上の空気はその1.2倍の秒速120メートル以上で流れることになるわけです。
ですから、つばさが横形タイプの飛行機では、飛行機の速度よりもつばさの断面の上を流れる空気のほうが速くなります。
衝撃波が起きると飛行機は飛べなくなる
衝撃波が発生するとつばさの上を流れる空気は激しく乱れ、つばさの上からはがれてしまいます。そうなると飛行機は飛ぶ力を失い、最悪の場合落ちてしまうのです。
飛行機のスピードがマッハに近づいても、つばさの上を流れる空気のスピードがマッハを超えなければ衝撃波は起きませんが、どうすればつばさの上を流れる空気のスピードだけを遅らせることができるでしょうか。