線路が道路よりもずっと高いところを通っている高架線が増え、道路と線路の立体交差によって踏切はその数を減らしています。
でも、開かずの踏切がニュースになったり、まだまだ日本全国ではたくさんの踏切が活躍中です。読者の「身近で気になる物のかたちアンケート」でも、踏切は上位にランキングされました(げんき・テレビマガジン編集チーム調べ)。
今回は、そんな気になる踏切のかたちについての謎を解き明かします。
警報機と遮断機のかたち
それに交互に点滅して列車の接近を知らせる赤いランプ、カンカンと鳴る警報機、そして人や車の通行を止める、やはり黄色と黒のしま模様の遮断機がついたものもあります。
なぜ×印なのでしょう。踏切に入ると危ないから、入ってはダメという意味で×印をしているのでしょうか。
×印の標識の黄色と黒のしま模様は、警戒色、警告色といわれます。「危ないから注意してね」とか、「入ってはいけません」という意味で使われることの多い模様です。
ですから、黄色と黒のしま模様のついた×印なら、「危険だから入ってはダメ」と止められているような気がしますね。
×のかたちの理由
ですから×印の意味を、危険なので入ってはいけないという意味でとらえても、間違いとはいえないかもしれませんね。
×印は「ここに踏切があるよ」というサインです。
×印は、警標とかクロスマークといいます。英語で踏切はレイルロード・クロッシング、「鉄道と道路が交差(クロス)しているところ」という意味ですね。
踏切は線路と道路の交差点ですから、線路と道路が交差(クロス)しています。
つまり×印は、鉄道と道路がクロスしている踏切のかたちを表しているのです。
いろいろな遮断機のかたち
電車が近づいてくるとカンカンという警報音ともに、上から長い棒やワイヤーロープがおりてきて道をふさぎ、人や車の通行を止めます。
そして電車が通り過ぎると遮断機は上がり、再び人や車が通れるようになります。
このとき電車が何本も通過すると、いつまでも遮断機が上がらず、待たされる人が多くなるため「開かずの踏切」などと悪口を言われることもあります。
この遮断機のかたちもいくつかあって、一番多く見かけるのは黄色と黒のしま模様をした長い竿ではないでしょうか。
道路の片側に1本のタイプや道路の両側に1本ずつ備えられ、2本で道路をふさぐタイプもありますね。
上から黄色と黒のしま模様のプレートの付いたワイヤーロープが、垂直におりてくるタイプなどもあります。
引き出したり引っ込めたりは、鉄道の係員がやっていました。
まだ、鉄道が開通したばかりで、あまり本数がなかった時代の遮断機には、人が自由に通行できるよう普段遮断機は線路側をふさいでいて、列車がきたときだけぐるりと回転し道路側をふさいで列車を通すタイプもあったそうです。
謎のこたえ 踏切のバッテンは、道路と鉄道が交差しているというサイン
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テレビマガジン編集部
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga
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